第2期初級登山教室 登山実習「裏高尾」


裏高尾

   日時  2014年2月22日(土)
   行程  JR高尾駅前バス停8時12分<バス>8時35分小仏バス停9時10分→
         9時35分影信山登山口上部(アイゼン装着)10時00分→11時05分景信山(昼食)
         11時45分→12時25分小仏峠12時35分→13時10分城山13時20分→
         13時50分一丁平14時10分→15時00分高尾山15時15分→16時50分ケーブルカー乗り場
   参加者 14名(受講生7名、支部会員7名)
     〔受講生〕中村敦子、前田菜穂子、吉村由美子、中村照代、中村哲也、小川和美、小川晴美
     〔支部会員〕L:石井秀典、SL:小野勝昭、講師:酒井省二、宮崎紘一
            スタッフ:西村智磨子、小山義雄、山本憲一


 2月14日・15日の記録的な大雪で、高尾山周辺の山にも1m以上の積雪があり、地域のバスも全面運休が続いた。登山教室実施2日前にやっと一部バス運行が開始されたので、登山コースを変更し登山教室実施を決定した。
当初の登山コースは、小仏峠、景信山、陣馬山の裏高尾を縦走する計画であったが、積雪状態とバス運行状況を考えて小仏バス停から景信山に登り裏高尾を高尾山に逆縦走するコースに変更した。
JR高尾駅北口バス停に集合し、8時12分発小仏行きバスに乗車する。8時35分小仏バス停に到着。天候は青空が見えて登山日和である。今回も受講生の参加が7名と少なく、十二分の指導体制による登山教室である。
小仏バス停広場でミーティング実施し、登山ルートと持参装備を確認して出発準備に取りかかる。冬山装備の使用方法は、1月登山教室で実施したが十分に理解されておらず、スパッツ装着などにも手間取りスタッフが再指導を行う。これからも技術が身に付くまでは繰り返しの指導が必要である。


景信山山頂までもうちょっと

景信山登山口手前でこの積雪


 9時10分小仏バス停を景信山に向かって出発する。除雪された舗装道路を10分程歩き、景信山への急坂の登山道に入る。暫らく登ると積雪が多くなり、アイゼンを装着する。アイゼンの着け方もまだ不慣れのために時間を要しスタッフが支援する。アイゼン歩行時はストックを併用することを説明し、樹林帯の中の細いトレースを一歩一歩慎重に登る。トレースを踏み外すと膝上まで潜る積雪である。急な雪面を確実にアイゼンを踏み込んで登って行くと、山頂下のトイレ建物が頭上に見え、11時05分景信山山頂(727m)に到着する。
景信山の山頂は、テーブル類も雪に埋まって一面の雪原である。空は青く、スカイツリーや奥多摩の山並みが見える風景に受講生は感激する。時間は少し早いが次の休憩場所のことを考えて昼食時間とする。雪原を踏み固めて座席を作り、素晴らしい展望を見ながらの昼食である。


天気にも恵まれて、のんびりとお昼ごはん

ベンチも雪に隠されてしまった景信山山頂


 11時45分景信山を出発し、小仏峠に向かって下る。深い雪の縦走路には登山者一人が通れる細いトレース一本があるのみである。人の行き違いも容易ではなく、進行には時間を費やす。12時25分小仏峠(548m)に到着。この先の高尾山への縦走路には登山者が多くなることから、トレースを譲り合うマナーの必要性を指導する。
13時10分電波塔が立つ城山(670m)に登り着く。城山の山頂は、道標が半分以上埋まる広い雪原である。山頂の散策にもラッセルが必要となるので、小休憩後早々に一丁平へ向かって出発する。陽の当るトレースは雪質が変わりザラメ状となりアイゼンが効き難い。しかし樹林帯のトレースは雪が固く締まり、雪質によるアイゼン歩行の良い練習になる。
13時50分一丁平園地(574m)に到着。展望デッキに集合し丹沢の山々を見て、地図とコンパスによる山座同定方法を説明する。地図とコンパスの使い方は、今後の実習の中でも機会を作り学習して行きたい。
一丁平を出発してもみじ台を進行中、消防庁ヘリコプターが近くの山を低空旋回し、遭難者捜索活動する事態に出会う。遭難事故の臨場感もあり、万一山で事故を起こした際の対応方法などの説明を行う。受講生は、山岳事故発生を身近に感じ、事故防止の意識を持つ良い機会であったと思う。 


最大の「難関」は、稲荷山コースの最後の最後に現れた

これから景信山を下って高尾山へ向かう



 縦走路最後の高尾山(599m)の登りは急坂である。雪に埋まった階段をアイゼンを効かせて登り、15時00分に山頂に到着する。山頂広場は約1mの積雪で真っ白に埋め尽くされている。大見晴台からの展望を楽しんだ後、稲荷山コースを下山する。稲荷山コースも積雪が多く、細いトレースは行き違う登山者が少なくマイペースで歩ける。下山するに従い雪が腐って土が見え始める。約70分歩き稲荷山登山口の手前約300mでアイゼンを脱ぐ。足は軽くなったが、雪解けで濡れた登山道は滑り易く慎重に下り、終着点の稲荷山登山口に16時50分無事到着する。
すぐ近くの高尾山ケーブルカー乗り場前で終了ミーティングを実施する。今回の登山教室で実施した教育項目を確認し、ノート等に書き留めておくことも指示して17時に解散とする。

今回の登山教室は、深い積雪の中のトレースをアイゼン装着して1日中歩いた。アイゼン歩行には十分な研修が出来と思っており、また雪山歩きの楽しさも良く知って貰えたことから、登山がより一層大好きな受講生になってくれるものと期待している。 (記録文/石井秀典 写真/小山義雄)

上の写真は拡大してご覧になれます。写真の上をクリック。