東京都レンジャーとの協働活動/雲取山石積み登山道整備作業



日時  2014年5月21日(水)〜22日(木)
行程  5月21日(水) 雨
       奥多摩駅8:42(バス乗車)〜9:16鴨沢9:35〜10:05小袖乗越10:15〜12:10堂所12:35〜
       14:10ブナ坂14:25〜15:00奥多摩小屋15:05〜15:35小雲取山15:50〜16:35雲取山荘
       5月22日(木) 晴れ
       雲取山荘6:10〜6:40雲取山6:45〜10:20奥多摩小屋10:35〜11:25ブナ坂12:00〜
       13:20堂所13:40〜15:00小袖乗越15:20〜15:40鴨沢バス停16:06〜16:40奥多摩駅
参加者 23名
        飯島文夫、岡義雄、北原周子、小松原勝久、水谷弘治、河野悠二 6名/都レンジャー5名、
        環境省アクティブレンジャー1名、サポート・レンジャー4名(石井秀典、玉田眞一を含む)
       

 この石積み登山道整備作業は、登山道が雨などで歩きにくくなった時に、脇道に入り複線化され植生を踏み荒らすことを防止するためである。一般的には、杭とロープで保護する方法であるが、この雲取山では付近の石で登山道をソフトに誘導する方法を取っており、より自然に近いユニークな方法である。昨年に続き2回目の都レンジャーとの協働作業である。前回の12名に比べ今回の参加者は6名となった。
都レンジャー3名は前日に赤指尾根から入山した。天気予報通り、今にも雨が降りそうな空模様である。本隊は奥多摩駅に集合しバスで鴨沢バス停に移動。自己紹介と今回の作業概要および行程の説明があった。今日の天候に合わせ今日は石積み作業を行わず、登山道の状況を把握し、明日の作業に備える。歩き始めて間もなくして小雨が落ちてきた。

バイカオウレン

雨の中、残雪の道を行く

 新緑を眺めながら、ゆっくりと登って行く。雨具を付けるとやはり暑い。堂所で昼食をとる。2月の大雪で七ツ石山の巻道の崩落した橋は、くの字型の立派な橋に架け変えられていた。タチツボスミレやワチガイソウなどの花を撮りながらブナ坂まで登る。ここからが登山道整備の対象となる。先行隊が一部石積みを作業したようである。奥多摩小屋で一休みし、小雲取山までの急登の登山道を入念にチェックし、明日の作業の段取りを話す。今日は雲取山頂を踏まず、巻道を利用し雲取山荘に入る。途中の巻道では残雪を2回程踏む。沢筋には残雪も見られ大雪の名残を感じさせる。また、今年もバイカオウレンの白い花に出会えた。小屋では、雨で濡れた雨具などを乾燥小屋に入れ、入室する。夕食は定番のハンバーグを食べる。夕食後は、一部屋に集まり小屋からのビールの差し入れと少量の持込みアルコールで懇親をした。

すぐに作業に入る

翌朝、山頂からの富士山

 朝早く目を覚ますと、天気は良好であり、日の出も拝めた。正に作業日和の天気である。朝食を済ませ小屋を出発。都レンジャー2名は長沢背稜に巡視で出発。雲取山頂上までの登山道は、都レンジャー2名が杭の打ち直しやロープの張り直しなどをしながら登る。頂上での展望も良く富士山、奥秩父、奥多摩、道志の山々が眺められる。避難小屋に集結し小屋の中のゴミなどを回収し、いよいよ作業を開始する。

植生修復中の看板を建てる

山頂避難小屋下の道を整備

 避難小屋下の急斜面の登山道を上からと下からの2手に分かれ、都レンジャーの指示のもとに作業する。要所には「植生再生中」の看板を立てた。登山道は、無理矢理一本化にするのではなく、登山者の上り下りのすれ違いなども考慮し、石積みを実施した。一時間程の作業で移動し、小雲取山下の急な斜面を先程と同様に2班に分かれ作業する。皆要領よく石積み作業や倒木や木の枝を利用し、複線化した登山道を整備していく。主要部分の整備を終え、後は所々の石積みをしながら下る。ブナ坂で作業終了後の昼食をとる。

小雲取山の石積みも完了

小屋下から下へ下へと作業が続く

 後は、作業終了の心地良い達成感をかかえながら、ゆっくり下り、小袖乗越で長沢背稜組2名と合流し、車分乗組とバス組に分かれ下山した。 今回は支部会員参加者6名と少なかったが、今後もこの作業を継続し、植物再生の成果を見届けるまで活動していきたい。そのためにも支部会員の多くの参加を切に願うものである。(文/河野悠二 写真/飯島文夫)