中級登山教室 第5回登山実習「上州武尊山」


仙丈ケ岳山頂

武尊山山頂にて


   日時  2018年11月17〜18日(土〜日)
   行程  第1日
         9:00立川/たましん前バス発=12:45裏見ノ滝駐車場着(見学)=13:50宿「名倉」着
         14:05宝川温泉着=15:40宿「名倉」着 16:15ロープワーク 18:00夕食/懇親会
         第2日
         4:30起床 5:00朝食 5:40宿「名倉」発=6:00武尊神社着 6:15武尊神社発→
         7:05分岐→8:09手小屋沢避難小屋分岐→10:23武尊山山頂→12:00剣ケ峰分岐
         12:15剣ケ峰山→13:00西峰→14:55高手山→15:30駐車場着
   参加者 14名(受講生11名、講師3名)
    統括山行リーダー:宮崎紘一  講師:佐藤 守、石橋 學
    〔A班〕 L比留間祐也、野口正江、濱野弘基、村岡庸こ、植草由利
    〔B班〕 L内藤誠之郎、富永真由美、青木義仁、中原三佐代、齋藤理恵子、西山さより
   記録  文/濱野弘基  写真/野口正江


 11月の中級登山教室は民宿に前泊しての上州武尊山。晩秋、日照時間が短く、昼夜の寒暖差が激しく、天候により高所での積雪も想定、場所により凍結した登山道や岩稜帯通過、長時間縦走を、各自がリーダーとして引率する想定での講習となる。1日目は山域周辺の観光とロープワーク、2日目に教室登山となった。
 1日目、バスは定刻朝9時に立川を出発し、12時45分には裏見ノ滝へ到着。裏から見るコースは崩落し見学できないものの秋晴れの中、落差50m程の滝を間近で見学。宝川温泉では宝川に沿った複数の露天風呂を満喫。夕刻は宿で佐藤リーダーを中心にロープワーク講習を開催。広間にあるテーブルの足を樹木に見立て、エイトノット、クローブヒッチ、ロープを繋ぐダブルフィッシャーマンの練習。
宮崎リーダーからは、ロープやカラビナの種類や違い、使い方の説明がなされた。
 2日目、4時半起床、まだ暗い5時40分には宿を出発し、登山口となる武尊神社には6時に到着。登山準備や体操を行い6:15分に出発する頃にはヘッデンが不要な明るさとなる。気温は5度程度あり薄雲の中、青空が広がり寒さもさほど感じない。広い砂利道は南側に流れる武尊沢に沿って上がっていくが直接に沢が見える場所は少ない。紅葉は既にピークを過ぎ落葉が多く、ナナカマドも赤い実のみ残る状態。登山道沿いの樹木は山側から谷側への降雪の重みか、大きく曲がっているものが多く見られ、冬場の積雪の多さが想像できる。50分程度歩き7:05分、剣ケ峰山へ向かう道との分岐へ。


霧氷と上州武尊山@

岩に取り付く中級登山教室受講生





 ここからは両脇に笹が覆い茂り急に道も狭くなる。足元はカラマツが落葉し柔らかく歩きやすい。樹上にはピンクリボンの目印が付き始める。20分程度歩くと標高も1,400m程度となり徐々に勾配が急となり、植生はブナ林が広がり始める。標高を上げ1,600m程度になると眼下西方には藤原湖が見える。程なくして8:10分には手小屋沢避難小屋分岐へ。樹林帯でも風が強く、手元の温度計で2.4度を指す。分岐を出ると尾根筋歩きとなるが、すぐに山頂の一角が見え始める。目指す山頂下の木々は霧氷に覆われ、それが陽の光で輝く姿が美しい。標高が1,850mを過ぎる頃には、北面側登山道は霜もおり凍っていた為、慎重な歩行が求められた。


山頂から中ノ岳〜家ノ串山方面を望む

霧氷と上州武尊山A


 9:15分、標高1,920m付近、北面の岩稜帯通過を前にヘルメットを装着。 リーダーからは、鎖場やロープを通過する際の注意点として、歩行感覚、前者と離れても無理にペースを上げ追わないこと等、指示出しがなされた。一部凍結した鎖場やロープを交互に4か所程通過し、10:00分には山頂に向けた東面の稜線に出た。風が強く手元の温度は0.6度。低木も混ざるハイマツ帯となったが、風上に向かって見事なエビのシッポ(霧氷)が着氷していた。快晴の中、家ノ串山や前武尊、剣ケ峰山の眺望が素晴らしい。10:20分には武尊山頂へ。眺望を楽しみ、記念写真と昼食を済ませ、剣ケ峰山へ南進する。直下は急な下りであり、薄く割れやすい性質の頁岩(けつがん)が多く見られ、笹竹の根も含め、足を取られぬよう慎重に歩む。11:25分、急な下りを終えると、背丈ほどの笹が生える道へ出たが、足下は歩きやすい。12:00分には武尊神社に向けた分岐を過ぎると、剣が峰山へ向けた北面の登りは凍る場所があった。12:15剣が峰山頂へ。


武尊山を下山し、次の剣ケ峰山へ向かう登山道から中ノ岳〜家ノ串山方面を望む

剣ケ峰山へ向かう登山道から上州武尊山を振り返る


上州武尊山を下山し次の剣ケ峰山へ向かう


 眺望を楽しみ、記念写真と昼食を済ませ、剣ケ峰山へ南進する。直下は急な下りであり、薄く割れやすい性質の頁岩(けつがん)が多く見られ、笹竹の根も含め、足を取られぬよう慎重に歩む。11:25分、急な下りを終えると、背丈ほどの笹が生える道へ出たが、足下は歩きやすい。12:00分には武尊神社に向けた分岐を過ぎると、剣が峰山へ向けた北面の登りは凍る場所があった。12:15剣が峰山頂へ。  ここから西峰に向けては小さなピークを挟みアップダウンの連続となる。13:00分、西峰を過ぎると、丸太の階段やモミの倒木など一部歩きにくい場所があるも、西側に玉原湖を臨み、東側には皇海山が遠望でき、眼下には川場スキー場のリフト等が広がり、気持ちの良い尾根歩きとなる。特にスキー場側に目をやると眼下に広がる常緑樹の中に落葉したダケカンバが白い樹木のみの姿で広がる植生が見られた。登山道はカラマツとダケカンバの落葉で柔らかく歩きやすい。14:55分、高手山に到達し最後の休憩を取り、予定時刻の15:30分にバスが待つ駐車場へ到着し、アイゼン歩行こそ不要となったが、全員無事に年内最後の講習会を終えた。



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