東京都レンジャーとの協働活動/雲取山石積み登山道整備作業



日時  2015年5月20日(水)〜21日(木)
行程  5月20日(水) 曇り
       奥多摩駅8:42(バス乗車)〜9:16鴨沢9:30〜10:00小袖乗越10:15〜12:05堂所12:45〜
       14:25ブナ坂14:35〜15:10奥多摩小屋15:35〜16:05小雲取山16:15〜17:35雲取山荘
       5月22日(木) 晴れ
       雲取山荘6:20〜6:55雲取山7:00〜10:25奥多摩小屋10:55〜11:20ブナ坂12:00〜
       14:30小袖乗越14:45〜15:10鴨沢バス停
参加者 23名
        石井秀典、北原周子、中村哲也、中村正之、水谷弘治、河野悠二 6名/都レンジャー5名、
        環境省2名、奥多摩ビジターセンター1名、サポート・レンジャー7名


 この石積み登山道整備作業は、登山道が雨などで歩きにくくなった時に、脇道に入り複線化され植生を踏み荒らすことを防止するためである。一般的には、杭とロープで保護する方法であるが、この雲取山では付近の石で登山道をソフトに誘導する方法を取っており、より自然に近いユニークな方法である。今回で3回目の都レンジャーとの協働作業である。年々支部の参加者が減ってくるのが気掛かりである。自然保護活動の基本は継続することが大事である。しかし、今回は新人2人が参加していただいたのが今後の楽しみでもある。
都レンジャー3名は先行して車で小袖乗越まで上がりブナ坂上で作業状況の取材を受けるそうだ。天気は曇空で山には雲が低く垂れこめている。本隊は奥多摩駅に集合しバスで鴨沢バス停に移動。自己紹介と今回の作業概要および行程の説明があった。今日の天候に合わせ今日は石積み作業を行わず、登山道の状況を把握し、明日の作業に備える。小袖集落から直接登ってきた中年の女性一人が下り始めた。都レンジャーが早速どちらへ行くかを聞いている。これも都レンジャーの仕事である。雲取山に行くようである。地図で示し丁寧にルートを教えていた。このように訳の分からない登山者が増えるのも困ったことである。新緑を眺めながら、ゆっくりと登って行き、堂所で昼食をとる。ブナ坂まで来ると既に取材は終わったようであるが、ブナ坂上の登山道脇に整然と石積みがされており、取材の跡がうかがえる。奥多摩小屋で一休みし、小雲取山までの急登の登山道を入念にチェックし、明日の作業の段取りを話す。今日は雲取山頂を踏まず、巻道を利用し雲取山荘に入る。途中の巻道では以外に植生が豊かであり、バイカオウレンの白い花に出会えるのを楽しみにしているのだが、今年はやはり遅いようで可憐な白い花は少なかった。小屋では、サポレン7名と一緒の大部屋に入る。夕食は定番のハンバーグを食べる。夕食後は、一部屋に集まり少量の持込みアルコールで懇親をした。夜中に雷雨があった。




 朝早く目を覚ますと、天気は良好であった。正に作業日和の天気である。朝食を済ませ小屋を出発。都レンジャー2名は長沢背稜に巡視で出発。雲取山頂上までの登山道は、都レンジャー2名が杭の打ち直しやロープの張り直しなどをしながら登る。頂上での展望も良く富士山、奥秩父、奥多摩、道志の山々が眺められる。避難小屋下の登山道から作業を開始する。避難小屋下の急斜面の登山道を上からと下からの2手に分かれ、都レンジャーの指示のもとに作業する。要所には「植生再生中」の看板を立てた。登山道は、無理矢理一本化にするのではなく、登山者の上り下りのすれ違いなども考慮し、石積みを実施した。登山道の複線化も大分解消されつつあり成果が見えるようになった。一時間程の作業で移動し、小雲取山下の急な斜面を先程と同様に2班に分かれ作業する。皆要領よく石積み作業や倒木や木の枝を利用し、複線化した登山道を整備していく。主要部分の整備を終え、後は所々水溜りの水抜きなどをしながら下る。奥多摩小屋でコーヒーなどを御馳走になる。ブナ坂で作業終了後の昼食をとる。後は、作業終了の心地良い達成感をかかえながら、ゆっくり下り、小袖乗越で長沢背稜組出迎えの車分乗組とバス組に分かれ下山した。
今回は支部会員参加者6名と少なかったが、今後もこの作業を継続し、植物再生の成果を見届けるまで活動していきたい。そのためにも支部会員の多くの参加を切に願うものである。
(文・写真/河野悠二)