東京都レンジャーとの協働活動/雲取山登山道整備(石積み)報告


  日時  2016年6月2日(木)〜3日(金)
  参加者 東京都レンジャー等8名、サポートレンジャー7名
        東京多摩支部会員3名(水谷弘治、東 敦子、北原周子)
  報告  自然保護委員 北原周子

 10年ほど前から東京都レンジャー、サポートレンジャーによって毎年続けられている作業だが、東京多摩支部会員の参加は今年で4回目になる。前日入山したレンジャーによると、到着した時すでにきれいに石積みされた箇所があり、作業中も「テレビで見ましたよ。」と登山者から声をかけられたそうだ。
昨年のNHKテレビ日本百名山「雲取山」で石積みが紹介された。以前新聞記事で取り上げられたこともある。
一日目は、登山道の様子を確認しながら鴨沢から登り雲取山荘に一泊。
二日目の朝、長沢背稜へ調査活動に向かうレンジャーたちと別れ、メンバーは山頂へ出発する。前日の強風で、この時期めったにない360度の展望を楽しんだ後、避難小屋へ移動し、今日の作業についてレンジャーからの指示を受ける。
 まず、避難小屋横の崩れやすい三角地帯と西側斜面に登山者が立ち入らないように、昨年までの石積みが崩れた部分にあたりの浮き石を積んでいく。次に避難小屋直下の登山道を一本化するよう石積みを補強する。
小休後、小雲取直下の急な登山道の整備にとりかかる。すれ違い時に支障がないように無理な一本化はせず複線部分をもうけ、石があまりないのでカラマツ等の枯れ枝を利用して登山道以外に登山者やランナーが行かないよう脇の踏み跡をふさぐ。登山者の良心で、自然と登山道へ足が向くようにするのがコツだ。
石積みについて「せっかくやってもどうせ崩れてしまうのできりがないのではないか」という疑問の声を耳にすることがある。10年ぐらい前まで、避難小屋までは今よりなだらかな登山道が続きヤナギランの花も咲いていた。登山者らによって縦横無尽に歩かれたため植生は失われ、表土が流失し地形まで急傾斜に変わってしまった。この対策として考え出されたのが石積みである。杭やロープを使わずに、できるだけその場にある自然の石や枯れ枝を利用して登山道を整備する。この地道な作業の積み重ねにより、確実に植生は回復してきている。


平成28年度(今年度)の様子



 地味な作業だが普通の山登りとは違った達成感がある。今後も都レンジャー、サポレンと活動を続けていきたいと思っている。お世話になっている奥多摩の雲取山登山道整備に是非参加してみてはどうだろうか。