第2期初級登山教室 登山実習「上高地山研宿泊体験と上高地散策・徳本峠山行」


穂高連峰

梓川から見る穂高連峰


   日時  平成26年5月24日(土)〜25日(日)
   行程  〔5月24日〕
         立川たましん本店横6時45分発(貸切バス)⇒〔2か所で休憩〕⇒上高地バスセンター
         11時00分着、→JAC上高地山岳研究所(山研)11時30到着〜昼食、地図読み講座
         12時30分〜14時25分、水力発電機見学14時35分〜14時55分、上高地散策(田代池周辺)
         15時00分〜17時05分、夕食・交歓会17時30分〜20時40分、消灯21時20分
         〔5月25日〕
         朝食5時40分〜山研出発6時55分→7時50分明神館8時00分→8時05分徳本峠入口→
         8時45分雪渓出現→9時00分アイゼン装着9時15分→10時45分徳本峠(昼食・展望台)
         11時50分→13時30分明神館→山研着14時30分、西糸屋山荘(入浴)〜山研出発15時35分
         →上高地バスセンター(貸切バス)発15時55分→立川着21時10分

   参加者 24名(受講生5名、第1期修了生5名、支部会員14名)
     〔1班〕L石井秀典、SL西村智磨子、受講生:前田菜穂子、中村敦子、野津幸代、中村照代、
         江原孝
     〔2班〕L岡義雄、SL北原周子、受講修了者:本間俊幸、八木佳苗、佐々木則行、富永真由美、
         藤澤京子
     〔講師〕酒井省二、宮崎紘一
     〔スタッフ〕竹中彰、山本憲一、澤登均、小松原勝久、東敦子、武藤篤生、飯島文夫


〔1日目〕
好天の早朝、集合場所立川から貸切バスで上高地に向けて出発。高速道路は渋滞もなく、車窓から見える南アルプスや八ケ岳などの山々を説明しながら走り、松本ICから上高地への道に入る。新島々駅前を通過した先の徳本峠入口では、島々宿から徳本峠越えの歴史話しが宮崎講師からあり徳本峠に思いを馳せる。梓川渓谷に入り幾つかのダムとトンネルを通過し、最後の釜トンネルを抜けると焼岳と大正池が目に飛び込み上高地に着く。11時00分上高地バスターミナルで下車し、梓川沿いの道を山研に向かって歩く。岳沢雪渓や穂高の山並みが青空に映えて素晴らしく、明日の徳本峠登山に胸がときめく。


ミニ水力発電実験棟

日本山岳会山岳研究所


 11時30分山研到着後、割り当てられた部屋で荷を解き、食堂で持参の昼食をとる。昼食後、宮崎講師の「地図読み講座」を食堂で開始する。地図読みの基礎知識、登山中の地図読み、道迷いしないための注意など、約2時間の講義を受ける。
次は野外講座である。山研の「ミニ水力発電機」を見学。管理人の内野様から稼働の仕組みや環境保全の自然エネルギー活用モデルケースであるとの説明を受ける。


親子ざる

あれが奥穂…



ウエストン碑の前で

田代湿原と穂高連峰



 引き続き上高地の散策に出発する。西村会員のガイドで梓川左岸から田代池の自然研究路を歩く。上高地の自然を構成する植物分布、地形、地質などの説明を拝聴し、上高地の自然の美しさを実感する。約2時間の散策は田代池周辺で終了し、田代橋を渡り梓川右岸をウエストンレリーフを経由して山研に戻る。 17時30分から夕食を兼ねた交歓会を行う。料理は小野会員が献立・料理した豪華な鍋料理である。くじ引きで席を決めて受講生、受講修了者、会員が交じり合い楽しい交歓会を行った。


西村ガイドさんの話に頷く

河童橋へ



〔2日目〕
早朝、河童橋周辺にモルゲンロートを見に出向くが、山の稜線は雲に覆われ残念にも見られず。5時40分小野、西村、北原の会員が準備した朝食をとる。登山準備をして山研前広場に集合。2班体制をとり6時55分徳本峠に向かって出発する。梓川左岸を歩き明神館で小休後、8時05分徳本峠の林道に入る。林道沿いはニリンソウが一面に白い花を咲かせて美しい。 林道はやがて細い登山道となりジグザクの急登となる。標高1700mで雪渓が現れる。当初はキックステップで登行するが、雪渓が長く続くので標高1760mでアイゼンを装着する。受講生は2月実習以来のアイゼンであり、ストック使用しユックリ確実に歩くことを指示する。9時50分西側からの雪渓合流点で休憩。振り返えれば登ってきた雪渓の先に明神岳、前穂高、奥穂高の迫力ある姿が良く眺望され感激する。これから登る雪渓上部は急傾斜となるので、トレース作りにスタッフ2名が先行する。雪渓を慎重に直登して行くとルートは左にトラバースし夏道に出合う。雪道を10分程登ると標高2135mの徳本峠に10時45分到着する。


徳本峠への雪渓を登る

徳本峠入口を右折



 徳本峠小屋でトイレ、そして峠すぐ先の展望台に足を延ばす。峠に戻り広場で昼食をとる。奥穂高に少々雲がかかったが天候は安定しており、素晴らしい穂高連峰、明神岳の山並みを見ながらの贅沢な昼食時間である。
昼食後、アイゼンを装着し下山準備をする。同じコースを下るが雪渓のスリップ危険もあるので注意ミーティングを実施し、11時50分下山開始する。雪渓は登行時よりも溶けて柔らかくなり、足下のステップが確実に取れるので安心して下れる。ストックでバランスをとり雪渓下りを楽しみながら歩く。12時50分雪渓末端に到達しアイゼンを脱ぐ。徳本峠林道を歩き明神館に13時30分着。小休止後、梓川右岸を歩き14時30分山研に到着する。


振り返ると前穂・明神岳が

雪渓を登る1班



 すぐに西糸屋山荘に入浴に出向く。山研に戻り帰宅準備をして上高地バスセンターから貸切バスに乗車。バスは15時55分に出発する。時間がなくて実施できなかった終了式をバスの中で行う。バスは途中2度の休憩を取り、渋滞に巻き込まれて予定を遅れて21時10分立川に到着する。
今回は、2期登山教室として初めての宿泊山行であり、北アルプス入口の上高地を歩き、穂高岳などの山々に接して、受講生の登山視野がまた一つ広がったものと思う。そして徳本峠の長い雪渓歩きは、山登りの自信につながって行くものと思い、今後の更なる成長を期待している。
また今回は、参加希望した受講終了者が加わり、登山教室受講者同士のコミュニケーション作りを行ったが、今後の更なる発展を期待するものである。
(記録文/石井 写真/岡、石井、山本)



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