2015年三ツ峠・アツモリソウ保護活動保護活動 ・・・・・・ 自然保護委員会


 日程: 2015年6月24日(水)〜25日(木)
 行先: 三ツ峠周辺〈三ツ峠山荘宿泊〉
 コース: 6月24日
        八王子駅南口グループ=8:00、武蔵小金井駅南口グループ=7:30
        談合坂9:10~三ツ峠登山口9:55〜三ツ峠山荘(昼食)11:40〜中村氏説明12:00〜保護活動
        13:40〜15:50入浴17:10〜夕食18:00〜中村氏講義〈高山植物その他〉19:10〜山荘宿泊
        6月25日
        三ツ峠山頂まで散策5:50~7:00 朝食7:30〜三ツ峠山荘出発8:30〜三ツ峠登山口9:20〜
        富士山五合目「奥庭自然公園」(昼食)11:10〜12:00〜山梨県富士山科学研究所13:00〜
        13:30〜冨士浅間神社参拝13:50〜14:50冨士浅間神社で車ごとに解散
 参加者
  河野悠二、岡 義雄、岡田陽子、笠原 功、佐々木芳行、中村正之、遠藤興志郎、雨倉恵美子 8名



中村さんの話
三ツ峠山周辺は高山植物の宝庫でしたが、盗掘の影響や自然環境の変化により生態系が変わってきました。三ツ峠山荘の中村光吉さんは長い間保護活動をされており、苦労話を含め貴重なお話を伺いました。 「アツモリソウにはマルハナバチが交配している。もし、マルハナバチが交配しなくなったら、アツモリソウが別のことを考える。生きていくために…。地球は宇宙のなかでも特殊な星で、人間は生かされている。人間にはこの地球を守る責任がある。ここは重要なことである。いまこの世にある植物をまず、残すことが大切である。植物にはアレロパシーという他の植物を排除しようとする力をもつものがある。植物は毎年、毎年生き方を変えている。その年が暑かったとか、雪が多かったとかで生き方を変えている。植物が変われば、虫も鳥も変化するはず。ランの定義は虫媒花であること、左右対称であること、菌に依存すること。ランの種は小さく、遠くまで飛び、岩でもどこでも着生する性質。野生のものは野で育つ、その場所を変えることはしない方がいい。」

保護活動
東京多摩支部、自然保護委員会として今年で5年目となり、アツモリソウを守るために、テンニンソウの除去作業をおこなった。手鎌をお借りして同じ場所のテンニンソウ、ササ等を刈った。来年も行なうと回答する。

保護活動

保護活動



観察会
アツモリソウはピンク色の花の袋状のところを、平敦盛が背負った母衣〈ほろ〉に見立ててつけられた。花は斜面に下に向かって咲く。谷などから上がってくる昆虫にいち早く見つけてもらうために、敢えてそのように咲くわけで、マルハナバチがアツモリソウに誘われて行き、花粉塊がつくことにより受粉が成立する。蜜線や匂いで誘い、効率よく受粉できるよう永い時間をかけて変化してきたのであろう。


中村さんの興味深いお話しを聞く

散策
7月25日(木)は早朝から快晴で皆早く起き、6時に予定した朝食前の山頂への散策時間を早めた。富士山がくっきりと見え、また遠く南アルプスの峰々や周囲の山々も良く見えた。なんと皆さん普段の行ないがいいこと。こんなすばらしいことはめったにない。幸せであった。三ツ峠山頂近くにはカモメランを沢山見つけた。なんともかわいい花である。


カモメラン

三ツ峠山荘からの富士山



見られた三ツ峠の植物
アツモリソウ、エゾタチツボスミレ、オオバギボウシ、オオバユキザサ、カモメラン、カラマツソウ、キバナウツギ、キバナアツモリソウ、クサタチバナ、クルマバツクバネソウ、グンナイキンポウゲ、コゴメウツギ、サラサドウダン、サンショウバラ、シロバナヘビイチゴ、ツチグリ、ハナイカダ、ヒオウギアヤメ、マイズルソウ、マタタビ、ミヤマカラマツ、ヤグルマソウ、ヤマオダマキ、ヤマツツジ、ルイヨウボタン
(文:笠原 功  写真:佐々木芳行)



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