サテライト・サロン活動

■第52回サテライト・サロン吉祥寺報告
◇開催日  2019年11月27日(水)午後6時30分〜
◇演題   フィンランドの夏のキャンプ事情
◇演者   東京都勤労者山岳連盟・ぶなの会 今井正史氏
・講演内容
A)概要
・目的;フィンランドからノルウエーを車で移動 キャンプ場巡り
・期間;7月22日〜8月9日(19日間)
・メンバー:6名(男4名(80代1名、70代1名、60代2名)JFMAが主体。女2名(70代2名)
・移動手段:レンタカー(予約は6人乗り、乗ってみて荷物が詰めないので、即9人乗りワンボックスカーに変更した。待ち時間が掛かり、出発時刻が遅くなる。)
カーナビ(英語)は別料金。右側通行。毎日150〜200q。走行距離は18日間で5000q。給油代;50?位で\6,000〜\8,000
・食料はスーパーで購入、(穀物、パン、野菜・果物、肉・魚、アルコールは5%以下のビールだけ(リカーショップ)
・昼食;サービスエリア(レストラン、スーパーへ移設、GS付)
・キャンプ場:全体地図から目年を付ける。道路の表示板で見つける
・施設内容:受付の終了時刻は18時。テント場(芝、砂地)に炊事場、トイレ、サウナ、洗濯場、BBQの網、薪代は無料、専用の小屋もある。
キャビン(大6人、中4〜5人、小2〜3人)は台所、トイレ、シャワー、サウナ。BBQも網、薪代が無料で使える。 ・行動:5時 起床〜朝食〜鍵返却〜出発〜途中休憩(トイレ)〜昼食(スーパー併設レストラン、コンビニタイプ)、給油、食材購入〜キャンプ場〜夕食交流〜就寝 23時30分頃
・その他:白夜、サウナ、日帰りハイク、釣り、ボート、併設のバー、物価、買い物、酒事情、トナカイ、街歩き、等々
・現地の人たち:キャンピングカー、ボート、釣りとサウナ。
・国境:1,800q。
・首都:ヘルシンキ、北緯60°
・言葉:フィンランド語
・人口:560万人
・代金支払い;食事、スーパーで¥500.でも ユーロでカード払い。
B)キャンプ場巡り
・7月22日;ハメーンリンコ、レンタカーを急遽交換したので遅くなり。キャンプ場受付は閉店。ホテルに泊まる。
・23日;アラウンコ、この街にはネオンサインがあった。最初のキャンプ場、湖にボートが浮かんでいる。気温は13度、蚊、ブヨはいない。天然のラズベリー採取、食べる。キャンプ場でテント、ガスコンロ、夕陽を眺め夕食はサーモン。日中は気温25度
・25日:ヘーガクステンとクヴァルケン群島(世界遺産)ボスニア湾の側。キャンプ場の看板で入る。民家は無い、14時?17時、20℃位半袖、夕食。21時頃、泳いでいる。洗濯しても夜に乾く。
△道路にトナカイの注意看板あり。
△道路に山の看板もあり、山登り 1時間30分、600.mの山だけで周囲に山は無い。踏み跡あり、道を間違えても草丈が低い問題はありません。森林限界を超えている。
◎森と湖と地平線、が続く!
27日:ムオニオ、パッラス国立公園をハイキング。家族連れ、地元の人も登っている。
□ノルウエーとの国境、何もない!ユーロは使えない。
  28日:キルピスジャリブでもハイキング。氷河が見られる山1328.m。
29日:トロムソ、北緯70度、北極(アムンゼン)博物館、捕鯨用大砲等。展示。街中でロープウエイで登る。柳蘭がどこでも咲いている。
30日:アルタ、博物館、サーメ人の岩絵には、見易くする、劣化を防ぐ目的で赤く色を付けてあります。
31日:ノースケイプ、北緯78度20分、トナカイの肉をスーパーで売っている。
8月1日:カラショーク;サーメ博物館、ラップランド、サーメ人のテント、昔の人の土を乗せた住宅がある。
□:フィンランドへ戻る。
8月1日:キティネン:北極海ラーメン(ムール貝を乗せる)を作って、食する。
2日:オウランカ国立公園をハイキング、渓谷の水の色が茶色、森の中のタンニンが解けた色。何も無いロシア国境から数km。
2日;オパッツスケクス:キャンプ場。
3日:コリ、コリ国立公園をハイキング。(出発して1時間位で眠くなる。管理事務所から舗装してあったが、見当たらないで探した、探して、30qも離れていて、若者に案内されて到着した。この若者たちは2時間位掛った、と聞く。水は淡水湖(茶色)の側の井戸に汲みに行く。サウナも、トイレ(バイオ処理形式)も 離れていた。電柱は針葉樹で電灯」がありました。
4日:サボンリンナ、お城のあるところ、遊覧船が1904年から就航。BBQ小屋では、使用後の鍋はそのままで、炭火もそのままでしたが、6人で一万円でした。白夜の夜、10時半頃、餌を取りに行った鳥が上がってきました。
8月7日 ヘルシンキへ戻り、土産に鮭の燻製を持ち帰りました。
以上です。
・参加者(18名)
今井正史、大島祥子、岡義雄、鬼村邦治、大橋基光、金子浩、上村信太郎、木村康雄、小嶋一男、下田俊幸、杉浦誠一、副島一義、高橋重之、田中清介、鳥橋祥子、西村智磨子、松原伸一、山口峯生


■第31回サテライト・サロン立川報告
―― 第5回「先輩の山の話を聞く会」 ――
『田邊壽さんの山のスケッチと話を聞く会』
◇開催日 11月11日(月)18:30〜20:00
◇講師  田邊 壽氏
田邊さんは、米寿を迎えられたとお聞きしていましたが、お元気でお声にも艶があり、とてもそのお年には見えませんでした。「30代の女性が沢山来ると聞いて来ましたが、、」と、会場を見渡し・・・・・「気を取り直して話しましょう」と、ユーモアたっぷりにお話が始まりました。
まず最初に米寿を迎えたことを『ありがたい』と感謝しておられました。「山の自慢話をさせてもらい、新しい明日に向かってボチボチ始めます」と仰いました。ここまでで、私の中に温かいものが流れました。
感謝の気持ちを忘れず、前向きなお姿が、いつまでも若さを艶っぽさを保つ秘訣でしょうか。
会場全体が田邊さんの持つ雰囲気に包まれました。その中で語られた田邊さんの88年間。
山との出逢い、山での喜び、山での痛み、数々の経験、そしてお仕事での活躍、山とお仕事のバランス。
その物語に合わせたように、前には田邊さんご自身が描かれた山のスケッチが映し出されていました。
青梅に生まれ、山と川に抱かれて育ち、立川二中の時に友人に誘われて登ったのが初めての山登り。「本仁田山であった。すすきが綺麗だった。」そして山が気持ちの中へスーッと入ってきた。
当時山岳部はなかったが、二人の先生との出逢いが大きく影響し深く入り込んでいった。地歴部山岳班を本格的に山岳部に昇格させ部長になった。その頃、初恋に出会い文学に出会い、多感な青春時代を過ごした。
慶応大学へ進み、この先輩達に出逢わなければ私の山登りはなかっただろうと思えるほどの先輩方との出逢いがあり、山への思いが加速していった。
劔岳〜槍〜西穂の積雪期を23日間雪洞で成し遂げた。
卒業後、初のヒマラヤで左足小指を凍傷で落とし、最愛の人から別れの手紙が届き、目的の山へ登れず、絶望で終わった。がその後ヒマラヤの未踏峰ヒマルチュリへと、、、とても凄絶で輝かしくいとおしい、山への思い、仕事への思いのドラマが語られました。是非田邊さんがお書きになった『二人者』をお読み下さい。
『二人者partU』をご覧下さい。エネルギーもらえます。優しい気持ちになります。
初めて登った時に「何かが私の心に入ってきた」と仰ってたのが、とても印象的でした。そう、山へ行くといつも何かがスーッと入ってきます。そして、次の山へ登りたくなります。
田邊さんのお話を田邊さんのご友人世代の方々と、登山教室世代の私達とご一緒できた事がよかったなと感じました。
北海道・東北方面へスケッチ旅行に出かけると仰ってました。
また、スケッチを見せて頂きお話をうかがいたいです。
田邊さんにお目にかかれて、山岳会に入ってよかったなと思いました。
ずっとお元気でいて下さい。
(文責/中原三佐代)
参加者
田邊壽、山本憲一、宮崎紘一、野口いづみ、竹中彰、岡義雄、小口治、富沢克禮、河野悠二、田中清介、小清水敏昌、吉川正幸、本多祐造、神埼忠男、副島一義、小嶋一男、松川征夫、西谷隆亘、西谷可江、川口章子、西村智磨子、菅沼満子、大澤則彰、柳田泰則、植草由利、北原周子、齋藤理恵子、佐久間マサエ、清水茂美、富永真由美、山内ひとみ、鹿島陽子、石川さとみ、中原三佐代 計34名


■第51回サテライト・サロン吉祥寺報告
・日時:9月25日(水)午後6時30分
・演者:小嶋一男氏
・演題:怖くて恐ろしい雪崩の予防と技術
1.雪の性質
・熱や温度によって大きく変化する。
・雪面は可視光線はほとんど反射するが、赤外線に関しては完全国体に近い。つまり、熱を極めて良く吸収する、と同時に激しく熱を放出する。
・「雪崩」が力学とすれば、積雪の強さ、とその雪にかかる力、のどちらが大きいかを調べれば判る。
・しかし、雪にかかる力や熱を簡単に調べる事は困難で、雪崩の発生を正攻法で調べて実地の用に供する事は、現在のとこと絶望的である!と想像できよう。
2.雪崩の種類
 A.点発生ナダレ
 B.面発生ナダレ
 (1)面乾雪ナダレ
  @乾燥ナダレ
  A雪板ナダレ
 (2)面湿雪ナダレ
  @湿潤ナダレ
  A旧雪ナダレ
 C.ブロックナダレ
 D.氷河ナダレ
3.日本の冬季
日本列島の西側(日本海)に低気圧、東側(太平洋)の時、乾燥した西よりの風が日本海から水蒸気を吸収して、筋状の雲となって、中央山脈に当たり、日本海側に大雪を振らせ、乾燥した空気は太平洋側にからっ風を吹かせる。山では、東側、南側に雪庇が出来るので、踏み抜きに注意する。
4.雪崩の予防方法(事前に計画を検討する、と行動中の判断する)
順番に各項目を検討して、yes,の項目の場合は次の項目に進む。no,の項目の場合は、前の項目に戻り再度検討する。ここが重要です。
A.登山計画の検討
◇計画立案
(地形)
 ・ルートの全てが安全か?
 ・危険な場所を調べあげよ。
(積雪)
 ・そこを通れる時があるか。
 {no;全面的に計画を変更せよ。}
 ・通過可能の時を調べあげよ。
(天候の影響)
 ・天候を仮定して計画を検討せよ。
 ・危険地帯が安定しているときに通れるか。
 {no;計画修正は可能か}
 {no;全面的に計画を変更せよ}
 ・天候が外れても安全か。
 {no;待機、退却、経路変更をすれば安全か。}
 {no.計画修正は可能か。}
 {no.全面的に計画を変更せよ。}
(隊におけるトラブル}
 ・予想されるトラブルを調べ上げよ。
 ・トラブルにより予定が狂っても安全か。
 {no;待機、退却、経路変更をすれば安全か}
 ・予定が狂った時の連絡方法、救援時期などを、本隊、別動隊と打ち合わせよ。
 ・登山計画の検討終わり。
B.行動中の雪崩判断
△計画進行
(自然ナダレ・乾燥、湿潤、旧雪、ブロック、)
 ・積雪・天候は予想通りか。
 ・雪がとけるほど暖かいか。
*A.降雪、融雪は進行するか。
(誘発ナダレ、偶発ナダレ・乾燥、湿潤、)
 ・積雪の不安定をしめす兆候があるか。
 ・雪はしまっているか。
*C;*D;
 ・過去1〜2日の新雪か。
 ・サラサラした軽い雪か。
 ・積雪に刺激を与えぬよう静かに行動せよ。
*A;]
 ・自然ナダレを警戒せよ。
 ・誘発ナダレ、偶発ナダレを警戒せよ
。  ・危険地帯を通らずにすむか。
 ・安全な時刻にそこを通れるか。
・安全に退却できるか。
 ・退却せよ。
*B;
 ・待機時間の長短を計算して適当な場所に避難せよ。
*C;雪がとけるほど暖かい日があったか。
 ・クラストの下はサラサラした雪か。
 ・足場崩壊に注意せよ。
 ・ウインド・クラストした雪か。
 ・雪板があるものちして行動せよ。
5.ナダレと伝承
〇「雪が降ったら、その2〜3日は危険な急斜面に近づいてはならない。」
 この説は、ヨーロッパから輸入されたもののようである。アルプスでは一回の降雪量が少ない。
  〇日本の中部地方またほそれに近い山々でのナダレと比較してみると、降雪が続いてある程度積もった後は、降雪中でも盛んに自然発生する。また、降雪が終わってからある期間の積雪は極めて不安定で、登山者が踏み込めばナダレを人為発生する。
・気温が」かなり高いような場合には変態が早く、数時間で雪は落ち着くし、寒冷の場合には、雪はなかなか落ち着かない。
・ナダレの危険を感じたらトラバースをやめて直登せよ、という説がある。直登して、傾斜がゆるくなってから、トラバースするのがいい。舶来の説であろう。
〇北米では地域によって大きな違いがあるが、雪崩対策は積雪の観測が進んで、独自の意見が現れている。
◎ナダレそのものは自然現象である。しかし、遭難は人間の行動である。例えば、一日待てば全く問題なしに下山できる所を、無理に強行して、会社の欠勤届と生命を取り換える、といった奇妙な行動をとるのも人間である。
☆資料:「山岳技術考」金坂一郎・遺稿集。
・金坂一郎氏は、ハーケンの金具を通す丸い穴の下側に、アゴが出ている様に加工して抜けにくくして、安全になる様に考案もしました。

参加者
小嶋一男、金子浩、上村信太郎、木村康雄、小清水敏昌、杉浦誠一、副島一義、高橋清輝、富澤克禮、鳥橋祥子、夏原寿一、原山恵津子、前田種雄、宮川清彦(14名)


■第50回サテライト・サロン吉祥寺報告
・日時:令和1年5月29日(水)午後6時30分
・演題(1)「インドヒマラヤ ラダック地方とザンスカールの紹介」
・演者:北島英明氏
・内容 「日本山岳会東京多摩支部創立10周年事業 海外未登峰遠征計画」
    日付:2020年7月8日(土)〜8月10日(月)
    山名:インド ジャム・カシミール州 ラダック地方 ザンスカール
    山番号、T13(6436.m)が本命、T12(6028.m)、T9(6107.m)。
    登山隊員 登攀員;3〜5名
    サポート隊員:5名(ベースキャンプまで)
    現地隊員:ポーター、馬方、コック
    資金計画:本隊 350万円(隊員 35万円)。
    寄付、カンパ、ほじょ機、等
・演題(2)「東京多摩支部創立10周年記念事業実行委員会」の活動報告
・演者:高橋清輝氏
・内容 式典日時:1月18日(土)
    式典会場:中央線武蔵境駅北口 スイングビル 大広間
    記念品:検討中
    記念誌:広報委員会
    その他    以上
参加者
北島英明、高橋清輝、新井正人、市川義輝、上村信太郎、岡義雄、小口治、鬼村邦治、金子浩、木村康雄、小嶋一男、近藤裕、鈴木克己、副島一義、高橋重之、田中清介、田村俊之、辻橋明子、鳥橋祥子、中原三佐代、西村智磨子、原山恵津子、山口直子、山口峯生  計25名


■第49回サテライト・サロン吉祥寺報告
・日時;平成31年3月27日(水)午後6時30分〜
・演題;「酷寒の北東シベリアの民族と危険で恐ろしい雪崩」
・演者:小嶋一男氏
今回は犬ぞりレースではありませんで、ロシアシベリアのバイカル湖 湖畔のイルクーツクからグリンランドの東海岸アンマンサリック迄の22,000.kmの「極北ロマン紀行探検隊」を1997年から2004年迄犬ぞりで走破しました内の、初年度のチエルスキー迄の7,400.qを走破した分を話ます。
・日付け;1997年3月3日〜5月4日。
・参加者;日本人5人、ロシア人6人(非常事態宣言省の役人)
・乗り物;犬ぞり2台、カラフト犬は1台(雄は7頭、雌は3頭)、夏季は現地で40頭を預けて管理してもらっている。
 保管料はロシアでは年間4,000.ドル、アメリカでは食料、医者代、含めて1日当たり1頭1ドルです。
・乗り物;6輪駆動車(ロシア人役人用)
・食料;人間は4,000.kcal、犬は15,000kcal。
・宿泊;テント日本人用は2張り、ロシア人用は2張り。
シベリアに居住する原住民族は厳重な囲いで塞がれていて、検問所からだけ出入りする事が出来ます。
通過するために入場する時は、許可が必要でした。民族の数は下記の通り多いですが、人口は50人から数万人住んでいます。しかし、他へは移動は出来ません。
部族の名称はその地名を兼ねることが多いです。ナイフを見ると、民族名は解ります。
食料の保存は地下室に蓄えます。室温が常時−20℃位で屋外よりも適しています。
・通過した民族名
1)ブリヤード
2)ヤクーチャ
3)チュク
4)エベンキ
5)エベンガイ
6)オロチョン
7)ツングース
8)トルガン(サハ共和国)
・住民は罠に掛かった獲物を狼に食べられないように、巡回する。
・狼はカリブーを一週間追いかけて食物にする。年間10頭位を捕獲する。
□スライドの画像□
オーロラ、犬ぞり、犬の隊列、テント、民族衣装、祭り用踊りの太鼓、洗濯物の干し場、食料保管用の地下室。氷上での狩りの様子、獲物を捌いている様子、白熊の毛皮の干し場、毛皮を着てナイフを見せている原住民、アコーデオンを演奏している原住民の楽団員、等々を解説して頂きました。(以上)
参加者  24名
荒井正人、市川義輝、上村信太郎、大島祥子、岡義雄、小口治、鬼村邦夫、金子浩、木村康雄、小嶋一男、近藤裕、鈴木克己、副島一義、高橋重之、田中清介、田村俊介、辻橋明子、鳥橋洋子、中原三佐代、西村智磨子、原山恵津子、宮川清彦、山口直子、山口峯生


■サテライト・サロン多摩報告
―― 有志閑談会 ――
開催日  3月30日(土)
@会員談話会(関戸公民館) 13:30〜15:45
日本山岳会の会員で同じ地域に在住する会員同士の交流の場として開催。
情報交換、知識の共有などにより、会員として日本山岳会を、登山者として登山界をどう支え、豊かな登山環境づくりのなかで「クラブライフ」を楽しみ、会員としての責任を考える場をつくること等の話題が出された。会員同士がコミュニケーションをもち「クラブライフ」を楽しむために、まずは会員同士が知り合うことの雰囲気づくりと情報交換を行った。
<情報提供>
支部設立10周年記念事業準備状況(高橋清輝)
ザンスカール登山隊計画概要(北島英明)
たまサロンの予告など(石井秀典、神崎忠男)
A桜を楽しみ移動(聖蹟桜ヶ丘駅周辺) 15:45〜16:15
B会員懇親会(どん亭) 16:30〜18:30
会員懇話会が延長となり、桜を楽しむ時間を短縮し、会員懇談会を開始した。しゃぶしゃぶ料理を食べて酒も嗜みながら、会員同士の情報交換が行われて会員懇親会の目的は一応果すことが出来た。
出席者
本多祐造、高橋清輝、今村千秋、小清水敏昌、筧 邦男、林 榮二、小口 治、杉ア敬子、城所邦夫、若林勝昭、坂本正智、小河今朝美、金 邦夫、北島英明、市川義輝,原 満紀、松本恒廣、岡 義雄、廣田 博、数見 直、澤登 均、竹中 彰、北原周子、矢野光之、長島秀行、高砂寿一、田中清介、小野勝昭、今田明子、石井秀典、神ア忠男 計31名


■第48回サテライト・サロン吉祥寺報告
―― エベレスト街道トレッキング報告 (森中安昭氏)――
 演者の森中安昭氏は今回のトレッキングリーダーで、海外登山を10回も経験されていますので、国内旅行業者を利用しないで、直接ネパールの業者と何回も連絡を取り合って、ゆっくり登山で高山病を出さない日程を取り入れ、安全の事で帰路にヘリコプターを活用しても、安価に抑えられた。
第1日目  10月29日(月)
成田空港9:05発〜11:50着 ソウル(インチョン空港)13:25発〜17:05着カトマンズ空港、マッラホテルへ16名、無事到着した。
第2日目  10月30日(火) ルクラ(2840m)〜パクディン(2610m)カトマンズ空港6:45発〜(2機に分乗)〜ルクラ空港 到着後、アシスタントガイド、ポーター、専属コック、キッチンスタッフ、全員29名の部隊、荷物運搬のゾッキョ5頭で、8:30に出発。ドウード・コシ(乳白色の川)の谷沿いの緩い登り降りを繰り返す道を進み、15:20 パクディンへ到着、ダージリン・ロッジに投宿、各部屋のツインベッドには湯たんぽが配られる。
第3日目 10月31日(水) パクディン(2610m)〜モンジョ(2835m)8時出発、村々を通り、タムセルク(6608m)を展望できるとエベレスト街道のトレッキングに来たと感慨を抱く。13時にモンジョに到着。
通常はナムチェまで歩きますが、我々は高度順応に万全を尽くす為、また、「ビスターライ、ビスターライ(ゆっくり、ゆっくり)」で歩き、周囲の山々の眺めを楽しみ、疲れを残さない為。ここで一泊しました。夜は満点の星。素晴らしいギャラクシー(銀河)。今までに見たこともないほど近くにはっきりと見えた美しい天の川でした。感動!来てよかったと思った。
  <ゾッキョは雌のヤクと雄の牛の掛け合わせ、生殖能力が無いので一代限り。荷物を運んでいるのは雄のゾッキョです。>
第4日目  11月1日(木)モンジョ(2835m)〜ナムチェ(3440m)7時出発、高度感のあるドウードウコシの釣り橋を渡り、エベレストが初めて見える場所を通り、12時50分 サングリラ・ロッジに到着、昼食後、お土産品を買いに村をめぐる。登山装備は全てそろっている。
第5日目  11月2日(金) ナムチェ(3340m)〜タンボチェ(3880m)7時出発、ヒマラヤ・パノラマルートのエベレスト、ローツエ、アマダブラム、などのだいご味を味わう。一旦、サナサむらまで下がってから標高差600mの坂道を2時間掛けて登り返す。街道で最も大きいゴンパ(チベット仏教僧院)があるタンボチェに16時10分到着。
第8日目 11月5日(月) ホテル・エベレストビュー〜カトマンズホテルから曙光の神々しい嶺を眺める。このホテルに再度泊まってエベレストを眺めるという願いが叶った。早朝、ホテルから3班に分かれてヘリコプターでルクラ空港へ、ここから2班に分かれてカトマンズ空港へ。サンセットビュー・ホテルの蕎麦屋で天ぷらそばで少し遅れた昼食。マラッカホテルに投宿、荷物を置いて買い物。夕食はチベット鍋。
第9日目 11月6日(火) 機中泊。
午前中、ダルバール(宮廷)広場で世界遺産の寺院見学。地震で大きく崩壊、あちこちで修復中。修復費用捻出のためか?広場に入る外国人だけ有料。私の目的は生きている神様のクマリ(4歳)の館で拝顔すること。1日に2回だけ顔を出すが、幸いにも11時40分に顔を45秒だけ出され、上下左右に顔を振り、退出された。
広場から昼食のレストランまでは二輪人力車(2人乗り)8台をチャーターして、一列になり街中を進のは壮観。カトマンズ空港 20:30〜(翌日)5:30 ソウル・インチョン空港。
第10日目 11月7日(水) 成田空港。
ソウル・インチョン空港 10:10 〜 12:30 成田空港。予定通り、到着。今回はゆったりとエベレストビューを楽しみました。
参加者
日本山岳会東京多摩支部
金子 浩、神崎忠男、小清水敏昌、小嶋一男、近藤 裕、副島一義、鳥橋祥子、野口いづみ、廣田 博、山口峯生
武蔵野市山岳連盟むさしの山の会
上原美子、魚地冨貴子、金子すみ、津田武秀、堀米昭子、皆川錬造、森中安昭
計17名


■サテライト・サロン多摩報告
― ジビエ料理を試食して自然保護を語ろう ―
・日時   2019年2月19日(火) 18:30〜20:50
 ジビエ料理(狩猟で得た野生鳥獣の食肉料理)を試食するとのことで、参加者が多数となり会場の会議室は満員状態となった。当日のプログラムは、まずはジビエ料理を作る時間帯を利用して「ニホンジカの生態」のトークショーを実施、その後にジビエ料理(シカ肉カレー)の試食、食事後は野生動物と自然保護について全員で話し合いする内容で実施した。
 多摩サロンの活動は、支部会員同士の親睦、交流等をより活性化することを目的の一つにしているので、まずは参加者全員が自己紹介を行った。各人からは、登山等活動キャリアや日本山岳会での活動経歴などが紹介され、皆さんのキャリア等情報を知ることで会員同士の距離感が近くなりコミュニケーション作りの機会ができたものと感じた。
 自己紹介が終了後、「ニホンジカの生態」のお話しを野生動物救護医師協会ボランテア会員である内田栄一氏が行った。ニホンジカの生活行動、保護管理と個体数管理の経歴、農作物被害状況などを約30分に亘りお話しされた。全国のニホンジカ生息数は、2017年度で237〜317万頭に増加、活動範囲も全国で拡大し、農作物被害は約60億円(鳥獣分類別で被害総額の35%で最大)であり、シカ問題は深刻な状況なっている。

 

自己紹介とトークショー実施の間、女性会員が別室ワークショップルームで調理していたジビエ料理が出来上がり、トークショー終了後にワークショップルームに移動して試食会を実施した。今回のジビエ料理は、長野県で購入したシカ肉入りレトルトカレーである。肉が柔らかく美味しいカレーでお代わりを要求する人もあり、試食会は大好評であった。ジビエ料理は、食の安全性確保のために狩猟から消費に至るまでの各工程が、厚労省や農水省が定めた指針に基づく衛生管理の徹底が必要であり、今回のシカ肉カレーもそれに則り作成されたものである。参加者30人分のご飯を炊き、シカ肉入りカレーライスを準備してくれた女性会員に感謝の意を表し、再び会議室に戻った。
 会議室に戻り、野生動物と自然保護についての話し合いを行われ、参加者からいろいろな発言があった。鳥獣の保護及び管理の行政担当は環境省であるが、実質的業務は各自治体が実施している。奥多摩町では平成15年度からオスジカ、17年度からメスジカの狩猟禁止が解除されて、シカの捕獲数が増加した。一方の農林業被害対策の有害鳥獣捕獲では、平成17年度から個体数調整の管理捕獲が実施されたこと。鳥獣類の個体数増加により水辺の汚染被害がひどくなっていることなど、野生動物と自然保護との関係には多くの課題があるようだが、ジビエ料理が野生鳥獣による農作物被害減少や森林等環境保全などに役立つことを大いに願うものである。
報告文/石井秀典
参加者
西村政晃、北原周子、川口章子、今田明子、廣田博、近藤裕、原満紀、酒井省二、内田栄一、澤登均、竹中彰、筧邦男、市川義輝、冨澤克禮、田中清介、内藤誠之郎、長嶋秀行、木村康雄、辻橋明子、高橋重之、堀尾明子、亜厂文代、神崎忠男、石井秀典、軽登山クラブ5名、日大二高山岳部OB会2名  計31名


インフォメーション
第52回サテライト・サロン吉祥寺報告
第31回サテライト・サロン立川報告
第51回サテライト・サロン吉祥寺報告
第50回サテライト・サロン吉祥寺報告
第49回サテライト・サロン吉祥寺報告
サテライト・サロン多摩報告(3/30)
第48回サテライト・サロン吉祥寺報告
サテライト・サロン多摩報告(2/19)

アカヤシオ
多摩の花 アカヤシオ

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