第2期初級登山教室 登山実習「笹尾根」


笹尾根

   日時  2014年1月11日(土)
   行程  JR武蔵五日市駅前バス停9時00分<バス>9時51分仲の平バス停10時30分→
         11時30分大平分岐→槇寄山12時45分(昼食)13時20分→13時40分田和峠→
         14時05分数馬峠→14時20分大羽根山分岐14時30分→14時50分大羽根山15時00分→
         15時40分浅間尾根登山口バス停16時14分<バス>JR武蔵五日市駅前17時05分
   参加者 13名(受講生6名、支部会員7名)
     〔受講生〕江原孝、吉村由美子、前田菜穂子、中村敦子、中村照代、中村哲也
     〔支部会員〕L:石井秀典、SL:小野勝昭、講師:宮崎紘一、スタッフ:小山義雄、西村智磨子、
            小松原勝久、山本憲一  (L:リーダー、SL:サブリーダー)


 寒気が日本上空を覆い、笹尾根登山道の凍結が十分に考えられる寒い冬晴れの日である。JR武蔵五日市駅前バス停に午前8時40分に集合。今回も受講生の参加数6名と大変少なく、支部会員スタッフとマンツーマンで行う贅沢な登山教室となる。9時の数馬行き定期バスに乗車し、9時51分仲の平バス停で下車。公衆トイレ前の広場に移動して登山準備を始める。
今回は、第2期登山教室として初めての雪山である。受講者にはアイゼンなどの冬山装備を持参して貰うが、一部所有のない者には登山教室所有のアイゼンを貸与する。殆どの受講生は初めてのアイゼン使用であるので、受講生ごとに担当スタッフを付けて出発前に登山靴との調整や着脱方法などの指導を行う。そして冬山服装の確認、地図による登山ルート説明などを行い10時30分に笹尾根の槇寄山を目指して出発する。


標高1000m付近は雪の道

出発前に地図でコースを確認


 登山道入口(標高654m)の道標を確認し、舗装された林道を約15分歩き民家の脇から登山道に入る。登山道を約15分登った所で衣服調整の休憩を取る。歩きで熱くなった体温は、手袋を脱こと、襟元を開くことで簡単に調整できることの説明も行う。11時30分大平分岐(標高955m)に到着し、地図にて現在地の確認を行う。大平分岐を過ぎた頃から登山道は凍結の雪道が続くようになる。凍結した登山道の歩行練習として、歩行バランスを考えて歩いて貰う。
徐々に積雪が多くなり傾斜も急になってきたので、1090m地点でアイゼンを装着する。アイゼン装着とアイゼン歩行の指導は、再び担当スタッフが時間をかけて個別に実施する。樹林の中のトレースを、アイゼンの爪をフラットに置くことに集中して歩いて貰う。途中に片側が切れ落ちたトラバースもあるが、受講生は安定したバランスで歩行する。
傾斜が緩み樹林が切れたところが西原峠(1165m)で、12時35分に到着する。西原峠は雪が融けて土が露出している。峠から槇寄山への短い登りも土の登山道であるがアイゼンを着けたまま歩き、槇寄山山頂(1188m)に12時45分到着する。槇寄山山頂は、南側が開けて富士山の眺望が素晴らしい。今回は少々霞んではいるが真っ白な富士山を眺めながら山頂のテーブルで昼食を摂る。


槇寄山は富士山の展望台

アイゼンを着けました


 昼食時に脱いだアイゼンを再び装着し、13時20分槇寄山山頂を出発する。これから笹尾根を大羽根山分岐までの東京と山梨の都県境を縦走する。西原峠に戻り、笹尾根特有の落葉樹林の中のアップダウンの少な縦走路を行く。登山道が北側斜面にあるので積雪があり、アイゼン歩行の良い練習にもなり快適に歩く。13時40分南側が開けて富士山などが見える田和峠(1132m)を通過。再び落葉樹林の中の雪の縦走路を進行する。北側の落葉樹林の間からは浅間尾根の山並みが眺望されて楽しい歩きが出来る。14時05分に数馬峠(1105m)に到着。峠から少し歩くと北西側が開けた場所があり、鷹ノ巣山や六ツ石山などの奥多摩の山々が眺望されて、これからの登山教室山行に思いを馳せらせる。
縦走路に笹原が目立つようになり、14時20分大羽根山分岐(1105m)に到着する。分岐に立つ道標で大羽根山への道を確認する。また、地図を出して現在地を点検し、縦走路から北に分かれて大羽根山経由の下山ルートを確認して貰う。13時30分大羽根山分岐を出発。北斜面のために雪の凍結場所もあり、下りのアイゼン歩行技術を指導しながら樹林帯の中の登山道を慎重に行く。


アップダウンの少ない笹尾根は快適

陽だまりの中でお昼ごはん


 大羽根山(992m)に14時50分到着する。大羽根山は北側が開けて、奥多摩の山々の大パノラマが眺望できる山である。浅間尾根、奥多摩三山、鷹ノ巣山などの山々の名前を説明し、奥多摩の山の素晴らしさを説明する。
名残り惜しいが、15時に大羽根山を出発する。大羽根山周辺は「中央区の森」となっており、森林保全活動などで作業道が作られて登山道が不明瞭な個所が多くある。その際のルート確認方法などを説明しながら下山する。登山道に雪が少なくなった標高890m地点でアイゼンを脱ぐ。足は軽くなったが雪解けの道は滑り易くスリップに注意しながら慎重に歩く。眼下に檜原街道が見えて、予定どおり15時40分に浅間尾根登山口バス停に到着する。
バス停にて終了ミーティングを行い、16時14分の武蔵五日市駅行きバスに乗車し、同駅前で解散する。

今回の第2期登山教室は、初めての雪山でありアイゼン歩行であった。受講生は、やはりアイゼン装着で多くの筋肉を使ったので「足が疲れた」と言う人が多かった。しかし、それ以上に大変楽しく雪山を歩くことが出来たので、次の雪山山行を待っているとの声もあり、更に登山が好きになってくれることを期待している。 (記録文/石井秀典 写真/小山義雄)

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