第2期中級登山教室 9月登山実習「乾徳山」報告


乾徳山

乾徳山山頂にて


   日時  2020年9月21日(月・祝日)曇時々晴
   行程  7:55塩山駅=(タクシー)8:35大平高原→9:15大平高原分岐→10:15月見岩
         →10:25扇平→11:50乾徳山(昼食)→13:30月見岩→14:05高原ヒュッテ
         →14:30錦晶水→15:05銀晶水→15:40登山道入口→16:00乾徳山登山口バス停
         =16:45塩山駅
   参加者 11名(受講生8名、講師3名)
     山行リーダー:宮崎紘一
    〔1班〕講師:宮崎、受講生:広瀬、小澤、長岡、中村(敦)
    〔2班〕講師:佐藤、中村(正)、受講生:藤本、山内、大澤、石川
   記録  文/小澤 写真/大澤


 全員が早めに集合し、タクシー3台で塩山駅を出発した。大平高原は、18℃で適温であったが、靄っていた。草深いわらび畑を抜けると林道、間もなく大平高原分岐からは、樹林帯の斜面を進む。出発後およそ1時間経過した地点で休憩をとったため、ススキが広がる定番の月見岩周辺は通過し、一気に扇平まで進み一服。その間、鹿を目撃したメンバーが数人いた。その後は、根がからみついた岩を縫うように登り鎖場に挑む。

登りの登山道を進む

スタート前の体操


 山頂までの鎖場は3箇所、第1の鎖場は標高約1900mでロープも下がっていたが、自力で這い上がるメンバーが大半であった。髭剃り岩を過ぎ、薄暗い切り通しは身幅により通過が危ぶまれるメンバーもいたが、カニ歩きにより難なく通過。その先は靄も晴れ、足下には出発点の草原から軌道を見渡せる絶景に遭遇。ただし、今度は足場が狭くちょっと怖い岩に3点支持を効かせるようにしがみついて登る。梯子で一旦下ったあたりで渋滞、第2の鎖場であるカミナリ岩は垂直で、左右2本の鎖があった。下りもここを通過することになるのだが、筆者は登りこそ楽勝だったものの、帰りは足の置き場が分からず辟易した。

仲間が見つめる中鳳凰岩を登攀

鎖場の通過


 その後胎内と名付けられた奇石や空中に突き出たような旗立岩を左手に通過すると、20mとも謂われる山頂直下の鳳岩の鎖場。やはり渋滞、待つ間に覚悟を決め、ここ一番這い上がると、2031mの山頂までは僅かだった。全員無事に登頂、何とか、一団かたまって昼食をとることができたものの、残念ながら雲は晴れず、富士をはじめとする大パノラマはお預けだった。

月見岩にて

慎重に鳳凰岩を登攀


 下山は、鳳岩を迂回し、とって返して月見岩で休憩、続いて白樺に囲まれた高原ヒュッテで2回目の休憩をとったが、国師ヶ原周辺には、トリカブトの紫色に夏の余韻が漂っていた。錦晶水は通過し、銀晶水の冷たさで一時、疲れを癒す。その後はだらだらと下り、右手から徳和川の音が聞こえると、間もなく登山道入口にゴールした。
鎖場は渋滞したが、事前のタクシー運転手の配慮で、計画していた山行ルートをショートカットできたこともあり、余裕のある山行であった。メンバーそれぞれ鎖場での経験を反芻して帰途についたが、乾徳山は山梨百名山、日本二百名山に相応しく、草原、森林、岩場、三拍子そろった名峰との思いは一致していた。



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