2017年高尾山シモバシラ観察会         自然保護委員会



日時  2017年1月6日(金)
行程  高尾山口駅9:30→高尾病院9:10→かしき谷園地11:45/12:15→もみじ台12:50/13:00
       →高尾山山頂13:10/13:20→薬王院14:00/14:05→高尾山ケーブル清滝駅前15:35
参加者 一般 24名
       スタッフ 小河今朝美、河野悠二、佐々木芳行、高砂寿一、西谷隆亘、
       西谷可江、濱野弘基、廣田博、茂手木協子、北原周子 10名
記録 文/北原周子  写真/高砂寿一


 冬晴れが続く年始めの一日、恒例となった「高尾山シモバシラ観察会」が行われた。今回はこれまでで最多の83名の一般応募があり、抽選で選ばれた参加者とスタッフ合計34名が3班体制で行った。冬休み中とあって親子連れの姿もあった。10日前の下見では、残念ながら空振りのシモバシラだったが、今朝は冷え込みが強く、風も無い好条件が揃った。




 高尾病院奥の駐車スペースまで来ると、昨日の強風でタンポポの親玉のようなものが吹き溜まっている。一つは綿毛の先に細長い種のついたテイカカズラ、一回り大きく豪華な綿毛の先に平べったい種がついたのがキジョランである。どちらも常緑つる性の植物で他の植物を利用して這い上がる一方、他の植生を直射日光や風邪からまもり共生している。
修験者が歩いた急な行者道を登っていくと常緑広葉樹の自然林である。尾根道には日光を求め上へと伸びていくモミが多い。モミに似たカヤやイヌガヤもあり、葉先の形や樹皮の違いなど実際に手で触れて観察する。
キジョランはアサギマダラの幼虫の食草だが、詳しい参加者がいて幸運にも卵からかえった幼虫を見つけた班もあった。次にキジョランが茂った場所でなかなか見つからない実を発見し、ちょうど割れ目から鬼女が髪を振り乱したように綿毛が飛び出しているのを観察することができた。他には、春には葉や花となる冬芽をつけた木々、シロダモの葉に虫こぶをつくって冬ごもりする昆虫などの冬のくらしを興味深く観察した。こんなにゆっくり山を歩いたのは初めてと参加者は楽しんでくれているようだ。




 いよいよシモバシラの第1観察ポイントにさしかかる。期待どおり、小さな氷の花が様々なリボンのような造形を見せてくれた。念願が叶い、参加者はみな感激している。次のもみじ台下の第2観察ポイントに着くと、同じようにたくさんのシモバシラの氷の花が咲いていた。大きなものはないが、3年ぶりに記録写真を更新できそうだ。
みな満足して高尾山山頂に登ると、これもまた素晴らしい眺望が待っていた。富士山から南アルプス、江ノ島までを見渡し、冬の一日を満喫して下山した。