第3期初級登山教室 卒業実習「雲取山」


雲取山

2日目早朝、雲取山山頂にて


   日時  2015年3月7〜8日(土・日)
   行程  3月7日
         JR奥多摩駅前8:35<バス>⇒9:09鴨沢バス停9:35→10:05小袖乗越10:15
         →12:05堂所(昼食)12:40→13:40七つ石小屋分岐13:55→14:40ブナ坂14:50→
         15:25奥多摩小屋15:35→小雲取山16:20→16:45雲取山16:55→17:15雲取山荘(泊)
         3月8日
         雲取山荘7:15→7:55雲取山8:15→8:30小雲取山→9:00奥多摩小屋9:15→
         9:45ブナ坂10:00→七つ石小屋分岐10:40→11:15堂所(昼食)11:45→
         13:05小袖乗越13:15→13:35鴨沢バス停<バス>13:55⇒14:30奥多摩駅前
   参加者
     〔受講生〕 中村照代、中村哲也、中村敦子
     〔スタッフ〕 L:石井秀典、講師:宮崎紘一、支部長:竹中彰


 3月7日、2期初級登山教室の最終実習で雪の雲取山への登山である。天候は余り芳しくなく、未明に降った雪が奥多摩の山々を白く色づけて綺麗だ。JR奥多摩駅前から丹波行きバスに乗車し、鴨沢バス停で下車。霧雨が降るが登山準備をして出発した。近頃の気温上昇のためか小袖に上る登山道には雪が消えて夏道歩きと同じだ。小袖乗越で衣服調整して雲取山への登山道に入る。標高約1000m辺りから登山道に雪が出始め、小雪も時々チラつき周りは冬の景色に変わってきた。予定どおり堂所で昼食をとる。堂所からの登山道は、雪の下に凍結が多くなったことで標高約1300m地点でアイゼンを装着。歩行途中でアイゼン状態が悪くなったこともあり、七つ石小屋分岐までの時間が予定より多く要した。ブナ坂巻道に入ると積雪が多くなり、先行の登山者が付けたトレースを忠実に歩くことでブナ坂に到着した。
標高1650mのブナ坂は風通りが良く、寒さが増してきたので防寒着を着る。石尾根は霧に包まれて眺望は全くないが、未明に降った新雪で一面が真っ白であり、その中に伸びる細い一本のトレースを辿って黙々と前進する。濃霧の中に立つ石尾根名物ダンシングツリーを眺めながら歩いて奥多摩小屋に到着。ここからの小雲取山へは急登が始まる。アイゼンを効かしながら一歩一歩登るが、霧が更に濃くなってルートファインデングが必要となり時間を要した。小雲取山からは傾斜が緩み雲取山は間近であるはずだが、濃霧のために山頂避難小屋が見えない。やっと目前に避難小屋が現れて標高2017m雲取山山頂に到着した。


山頂記念写真

霧の中、ようやく雲取山山頂に到着


 山頂は、全く眺望がないが、三角点が埋まる積雪があり、周囲の樹木には素晴らしい霧氷が作られ、山頂道標には小さいながらもエビの尻尾が見られて、風雪の厳しい冬山に登った実感を受講生は焼付けたと思う。記念撮影をして雲取山荘に向かって下山する。下山道は積雪が多くアイゼンで快適に下って山荘に到着した。山荘での夕食時には、登山教室最終目標の雪の雲取山登頂を祝って細やかながらビールで乾杯した。


午前7時過ぎ、雲取山へ出発

雲取山荘に到着


 3月8日、雲取山荘前に午前7時集合。今日の天候も午後から雨の予報で、山荘の周囲は霧に包まれている。準備体操後、アイゼンを装着して雲取山に向かって出発した。山荘近くの田部重治レリーフを見学し、原生林の中の雪の急坂を登って再び雲取山山頂に立った。相変わらず展望は全くないが、風がないので周囲の風景を楽しむ。霧氷の美しさを再確認し、山頂の展望盤を利用して霧で見えない山々の説明を行う。冬の東京都最高峰に登った実感を味わって貰った後、名残り惜しいが下山を開始した。


雲取山頂は真っ白な雪の世界

霧氷に包まれた雲取山に到着


 山頂避難小屋に立ち寄り、石尾根を下る。昨日よりは視界が良いのでトレースに従って順調に歩き、小雲取山からの急坂もアイゼンを効かせて快適に下山する。途中で往路では歩かなかった巻道を利用して奥多摩小屋に到着。奥多摩小屋で休憩後、真っ白な雪の石尾根に伸びるトレースを冬山を実感しながら歩き、ブナ坂に到着し軽食をとる。ブナ坂巻道は、昨日とは異なり既に雪解けが始まっており、一部黒い土が現れて山にも春が近づいていることを感じる。七つ石小屋分岐を通過し、堂所まで一気に下山してアイゼンを外し昼食時間とした。

真っ白な石尾根を下る。

山頂で周辺の山々を確認


 堂所からの登山道には雪が全く消えており、一部に凍結個所があったが夏道歩きと同様に長い樹林帯を下って小袖乗越に着く。更に樹林帯の道を下って奥多摩湖を見下ろしながら歩き鴨沢バス停に到着し、無事に雲取山登山は終了した。 下山が予定時刻よりも早かったので、早いバスに乗車して奥多摩駅に着く。奥多摩駅前で2期初級登山教室の終了ミーティングを行い、竹中支部長から2年間の登山教室締めの挨拶をして頂き、この登山教室は終了となった。
(記録・写真/石井秀典)


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