2021年 「春の観察会」活動報告         自然保護委員会



日時  2021年4月22日(木)
天気  晴れ 気温27℃(朝の気温は7℃)
行程  京王線 長沼駅10:00集合→都立長沼公園入口→西尾根→頂上園地(休憩)11:07
       →栃本尾根→住宅街→平山城址公園12:20(昼食休憩)12:50→平山城址公園14:10
       →京王線 平山城址公園駅にて解散14:35
参加者  12名
       支部会員/松田、竹中、上市、佐伯、人見、清水(6名)
       自然保護委員/河野、石塚、廣田、村上、高間、小河(6名)
記録  文/小河今朝美   写真/石塚嘉一


 都立長沼公園は駅から5分ぐらい歩いて、多摩丘陵の一画の雑木林に入る。直ぐに、葉の下にカンアオイとは違う花をつけたタマノカンアオイに歓声があがった。少しやせ尾根のような道に参加者から「山ですね。公園というイメージではないですね」という声があった。


観察会の様子その2(長沼公園)

観察会の様子(長沼公園)



 足元にはチゴユリ、ホウチャクソウ、低木のコバノガマズミ、ヤマツヅジの花、花は終盤のマルバアオダモ、アオハダ等。ムラサキシキブとヤブムラサキの葉の触感の違いを確認した。高級な楊枝に使われるクロモジは花が少し残って香りも楽しんだ。ハンショウヅルには、ワイン色の蕾がいくつかあった。下見では蕾だったが此処では一番大きいと思う絶滅危惧種のキンランが綺麗に咲いていた。栃本尾根でヒメハギを発見、ニオイタチツボスミレの香りを確かめた。ヒメコウゾなどを見ながら、日邸団地方面に下り、イチリンソウを見た。大きな住宅団地を二つ通り抜けた所に平山城址公園があり、少し入った所で小さな絶滅危惧種のギンランが咲いていた。昼食休憩はトイレとベンチがある所で、人との距離を意識して食事にした。
 昼食後は所々に咲く満開のキンランと花序より葉が高い位置にくるか同じ高さのササバギンランを見た。ハナイカダは雌株と雄株が並んで、一つだけの花は雌花、複数の花は雄花とその違いがよくわかった。


ササバギンラン(長沼公園)

キンラン(長沼公園))



 展望広場から、奥多摩の山々と富士山が見えた。その後、デッキの上から斜面を見下ろすと緑の中で数株の黄色のキンランが目立っていた。地味な雑草に見えるカラムシは、昔は織物の材料だが、今は福島県の会津地方が唯一の栽培産地という説明があった。
 講師の廣田さんの説明は、視覚だけではなく、触覚、嗅覚を使い、まだ花がない樹々や草の説明もあり、「今日、名前を覚えた木にどんな花が咲くのか、実も気になるから、秋も同じコースで開催して欲しい」「新緑を楽しめたいい一日でした」等の感想があった。


集合写真(平山城址公園))

ジュウニヒトエ(長沼公園)



 <観察した記録>
 草本/29種・木本/52種 計81種、花が咲いていた草本・木本 計42種
 蝶/カラスアゲハ・アオスジアゲハ・ミヤマセセリ(里山で減少傾向にある蝶)