2019年三ツ峠・アツモリソウ保護活動 ・・・・・・ 自然保護委員会


アツモリソウ

 日程: 2019年6月16日(日)〜17日(月)
 行先: 行先: 三ツ峠周辺〈三ツ峠山荘宿泊〉
 行程: 6月16日(日))
       河口湖駅バス乗場9:30集合(静岡支部の車組は登山口)9:40=路線バス=
       10:05三ツ峠登山口バス停10:15→10:30三ツ峠登山口10:45
        →11:25ベンチ11:40→12:15三ツ峠山荘13:00
        →(植物観察および除草作業)→16:05三ツ峠山荘
       (日帰り組4名は往路を下山)
       6月17日(月)
       5:30→6:30三ツ峠山山頂付近の散策→朝食後8:25山荘を出発→
       10:00鉄塔→12:55獣よけの柵から出る→13:20寿駅(解散)
 参加者
   本部:川口章子、小林敏博(日帰り)・下野綾子(日帰り)
   東京多摩支部:河野悠二・遠藤與志郎・岡義雄・高砂寿一・岡田陽子・小河今朝美・
   茂呂よしみ・吉川三鈴・佐久間マサエ・人見茂子(日帰り) 計13名
 報告: 文/小河今朝美  写真/河野悠二

 晴天に恵まれ、エゾハルゼミの鳴き声が聞こえ、クマシデのホップのような果穂を所々に見ながら歩きました。ベンチがある休憩所には、ギンランが咲き、ヒメムヨウランも見ることができました。下見で咲いていたルイヨウボタンは、残念なことに花は終わってました。
もうすぐに山荘という手前には、ワチガイソウは終わりましたが、ツルシロカネソウ、マイヅルソウ、サラサドウダンが咲いてました。




 山荘に到着後、昼食をとり、ご主人の中村光吉さんの案内で観察から始まりました。鉄柵のカギを開けて中に入らせていただきました。保護されているアツモリソウは、たいへん珍しい1株に2つの花が咲いていました。中村さんからマルハナバチによる受粉の様子を説明していただきました。その後、別の場所に行き、昨年より株数が増えて30株近くはあるのでないかという群生している所がありましたが、今年はまだ開花していません。そこは鉄柵で囲まれた上にバラ線で覆い厳重に保護されていました。テンニンソウの除草をする場所にはエゾタチツボスミレ、クルマバツクバネソウが咲き、ユキザサはまだ蕾でした。テンニンソウの根はとても太く、小さく見えるテンニンソウでも根はしっかり這っています。鎌で根を切りながらの除草は、約2時間の作業でした。テンニンソウは広範囲にたくさん生えています。テンニンソウがあるとアツモリソウの菌がなくなってしまうとか。ヤマドリゼンマイは、以前は抜いていたが、ヤマドリゼンマイの傍にあるアツモリソウは大株になることがわかってきたそうです。



 作業後に見えた富士山は雲がとれ、すっきりとした雄大な姿を見せてくれました。夕食後は中村さんから、ランの花は左右対称なこと。開花の時に唇弁が下になるものが多いこと。ショウキランの種はカマドウマが運んでいるなどのランと昆虫の関係、鹿の食害と盗掘をする人間から守ってきた保護活動の様子を伺いました。
 翌日も天気に恵まれ、朝食前にカモメラン、アオチドリ、キバナウツギ、キバナノアツモリソウ、などを観察しながらの散策でした。カモメランの群生地にも鉄柵が張り巡らされていました。朝食のオオバギボウシ(山菜名はウルイ)の和え物がとてもおいしかったです。
 その後、寿駅に向かう鉄塔の巡視路のコースで下山しました。下見では咲いていなかったクサタチバナ、フタリシズカが咲いていました。サンショウバラは鉄塔の下には、見えましたが、下見で咲いていた6株は全て花が落ちていました。





 私は今回初めて参加して、登山で来ただけでは見ることができないアツモリソウを見せていただき、ほんのり甘い香りまで嗅ぐことができました。移植したら3年後には半分ぐらいの大きさになってしまうが、植物にはストレスに対する耐性もあり、その遺伝子を引き継ぐ話に植物の神秘性を改めて感じました。森林限界までの緑と溶岩の赤紫の2色使いの富士山を見ることができてとても感動したという参加者の感想もあります。テンニンソウは広範囲に生えています。多くの人の手が必要だと思います。今後も保護活動が継続していくことを心から願う気持ちになりました。



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