第4期初級登山教室 登山実習「棒ノ折山」


棒ノ折山山頂にて

棒ノ折山山頂にて

   日時  2015年10月17日(土)
   行程  西武池袋線飯能駅前バス停8:30(バス)⇒9:11さわらびの湯9:45→10:15登山口10:25
         →10:50藤懸滝→11:40鎖場→12:00林道東屋跡12:30→12:45岩茸石12:50→
         13:20権次入峠13:30→13:45棒の折山山頂14:15→15:05山の神15:10→15:45奥茶屋
         →15:55清東橋バス停16:50→17:03JR川井駅前
   参加者 27名(受講生16名、会員スタッフ11名)
     〔1班〕L北原周子、SL東敦子、小池清次郎、小林万里子、神戸真樹子、指田久子、関口順子、
        (山行L)石井秀典
     〔2班〕L小野勝昭、SL岡義雄、谷岡賢一、丸山広幸、内村直子、山内ひとみ、弓家田典子、
         スタッフ富永真由美、(講師)宮崎紘一
     〔3班〕L小松原勝久、SL八木佳苗、内藤誠之郎、吉岡礼子、国安薫、布田三恵子、人見茂子、
         齋藤眞子、スタッフ中村正之、(講師)酒井省二


 前日の雨が居座るような厚い雲に覆われた朝、西武池袋線飯能駅前バス停に集合。名郷行きバスに乗車し、さわらびの湯バス停で下車。さわらびの湯は天候のこともあってか閑散として、我々が登る人気の白谷沢コースの登山者が見当たらない。駐車場でミーティングを行い、今回のコースには沢歩きがあり注意事項を説明し、3班に分かれて出発した。
 駐車場から自動車道路を歩き、有馬ダム堰堤を渡る。ダムに流れる白谷沢の水量は多くなく、沢歩きは問題がないと判断した。ダム沿いの道を歩き登山口に到着。少し蒸し暑いので衣服調整する。登山口から白谷沢左岸に付けられ道を登る。少し登ったところで雨が降り出し雨具を着用。前回に引き続き雨の登山教室となった。


白谷沢歩き

さわらびの湯で準備体操


 沢の水音が近づいて藤懸の滝が現れた。ここから沢歩きが始まる。沢沿いの岩の道を左岸、右岸と飛び石で渡って歩く。スリップ等しないようにリーダー、スタッフが足場を指示する。他に登山者がないのでマイペースで沢歩きできるのが良い。ノドと言われる沢が狭く岩をへつる様に歩く場所を通過し、天狗の滝の上で小休憩を取る。受講生の緊張感を和らげるつもりであったが、予想に反し「楽しい」と元気な声が多く発せられた。確かに受講生達は怖がらずに沢の中をバランス良く歩いている。
迫力を感じるゴルジュ帯の中の第2ノドを通過すると、前方に鎖場が現れる。鎖場は階段状で難なく登り切る。鎖場上の白孔雀の滝から傾斜が緩み沢は細くなり、暫らく歩くと林道に出合う。林道すぐ近くの東屋跡で昼食時間とした。地図には「東屋」とあるが一昨年の豪雪で潰れて今は木のベンチがあるのみ。霧状の雨が降り続き地面には水溜まりもあるので、一部の人は立食となった。


鎖場を登る

ゴルジュ帯を行く


 昼食後は、樹林帯の中の登山道を行く。東屋跡からは丸太の階段が壊れて歩き難い急坂を登る。急坂の先は平坦な道となって、大きな石のある岩茸石に着く。地図を読んで、さわらびの湯からの滝の平尾根コースと名栗温泉からのコースが合流をしていることを確認する。道標を見て権次入峠への登山道を乗る。急傾斜となった道は雨で滑り易く、丸太階段も壊れて非常に歩き難い。木の根などを利用して一歩一歩と登って権次入峠に到着した。なかなか厳しい登りであった。先月登山した高水三山の岩茸石山からのルート合流を地図で確認する。


棒ノ折山の下り

棒ノ折山山頂でのひと時


 権次入峠からは、広い登山道を登ると棒ノ折山山頂に到着。山頂からは奥多摩、奥武蔵の大パノラマが眺望されるはずだが、残念にも一面真っ白で何も見えない。雨が上がり空が明るくなったので、少しでもの眺望を期待したが念願叶わずであった。頂上にある展望図看板と持参した写真で、見えるはずの風景を説明した。
山頂には、「棒ノ折山」と「棒ノ嶺」の二つの名前の標識があって戸惑う。東京都側では「棒ノ折山」、埼玉県側は「棒ノ嶺」と呼んでいるとのこと。「棒ノ折」の由来は鎌倉時代の武将・畠山重忠が杖として使っていた棒が折れことに因んでとか、或いは山頂部が広いカヤトの原で坊主の尾根と呼ばれ、後に「坊ノ尾根」・「棒ノ折」となったという説など、諸説あるらしい。


山葵田の脇を抜ける

棒ノ折山の下り


 山頂で少し長い休憩を取り、集合写真を撮って下山を開始した。奥茶屋への下山道は急傾斜である。樹林帯の中の木の根などが露出した道をユックリ慎重に下る。途中、疲れた筋肉をストレッチで和らげる。暫らく下ると小さな祠の「山の神」に到着。沢の音が大きくなり、ここから下はわさび田が多く作られている。さわび田近くの道は、水が流れて石が露出し、滑り易いので足下の注意を喚起する。鉄の梯子や濡れた桟橋などもあって慎重に歩き、奥茶屋がある舗装道路に到着。悪路が終わり緊張感から解放された。自動車道路を歩いて清東橋バス停に到着した。清東橋バス停前の休憩所でミーティングなどを行い、定期バスを待つ。始発のバスに乗車して川井駅バス停で下車。JR川井駅で登山教室を終了した。
(記録文・写真/石井秀典)

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