第5期初級登山教室 登山実習「高水三山」


岩茸石山

岩茸石山山頂にて


   日時  2016年9月17日(土)
   行程  JR青梅線軍畑駅8:55→9:30高源寺9:40→11:00常福院龍學寺・高水山11:20→
         11:55岩茸石山(昼食)12:25→13:15惣岳山13:25→15:05沢井駅
   参加者 28名(受講生18名、スタッフ10名)
    〔1班〕櫻井範子、諏訪久美子、寺井成世、矢澤大史、安田令
        L宮崎紘一、SL竹中彰
    〔2班〕 石原諭佳、大澤早苗、大澤則彰、菊池美奈子、玉井明子、森英昭、山本知章
        L武藤篤生、SL佐久間マサエ、(山行L)河野悠二、SP小河今朝美
    〔3班〕 大根菜津美、小澤知信、加藤美穂、高間晃子、福井和枝、前田明代
        L山本憲一、SL土井充、(講師)酒井省二、SP仲谷朋尚
   記録  文:土井充/写真:河野悠二


 第5期初級登山教室2回目の実地講習は、標高700mほどのピークを3つ繋ぎちょっとした縦走気分を味わえる「高水三山」で行われた。今回からは、公共交通機関を使った現地集合・現地解散の山行であったが、電車のトラブルも無く、受講生全員8時30分に軍畑駅に集合した。今年の9月は雨が多いが、当日は久しぶりの晴天に恵まれ、楽しい山行が期待される。
 軍畑駅付近はスペースが限られているため、舗装道路を30分ほど歩いた高源寺まで移動し、境内をお借りして全体での準備体操ならびに各班に分かれてのミーティングを行った。9時40分、1班を先頭に、2班、3班の順に出発。今回のコースの標高差は540mほどであるが、その標高のほとんどをこの高源寺からの40分ほどで稼ぐ。受講生からも「えー、ここを登るの!?」と声があがる。沢筋から離れ、ススキが穂を出し黄色く染まった斜面を登り切ると尾根の上に出るのだが、この間全くの無風。汗を拭きながらもペースは崩さずゆっくりと歩を進める。ようやく上り詰めた尾根筋には谷間から涼しい風が吹き上げていた。お誂え向きに置かれたベンチで10分の休憩をとる。ベンチに溢れた人は、座布団を取り出し傾斜のなだらかな日陰に陣取っている。さすが初心者登山教室を入れ5回目の山行ともなると、山での立ち居振る舞いも様になってくる。


高水山へ出発

常福院の狛犬


 10時34分、出発。先ほどまでの急坂とは打ってかわり、尾根に沿って緩やかに高度を上げていく。植林地帯を抜け、広葉樹が増えてくると高水山山頂はもうすぐだ。受講生の足取りも軽く、休憩地点から30分ほどで常福院に到着した。境内をお借りし休憩をとる。不動堂のかわいらしい狛犬や、1mを優に超える大きな木刀三振など、常福院にはゆっくりと観てみたいものが多々あるが、また後日お参りさせていただくこととして、目と鼻の先にある高水山の頂上に移動する。高水山の頂上は、眺望という点では少々さみしい。山名表示版の前で班ごとに集合写真を撮り、11時20分、高水山を出発した。
 岩茸石山までの間の注意箇所は、高水山直下と岩茸石山直下の急坂である。3班受講生は、「鉛直を意識して、正しい姿勢で歩く」とのリーダーの指示を受け、ザレ場や赤土など滑りやすい箇所を通過する際の足の進め方を確かめていた。

岩茸石山への急登

高水山山頂にて3班


 急坂の先に、ピンク色に染まった木々が見える。少し時期は遅かったようだが、岩茸石山の頂上は、萩の花がここかしこに咲いていた。11時55分、三山の中での最高峰「岩茸石山」に到着。30分の昼食休憩をとる。午後になり若干雲が出てきたものの、頂上からは北面・東面の眺望があった。受講生は各々地図を広げて、眼前に広がる山並みの中から第3回実地講習のルートとなっている上成木から棒ノ折山(棒ノ嶺)に至る尾根を、スタッフに質問しながら確認していた。いつもながら受講生の向学心には敬服する。  昼食後、全体での集合写真を撮り、惣岳山へ向け出発。この区間も、岩茸石山直下と惣岳山直下の急坂が注意を要する。「昼食後は事故の多い時間」という机上講習で学んだことを確認し、慎重に下山する。要所要所で読図を行いながら、岩茸石山からほぼ真南におよそ40分で惣岳山直前の岩場に到着した。ストックをしまいながら、危険な箇所は三点確保を心がけること、足下ばかりに気を取られず顔を上げルートを確認することなど、これまで習ってきたことを再確認する。巻き道との分岐から岩場を見上げたときは、「木の根が滑りそうで怖い!」と言った声も聞こえたが、歩き始めれば皆さんしっかりとした足取りで本日最大の難所を通過していた。
 13時15分、三山三つ目のピーク「惣岳山」に到着。ここからは登り同様、本日の標高差のほとんどを一気に下ることになる。10分休憩をとり、靴紐を締め直すなど装備のチェックを行う。なお、事前の説明では、ここから御嶽駅に下るとのことであったが、下見で登山道が荒れていることが判明したため、沢井駅へ降りるルートに計画が変更となっている。


山道脇に見つけた真っ黒い蛇

惣岳山への急登


 13時25分、下山開始。惣岳山直下の水場から、少し巻き道を上り返し、沢井駅方面へ延びる尾根に取り付く。全体的には歩きやすい登山道ではあるが、所々倒木や赤土の滑りやすい箇所があり、先行するスタッフが迂回ルートを付けながら進んだ。終盤、足の疲労を訴える声もチラホラ聞かれたが、無事最後まで歩ききり、15時05分沢井駅に到着した。
 受講生からは、「最初の急坂がキツかった」、「思った以上に気温が上がり少し水が不足気味だった」、「最後の下りが長く感じられた」、「天気も良く気持ちよく歩くことができた」、「滑りやすい箇所の歩き方に少し自信がついた」などの感想が聞かれた。標高の低い山でも、急坂の上り下りの繰り返しや、足場が悪く神経を使う行程が続くと、それなりに疲労すること。また、行動時間に加え、季節や天候などによって持って行く水の量を調整しなければならないこと。姿勢や歩幅、歩くスピードによって登山靴のグリップ感が異なってくることなどを、今回の実地講習を通じ受講生の皆様には実感していただけたのではないだろうか。
 沢井駅前でクールダウン後、15時20分解散した。次回、第3回実地講習は、10月15日、棒ノ折山(棒ノ嶺)である。



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