自然保護全国集会に参加して ・・・・・・ 自然保護委員会


 日程:平成25年7月6〜7日(土・日)
 参加者:河野悠二、北原周子、岡義雄、西谷可江、北口マリ子、渡邊正子 6名

 日本山岳会自然保護委員会と富山支部との共催で、富山市にて開催された2013年度自然保護全国集会に参加した。参加者は各支部から100名を超える参加であった。東京多摩支部からは6名参加された。
 今回のテーマは、「立山・弥陀ヶ原の自然に学ぶ」で、昨年6月に剱岳の三ノ窓雪渓、小窓雪渓、立山の御前沢雪渓が、日本初の現存する「氷河」であることが日本雪氷学会で学術的に認められ、また、昨年7月には立山の弥陀ヶ原・大日平がラムサール条約に登録されたなど、ホットなニュースに関心が集まった。
 会場の立山国際ホテルに全国から参加者が集合し、集会開催前に15支部自然保護委員会の活動報告があった。各支部4分の持ち時間で、報告内容は、「木の目草の芽」(No.104号)に記載されたものが当日配布された。東京多摩支部は、2番目の発表で、都レンジャーとの協働作業・雲取山石積み登山道整備を重点に説明し、柵やロープによる植生保護ではなく、自然にやさしいユニークな植生保護の紹介をピーアールした。
 集会開催は、来賓挨拶後に基調講演があり、「立山連峰の積雪と氷河」講師、飯田肇(日本山岳会富山支部、立山カルデラ砂防博物館)、「弥陀ヶ原自然と歴史の今昔」講師、佐藤武彦(日本山岳会富山支部、環境省自然公園指導員)を専門家として映像をを交えながらの貴重な講演を拝聴した。その後休息をはさみ、グループ討議で4テーマ@湿原の自然と保護Aライチョウの生態と保護B信仰登山についてC持続可能な自然環境の管理について、に分かれて討議した。このごループ討議は、結論を導くものではなく、参加者の経験や知識を吸収し今後の自然保護活動に役立てようとの趣旨で、討議後は各グループのリーダーが討議内容を報告し、一日目を終了し、夕食・懇親会へと進行した。




 二日目は、フィールドスタディーで@弥陀ヶ原散策A室堂平散策B立山カルデラ砂防博物館と立山博物館見学の3コースに分かれ散策した。やはり一番の人気は弥陀ヶ原散策であったが、朝からの雨で取り止めて早く帰る参加者もいた。雨の中をバス、ケーブル、バスを乗り継ぎ弥陀ヶ原に向かう。講師の佐藤さんによるバス内の生ガイドは非常に楽しいガイドであった。また、雨が幸いして称名滝では、水量の多い時にしか見られない落差500mのハンノキ滝も見られた。小雨とガスの中、追分で下車し、50名弱の参加者が4班に分かれ、ラムサール条約登録湿地地域の境界木道を一ノ谷分岐から弥陀ヶ原ホテルまで散策し、「餓鬼の田」やワタスゲ、イワカガミなどの花を班リーダーの説明を聞きながら観賞した。弥陀ヶ原バス停からカルデラ展望台へ残雪の道を行きガスの空けるのを待ち、一部新湯の煙を眺めバス停に戻り昼食とし、三々五々室堂に行く者と立山に下山する者に分かれて散会した。生憎の天気ではあったが、通常素通りしてしまう弥陀ヶ原を2時間程散策できたのは貴重な体験であった。
(文・写真:河野悠二)

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