2013年アツモリソウ保護活動体験山行 ・・・・・・ 自然保護委員会


三つ峠

日程: 2013年6月21日(金)〜22日(土)
行先: 三ツ峠
コース: 6月21日
       三ツ峠登山口P〜三ツ峠山荘〜下草刈り作業地〜三ツ峠山荘泊
       6月22日
       三ツ峠山頂、付近を散策〜三ツ峠登山口P〜富士山レーダードーム館、
       富士吉田市歴史民俗博物館見学〜北口本宮浅間神社〜解散
参加者:飯島文男 岡義雄 岡田陽子 北口マリ子 北原周子 河野悠二 澤登均 竹中彰
       西谷隆亘 西谷可江 茂出木協子 八木五郎 松川信子 以上13名

 今回で3回目となるアツモリソウ保護の為の下草刈り作業。参加者は車3台に分乗し現地へ向かう。三ツ峠登山口林道駐車場からゆっくりと周囲の景色を楽しみながら登り、昼ごろ三ツ峠山荘に到着。富士山の大きく見えるテラスで昼食をすませ、1時過ぎに山荘の中村光吉さんからアツモリソウの生態やその環境、そして現状などの説明を受けて作業地に向かう。
鍵をかけた鉄柵の中、アツモリソウは気品ある薄紅色の花を咲かせている。鹿もこの花を食べる事が確認され3年前に鉄柵が設けられた。この鉄柵のお陰で盗掘から少しは護られたものの自生地の環境変化も侮れず、食害にあったオオバギボウシが減って笹やテンニンソウが繁茂する。盗掘、環境変化、食害などで10分の1に減ってしまったアツモリソウは人の手で回復の手助けをしなければ絶滅してしまうのかもしれない。




 今回私達はこの繁りすぎたテンニンソウの除去作業をする。根茎は縦横に広がり他の植物の成長を阻害するアレロパシーを出すというテンニンソウ、他の植物に気をつけながらの除草作業であった。帰り道すがらこの時期にみられる高山植物の話など伺いながら山荘にもどる。




 新しくなった風呂で汗を流し夕食となり、参加した他のグループの方を含む20名が互いに酒を酌み交わし、中村さんはアツモリソウへの熱い想いを語ってくださった。 アツモリソウの繁殖の仕組み、胚乳を持たぬ為に地中のラン菌であるツラスネラ菌(北大 谷亀隆弘先生の研究による)のある土壌でしか発芽できない。また虫との駆け引きなど面白く興味はつきない。
「岳人」2013夏山号に中村光吉さんの30年にわたるアツモリソウ保護活動のくわしい特集が掲載されている。
現在三ツ峠ネットワークというボランティアを立ち上げ、活動の輪が広がっているそうだが、失った自然を回復させるには気の遠くなる努力と年月がかかり、まだまだ多くの支援を必要としているそうで、私達もこの活動の行く末をしっかりと見守っていきたいと思います。




 翌日はそれぞれに山頂付近を散策し、朝食後早めに下山、道の駅富士吉田の富士山レーダードーム館、歴史民俗博物館を見学後、北口本宮浅間神社に寄り、参拝後解散した。

□みられた花々
エゾノタチツボスミレ、オオバユキザサ、カラマツソウ、キバナノコマノツメ、クサタチバナ、グンナイキンポウゲ、グンナイフウロ、ハコネシロカネソウ、ヒオウギアヤメ、ヤグルマソウ、オオバツクバネウツギ、ガマズミ、コゴメウツギ、サラサドウダン、マタタビ、ヤブウツギ、ヤマツツジ、アツモリソウ、キバナノアツモリソウ、ササバギンラン、オノエラン、カモメラン、ヒメムヨウランなど

□野鳥の囀り
アカハラ、ウグイス、カケス、コガラ、コゲラ、コルリ、センダイムシクイ、ツツドリ、ヒガラ、ホウジロ、ホトトギス、ミソサザイ、ヤマガラなど
(文:松川信子、写真:飯島文夫)



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