2013年5月11日 東京多摩支部25年度通常総会開催


総会集合写真

――事業計画・予算案などのほか「長期計画積立金」創設を承認――

“エベレスト初登頂の記念日に開催”と盛り上がった
 平成25年度通常総会が5月11日、立川市女性総合センターで開かれた。総会には会員現在数250人のうち、171人(出席59人、委任状112)が出席、24年度事業報告・収支決算案、25年度事業計画・予算案、役員・評議員案を審議し、いずれも賛成多数で承認した。竹中彰支部長は収支決算に関連し、当期収支差額を明確な目標を持って「長期計画積立金」として積み立てていきたいと提案し承認された。具体策は幹事会に諮って決めることにした。総会終了後の懇親会は午後4時半から立川駅前「さくら水産」に会場を移し開催した。46人が参加した。この日は日本山岳会登山隊がエベレストに初登頂した記念日だった。小柳清治会員が指摘し「素晴らしい日に総会を開いていただいた」と議事を盛り上げた。

24年度報告/分境嶺踏査は13回の山行を経て全行程終了
 会議は、富澤克禮総務委員長の司会で進めた。冒頭、竹中支部長が挨拶し、「会員は着実に増加しているが、高齢化が進み平均年齢は70歳を超すレベルに達した。支部事業に参加する会員が偏り・固定化している。公益社団法人に相応しい活動を模索しなければならない。若い登山者を掘り起こし裾野を拡大していく面では、まだまだ知恵と工夫が必要」などと語った。
支部規約によって議長は支部長が務める。議案は、事業報告・事業計画については山本憲一事務局長、収支決算・予算案は柄澤洋城財務委員長が説明した。
〔24年度事業報告〕
一昨年、東京多摩支部の活性化を図るための支部活性化プロジェクトを設置した。「東京多摩支部活性化のための提言」をまとめ、対外的には「公益・公募事業」の推進、対内的には会員向け活動の強化を掲げた。これに沿って、立川市との共催による「初心者登山教室」を立上げた。そのフォローとして「初級登山教室」を実施し、受講生を2年間をかけ自立した登山愛好者に育成する事業とした。またリタイア会員向け「平日山行」をレギュラー化し、自然観察会を公募事業に形を変えた。これらにより全体の事業参加者が増え入会者も増える好結果となった。
分境嶺踏査事業は、雲取山〜日原など4回実施し延べ91名の参加者を得て全行程を終了。定例山行は上州武尊山など3回、延べ41名。平日山行は岩殿山など10回実施し延べ114名参加。自然保護活動は川苔山のゴミ清掃5名、自然観察会は御岳山レンゲショウマなど5回開催し述べ106名参加。講演会は11月に「羽田栄治のニュース映画による昭和の世相と山登り」と1月の田邊壽「ヒマルチュリ登山に今の山登りをおもう」の2回。サテライトサロンは立川、吉祥寺、町田などで延べ25回実施。初心者登山教室を立川市と共催し受講生29名。あと初級登山教室に切り替えて実施し受講生25名。
〔24年度収支決算報告〕
収入は、258名の会費収入費516,000円および本部からの支部運営交付金・事業補助金627,000円をメインとし、寄付金などを合わせ合計1,349,760円となった。支出は旅費交通等が登山教室の本格活動で大きく予算を上回ったが、本部補助金で助成を受ける形になっている。通信・運搬費、消耗品費などについてはほぼ予算どおり。印刷製本費は「たま通信」印刷費。会場等借用費は総会、幹事会、委員会等の会場費。支出合計は952,999円となり、結果として、当期収支差額は396,761円の余剰発生となり、前期の繰越と合わせて最終的には976,960円の余剰を計上した。このなかに安全対策積立金263,515円が含まれるので、一般会計としては713,445円の余剰繰越となる。

25年度事業計画・予算案/登山教室は“初心者”と“初級”が並行して進む
〔事業報告〕
24年度収支決算案に対し長澤昇会計監事から、これを妥当とする監査報告があった。説明のあと、質疑・意見が相次ぎ、原案とおり承認。続いて25年度事業計画・予算案を審議した。
〔25年度事業計画案〕
残念ながら大きな目玉はない。初心者登山教室と初級登山教室が並行して進む。30人体制で、これをサポートする。山行委の定例山行は高鈴山、檜洞丸、鷹ノ巣山など9回、平日山行は大羽根山、花咲山、鹿倉山など11回。分境嶺踏査がなくなったので、そのぶん定例山行が増える形となっている。自然観察会は高尾山ムササビ、同シモバシラ、御岳山レンゲショウマ観察会を公益目的事業として行う。自然保護活動は都岳連の御前山カタクリパトロールに参加、また都レンジャーとともに行う雲取山登山道の石積み修復作業など。このほか支部会員向け登山安全講習会の実施など。講演会は2回予定。9月に山梨・埼玉支部と三支部合同山行を御岳山実施する。ホームページを効率的に運営するため独自のレンタルサーバーに移行する。その他「山の日」の集いなど。
〔25年度予算案〕
支部会員を266人とし会費収入532,000円と見込む。本部からの支部運営交付金・事業補助金は250人625,000円。登山教室参加費150,000を加え収入は計1,307,000円。支出は、旅費交通費338,000円は初級登山教室などの交通費、通信・運搬費215,800は総会・「たま通信」などの送付費、消耗品・コピー代は封筒、支部報用紙代など。その他179,060円はレンタルサーバー利用料など。おもな事業費を個別にみると、「たま通信」年4回265,000円、登山教室交通費・会場費290,000、講演会2回50,000円、安全対策用備品60,000円など。

質疑応答/交通費支給規約・基準を明確に
[竹内康雄会員] 収支決算について支部山行の下見などの交通費が含まれているとの説明があった。支給規約・基準はあるのか。
柄澤財務委員長 支給規定・基準はない。分境嶺踏査、レンゲショウマ観察会などの下見で支給している。登山教室についてはリーダーに対し立川を起点として計算して支払っている。その都度支払っていることになる。
竹中支部長 支給規約・基準を設けて、明確にしていきたい。
[副島一義会員] 予算案のなかに山行委山行の下見代ははいっているか。
柄澤委員長 山行委の計画に公益目的事業がなく、下見のための交通費は計上されていない。
[古市進評議員] 予算案のなかに安全対策積立金の項目が立てられていない。金額が確定していないのなら、項目だけ立てて金額は空欄にしておいてもいいのではないか。
柄澤委員長 安全対策積立金は収支余剰金の1/2を充当するほか、支部山行ごとに参加者から100円ずつ徴収し資金としている。見積もることが難しく、計上しなかった。検討したい。
[小松原義久会員] 予算案のなかに自然保護講習会28,000円とあるが、具体的にはどのような内容か。
山本事務局長 自然保護講演会のミスプリントだ。内容は、まだ決まっていない。事業計画のなかに同好会の企画、自然保護講演会を追加してほしい。
[野崎裕美会員] 長期計画積立金を創設することになったが、具体的な計画はあるのか。まったく夢なのか。
竹中支部長 いまの段階で具体的な計画はない。種まきということだ。余剰金が予想以上にあり、安全対策積立金も順調に積み上がっている。設立3年たったにすぎず、財政基盤をしっかりしたいとも思うが、ただ繰越金を増やしていくだけでなく、はっきりとした目標を持ち長期計画積立金として積み立てればいいと思っている。
[古市評議員] 先般、評議員懇談会が開催された。その際、事務局長が支部の方向がみえるようにしていきたいと話していた。長期計画積立金が出来ることだし、幹事会などで話し合ってもらいたい。
[副島会員] 安全対策積立金として支部山行の際に集めた金額がどのくらいだったのか。個々の実績が分かれば教えてほしい。
山本事務局長 24年度事業報告のなかに山行の参加者数を明示している。それに100円を乗じていただければ概略は分かる。定例山行4,100円、平日山行11,400円などだ。自然観察会は支部会員のみ。  

役員・評議員の選出/石井・長瀬会員が幹事に
第5号議案/新役員の選出は小川武幹事長が説明した。城所邦夫幹事、大蔵喜福幹事、小清水敏昌幹事が退任し大蔵幹事は評議員に。石井秀典会員、長瀬秀史会員が幹事に選出された。
[承認された役員異動]
▽幹事、石井秀典▽幹事、長瀬秀史▽評議員(幹事)大蔵喜福
▽退任(幹事)城所邦夫▽退任(幹事)小清水敏昌
(文/橋重之、写真/飯島文夫)

            竹中支部長挨拶全文はこちら