自然保護講演会「高尾の森に棲息する動物達」     自然保護委員会



■日時及び会場
  12月1日(月)18時30分〜20時20分、立川市女性総合センター5階第3学習室
■講師
  高尾の森づくりの会 山崎 勇 氏
■参加者
石井秀典、大島洋子、岡義雄、河西瑛一郎、笠原功、笠松幸衛、北原周子、城所邦夫、佐々木芳行、澤登均、高橋恵子、竹中彰、仲洋二、仲谷朋尚、長門彰、西村智磨子、西谷可江、西谷隆亘、濱野弘基、松川信子、松川征夫、茂出木協子、八木五郎、河野悠二、24名、 高尾の森づくりの会:会田博、小南全功、(金子春枝)、横川信由、JAC:矢口重治、計29名

自然保護講演会の開催には、いつも頭を悩ませることがある。一つは演題と講師である。今回は委員会内の高尾の森づくりの会員からの提案で講演内容と講師が決まった。二つは募集対象の範囲である。今回は支部員、高尾の森づくりの会員とし、それぞれのホームページや会報誌に案内をしていただいた。申込み方式はとらず、会場先着順50名とし、会場収容最大人数80名分の配布資料と整理券を準備した。
参加者は予想外に少なく整理券を使用することもなく30名弱で、講師プロフィールの紹介後に「高尾の森づくりの会」の概要説明で開始された。活動フィ−ルドは、小下沢川上流部を占める小下沢国有林のうち右岸部分で、南は景信山、堂所山に北は小下沢川、関場峠に接した178Haの区域である。会の活動拠点ベ−ス小屋は小下沢とザリクボ沢合流点にあり、2000年から荒れたスギ・ヒノキの人工林を切り開き落葉広葉樹を植樹し多様で豊かな針広混交林の森づくりを目指してスタートし、今までに、落葉広葉樹を約2万本(15Ha)植樹してきた。植樹当初から、植樹苗の保育・成長調査をしてきたが、このフィ−ルドにどのような哺乳類が生息しているのか、4年前に1台の調査カメラの設置から開始し、現在8台の動物観察カメラを設置し哺乳類を主体に生態調査をしている。カメラの設置場所は森の形態を、スギ・ヒノキの人工林/人手の入らない自然林/高尾の森で植樹した広葉樹植樹地と3形態に分類し、カメラをを各々の森林形態に2台ずつ設置し、また、アナグマの穴を色々な動物達が利用していることが映像から分かりこの場所にも2台設置し観察している。
このカメラで撮影された哺乳動物は、15種でアナグマ、アライグマ、イノシシ、ウサギ、キツネ、サル、シカ、タヌキ、テン、ネズミ、ハクビシン、リス、カモシカ、コウモリ、野ネコであるが、今回はアライグマ、アナグマ、イノシシなど9種の映像を交えて講演された。高尾の森以外で撮影されたツキノワグマの樹木の皮剥ぎの様子は迫力があった。他に、親子で撮影されたイノシシは微笑ましくもあって、会場が癒された感があった。また、シカの最初の撮影は2013年4月であったことから、植樹した苗木への食害が心配されるが、今現在そのような兆候は出ていないようである。撮影された動物の動画を観賞していると、時間が過ぎるのはあっという間であった。 参加者から色々質問があったが、今後の課題としてはこれらの映像の活用をどうするかであろう。閉演後は、講師を囲んで楽しい懇親会が催された。
(文/河野悠二、写真/澤登均)