第5期初心者登山教室 登山実習「大岳山」


大岳山

大岳山山頂にて


   日時  2016年5月21日(土)晴れ
   行程  立川駅北口・多摩信金本店前広場集合 7:25 ⇒(チャーターバス)⇒8:35滝本駅
         9:00⇒9:06御岳山駅9:50→10:10御岳神社下10:20→11:00東屋11:10→11:30
         芥場峠11:40→12:20大岳山荘(昼食)12:50→13:25大岳山頂13:35→13:55大岳山荘
         14:00→14:35芥場峠14:45→16:10御岳山駅16:40⇒16:46滝本駅17:00⇒(チャーターバス)
         18:15立川集合場所
   参加者 34名(受講生22名、立川市1名、スタッフ11名)
    〔1班〕乙津理恵子、櫻井範子、諏訪久美子、滝沢千絵子、寺井茂世、矢沢大史、安田令
         L岡 義雄、SL東 敦子、講師 宮崎紘一、SP高橋恵子
    〔2班〕 石原輸佳、大澤早苗、大澤則彰、菊池美奈子、酒井勝之、竹内美生子、玉井明子、
         深見和恵、山本知章、L武藤篤生、SL土井充、SP中村哲也、仲谷朋尚
    〔3班〕 大根菜津美、小澤智信、加藤美穂、白川梓、高間晃子、前田明代、田中謙次(立川市)
         L河野悠二、SL山本憲一、SP中村敦子


 第5期初心者登山教室の登山実習2回目として、大岳山に登ってきた。
今回から参加のする方を含めて、受講生23名、引率する会員11名、合計34名を乗せたチャータバスは、ほぼ定刻に立川を出発し、家族連れで賑わう滝本駅に到着。トイレを済ませケーブルに乗車。歩けば1時間かかる所を6分で御岳山駅へ。ここで今日のコースの入念な説明、装備(ザック・靴ひもなど)のチェック、準備体操後に班別にスタート(2班、3班、1班の順に)。1班は、前回の三頭山では先頭で歩き始めたが、今回は最後尾。この時間を利用して、受講生に登山歴を含めた自己紹介をしてもらった。近場の山を歩いている方が思ったより大勢いた。中には富士山にも登った経験がある人もいた。要するに、登山教室に参加するくらいだから、登山に興味があり、基礎から学びたいとか、友達を作りたいという人が多いようだ。2回目ともなると、お互いにうちとけあい、特に初めの広いなだらかな道では会話が進む。


谷の地形を覗く

御岳神社への平坦な道を進む


 長尾平ではこの先道がいくつにも分かれているので、ここで宮崎講師に地図読みの実践をしてもらう(地図を広げてコンパスを乗せて、コンパスの針と地図の北(正確には磁北)が合うまで地図を回転させて、自分の進むべき方向を判断する)。
長尾平から東屋までは、鍋割山の巻道で、ほぼ等高線に沿った、新緑のトンネルのような道で、ルンルン気分で歩けるところだ。東屋で一服し、この先はいよいよ本格的な登山道だ。覚悟を促していざ出発。急な坂が続くが、沢沿いの気持ちの良い広葉樹林帯が疲れを忘れさせてくれる。やがて広いサルギ尾根に登り着いたところが芥場峠である。いかにものんびりした、穏やかな佇まいで休憩するにはもってこいな所だ。やがて右側から鍋割山の尾根道と合流する。このあたりから岩が多くなり、鎖や鉄梯子が現れるが、あまり切り立ったところではないので、それほど恐怖感はない。樹林帯のため途中での眺めは良くない。ひたすら足元に神経を集中させて歩く。ふと気が付くと林間に山小屋が見えてくる。だいぶ昔に営業を止めてしまった大岳山荘である。1期登山教室では、土砂降りのためにここで雨宿りをして、結局大岳山登頂をあきらめたところだ。近くには平らな広場があり、また南面の眺めの良いところに立派なトイレがあるので、ここで昼食をとるのが恒例になっている。


三点支持のデモ指導

芥場峠への急坂を登る


 大岳山頂直下の登山道にはちょっとした(10〜15m)岩場があるが、岩場での3点支持(確保)を説明するにはちょうど良い練習用の岩が広場のベンチ前にある。土井さん(2班SL)にその説明とデモをしていただいた。広場の一角に鳥居がありそれを潜ると、大岳神社の参道である。100mばかり参道を登ったところに大岳神社がある。神社の前には実に素朴な作りの、豚のような狛犬があり、実に可愛らしい。参拝後、神社の階段を利用して、集合写真を撮る。神社の左側の滑りやすい泥道を登りきると、いよいよ岩場である。土曜日で天気が良かったので、登山客が多く、岩場でのすれ違いを心配していたが、下って来る人を1〜2分待つ程度で済んだ。受講生たちは、躊躇することなく、怖がることもなく、スイスイと登ってしまった。「案ずるより産むがやすし」、「若いということは素晴らしい」と実感した。


本格的な岩場の登りがでてくる

大岳神社の前で


 山頂では、富士山は春霞で見えなかったが、先月登った三頭山、来月登る御前山をはじめ、浅間尾根、笹尾根、大菩薩など大岳山の南西部の山々が見渡せ、未踏の山々に対して思いを馳せたに違いない。山頂では予想したより人が少なかったので、3つの班一緒に集合写真を撮ることができた。
 つかの間の山頂の景色を心にしまい込み、下山にかかる。岩場の下りで、後から、2人の若者が、「消防署員です。先に通して下さい」と云いながら、走るようにして下って行った。10日前の5月11日に、奥多摩消防署で「遭難救助訓練」(1組8名で、3組が順繰りに実施)を見学したばかりだった。きっとこの2人の署員もあの時、訓練に参加した人ではないかと想像している。しばらくして、近くをヘリが旋廻する姿を目撃した。あらためて「安全登山」に心掛けなければという思を強くした。受講生たちはどのように感じただろうか・・・?

岩場にも徐々に慣れてくる

三点支持で安全に下山


 登りと同じ道を辿り下山した。山頂では、南西部しか見渡せなかったので、帰路途中の天狗の腰掛で、10mばかり脇道に入り、北面の石尾根方面を眺め、また、御岳神社では、元気の良い希望者が御岳神社の長い階段を往復して参拝してきた。
 天気に恵まれ、色鮮やかな新緑、色とりどりの花々、山頂の景色、小鳥のさえずり、沢水のせせらぎ、などなど、たくさんの自然の恵みと、少々の疲労感と、大きな達成感を感じ取り、ますます山にとり憑かれたに違いない。
 御岳山駅前で整理体操、次回の御前山登山の注意点などの説明を聞いて、ケーブル、チャーターバスにて、予定より早く立川に無事到着。
(記録文/岡 義雄 写真/河野悠二、山本憲一)


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