第4期初級登山教室 「山研宿泊体験と上高地散策・岳沢登山」


御前山

岳沢小屋テラスにて (外国人女性に撮影依頼)


   日時  2016年5月28日(土)〜29日(日) 晴れ
   行程  28日
         立川北口公園6時50分発(貸切バス)⇒〔双葉SA、波田駅前(食材購入)で休憩〕
         ⇒11時25分上高地バスターミナル→11時45分上高地山岳研究所(山研)→
         12時00分昼食、上高地散策説明会、水力発電機見学13時00分→13時05分
         上高地散策(山研→梓川左岸道→明神→梓川右岸道→ウェストン碑→山研)
         17時40分→18時30分夕食・懇親会21時00→消灯21時30分
         29日
         5時30分朝食→7時00分山研出発→7時10分岳沢登山口→8時00分風穴8時10分→
         9時00分展望ガレ場9時10分→9時45分雪渓横断→9時55分岳沢小屋11時05分→
         13時15分山研13時50分→14時00分西糸屋山荘(入浴)→15時00分上高地バス
         ターミナル発(貸切バス)⇒〔2か所休憩〕⇒立川到着20時45分
   参加者 34名(受講生21名、支部員13名)
    〔1班〕L小野勝昭、SL濱野弘基、(受講生)内藤誠之郎、小林万里子、弓家田典子、
        奥山陽子、千葉弥須子、関口順子、齋藤眞子、山内ひとみ、
        (サポーター)西村智磨子、竹中彰
    〔2班〕L石井秀典、SL岡義雄、(受講生)青木義仁、神戸真樹子、国安薫、石川さとみ、
        指田久子、吉岡礼子、(サポーター)中村美奈子、(講師)宮崎紘一
    〔3班〕 L北原周子、SL東敦子、(受講生)人見茂子、吉野由美子、解良知子、布田三恵子、
        山内ひとみ、丸山広幸、吉田敬、(サポーター)山本憲一、中村正之、(講師)酒井省二
   記録  文:石井秀典/写真:山本憲一、石井秀典


〔1日目〕
 4期登山教室受講生にとって待望の上高地だ。初めて北アルプスの玄関に足を踏み入れる。天候も晴れの予報だ。早朝の立川北口公園に集合。貸切バスに乗車し上高地に向けて出発した。中央高速道路を走り、車窓から見える山々を北原班リーダーが説明する。登山教室で登った扇山、百蔵山、高川山などが見て取れた。鳳凰三山や南アルプスが眺望できる双葉SAで休憩。更にバスは上高地に向かって進み、途中の松本電鉄波田駅近くも店で食材を購入。上高地バスターミナルには11時25分に到着した。
山研に向かって梓川左岸道を歩く。上高地の素晴らしい景色に写真撮影で受講生の足が進まず。山研に到着後、各自の部屋に荷物を整理し、食堂で持参の昼食をとる。食事後、上高地散策の説明会、続いて野外講座でミニ水力発電機を見学した。


A班(西村講師)の上高地自然観察

ミニ水力発電機の見学


 13時05分、山研玄関前に集合。2班に分かれ、西村・中村正之の両会員の説明で上高地散策に出発した。河童橋を渡り、梓川左岸道を明神方面に歩く。ズミの白い花が咲き、今年の上高地は季節が早く進んでいるようだ。小梨平に流れる川が澄んでいるのに感動し、道路の真ん中を大きいサルが堂々と歩いているのに驚く。明神岳5峰の岸壁を見上げ、特別名勝・特別天然記念物の上高地の自然をゆっくりと説明を受けながら歩き、14時35分に明神に到着。更に徳沢園への道に足を伸ばし、徳本峠の道を説明し、その先でピラミッド型の常念岳を眺めて明神に戻る。


B班(中村講師)の上高地自然観察

A班 穂高神社奥宮の前で


 明神橋を渡り、穂高神社奥宮で登山教室の安全祈願。梓川右岸道を山研に向かって歩く。六百山、霞沢岳の眺めが素晴らしい。空から白い綿毛が吹雪のように降り注ぎ、頭上などに白く積り出す。ケショウヤナギの綿毛で上高地の風物詩に出会う。16時15分山研前に到着。時間に余裕があるので引き続きウエストン碑まで歩く。碑の説明文を見て日本山岳会の歴史を思い受講生から感嘆の声が出る。梓川右岸道を歩いて17時30分山研に戻った。


B班 岳沢湿原にて

A班 梓川畔散策


 18時30分から夕食を兼ねた懇親会を行う。上高地散策中に食事と懇親会の準備をしてくれた北原、東、中村の女性3会員に感謝する。懇親会には管理人の元川さんも加わり、食堂は満杯状態である。全員があらためて自己紹介と登山教室への想いを話し、受講生同士やスタッフとの親睦が図られ大盛会の懇親会であった。


おおいに盛り上がった懇親会

ウエストン碑の前で


〔2日目〕
5時30分から女性会員4名が準備してくれた朝食をとる。食事の後片付け、部屋の清掃、個人荷物の整理後、6時50分に登山準備をして山研玄関前に集合した。午後から一時降雨予報もあるが空には青空が広がる。受講生1名と会員1名が事前申し出のとおり体調不良で岳沢登山は不参加となり、登山参加者は32名となる。
3班体制で出発準備する。岳沢登山道に熊出現との情報が入り一瞬緊張が走る。山研から岳沢登山口はすぐに到着。登山道に入るとツガとシラビソの鬱蒼とした樹林帯の急坂となる。途中、樹木が多数なぎ倒された場所を見る。6年前の大雪崩の跡で、自然の圧倒的な威力を感じる。約50分の登りで「7番風穴」の標識で休憩。標識番号は登山口から岳沢小屋までを10区分したもので、登山行程の目安になる。岳沢名物天然クーラー風穴は休憩場所からすぐ先にある。


ガレた道を進む

早朝の穂高連峰


 風穴から約15分で樹林帯を抜けてガレ場に出た。青空が広がり眺望が開ける。後ろを振り返ると乗鞍岳の大きな姿が眺望できる。残雪がないので夏道登山道を歩く。ダケカンバの林を約25分登ると展望が良いガレ場に到着し休憩。目の下には上高地が広がり河童橋が小さく見える。山側を見上げると西穂高岳から奥穂高岳の岸壁が連なり、この素晴らしい景色の写真撮影に夢中である。急登が続き9番胸突き八丁を登り切ると岳沢小屋への小さな雪渓が見えた。雪渓を横断し急坂を登ると岳沢小屋に9時55分到着した。


わずかに残る残雪をトラバース

雪の無い岳沢で一休み


 岳沢小屋テラスで約1時間の昼食時間をとる。雲一つない空に西穂高岳、天狗岩、奥穂高岳、吊り尾根、前穂高岳、明神岳、六百山、霞沢岳がパノラマ状に広がり、その風景を見ながらの贅沢な昼食だ。見上げれば穂高岳連峰の岩壁が目前に迫り、その迫力に感嘆の声が上がる。このスケールの大きい山々の姿を眺めて、受講生たちの登山に対する視野も大きく広がり、更にもう一歩成長することと思う。


最後の展望地で記念写真

展望を目に焼き付けて下山準備


 名残は尽きないが、11時になり下山準備を行う。登ってきた同じ道を山研に向かって下山を開始した。ダケカンバ林の中の道を足元を注意しながら下る。樹林が切れて穂高岳が眺望できる場所では、どうしても足が止まる。この景色にまだ未練があるらしい。途中で展望の良いガレ場で休憩をとり、穂高岳を背景に集合写真を撮る。ツガとシラビソの樹林帯に入り、天然クーラー風穴を通過し木の根や石が多くなった道を慎重に下る。木道が出てきて眼下に林道が見えて岳沢登山口に到着。林道を歩き13時15分山研前に到着。広場で整理体操と終了ミーティング゙を行い、入浴と帰宅準備のために山研に入る。
再び、山研玄関前に集合。管理人に挨拶をして山研にお別れ、西糸屋山荘へ入浴に出向く。入浴後、15時00分に上高地バスターミナルの貸切バスに集まり乗車。15時10分、貸切バスは上高地を出発した。バスは途中の談合坂SAで夕食休憩を取り、渋滞に巻き込まれ予定より少し遅れて20時45分立川に到着し解散した。



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