東京都レンジャーとの協働活動体験/雲取山石積み登山道整備作業に参加



日時  2013年5月15日(水)〜16日(木)
行程  5月15日(水)
       奥多摩駅8:42(バス乗車)〜9:16鴨沢9:40〜小袖乗越10:15〜12:00堂所12:30〜
       13:55ブナ坂14:10〜15:10奥多摩小屋15:20〜15:50小雲取山16:00〜16:45雲取山荘
       5月16日(木)
       雲取山荘6:20〜6:55雲取山7:10〜10:30奥多摩小屋10:40〜11:15ブナ坂11:45〜
       14:40小袖乗越14:55〜15:20鴨沢バス停16:06〜16:39奥多摩駅
参加者 23名
        飯島文夫、岡義雄、小口治、北原周子、河野悠二、西村智磨子、西谷隆亘、西谷可江、
        松川征夫、宮崎紘一、小野勝昭、加藤信夫 12名/都レンジャー4名、
        奥多摩自然公園管理センター都職員1名、サポート・レンジャー4名(石井秀典を含む)
        読売新聞:宮沢輝夫、粂文野 2名
       

 石積み作業については、昨年5月の第10回分境嶺踏査(雲取山〜長沢背稜〜天目山)の際に、この石積み作業を目撃し、支部としてお手伝いできないかと検討していた。都レンジャーとの係わりは、石井元奥多摩サポレン会長に仲介役をお願いし都環境事務所に支部長と一緒にご挨拶し、今後の都レンジャーとの協働作業の申し入れをし快諾をいただいた。昨年11月には、川苔山ゴミ清掃の体験を通じて都レンジャー、サポレンとの顔合わせを済ませ、雪解け後の石積みに備えた。
石積み作業の日程は、都レンジャーの日程に合わせ、約1ヶ月前に決定し、急遽ボランティアを30名募集した。ポスターも作成し、高尾の森づくりの会集会にも働きかけをした。最終的に日帰り組2名を含め支部会員12名(高尾の森づくりの会3名含む)、都レンジャー4名、奥多摩自然公園管理センター1名、サポレン4名、読売新聞2名の総勢23名となった。

雲取山荘前にて

七ツ石山周辺

 都レンジャー3名は前日より山に入り七ツ石山周辺の石積みを実施した。本隊は、奥多摩駅に集合しバスで鴨沢バス停に移動。参加者のそれぞれの自己紹介と今回の作業概要および行程の説明があった。ブナ坂までは石積みなどはなく、淡々と山道を登る。ブナ坂で日帰り組2名と先発の都レンジャー3名合流し七ツ石山方面の石積み作業を実施。本隊は、ブナ坂上の登山道を都レンジャー、サポレンの指示に従い石積み作業をしながら登る。途中、登山者の一人から登山道破壊ではないかの指摘を受ける。自然保護活動については、色々な考え方があり、正解を出すまでには、試行錯誤が必要のように思われた。奥多摩小屋より上の登山道は、明日の作業とし、現場の状況把握をしながら登り、今日は雲取山頂上を踏まず、巻き道を利用し雲取山荘に入る。

雲取山頂直下

翌朝の作業

 小屋では、東京都と埼玉県の都県境石柱が宿泊部屋の押入れ床下にあるとの情報で、小屋の主人の案内で見せていただく貴重な体験もした。夕食後は、消灯9時まで石積み談義をした。一般的な植生保護は、ロープと柵の人工物で強制的と思えるように実施されているが、この石積みは人工物を排除したやり方で非常にユニークであり、人の良心をくすぐるやり方ではないだろうか。色々と議論はあるが、都レンジャーは8年程前から実施しており、一部植生が戻ってきているという。

段々下へ

石垣積みと同じ要領かな

 16日は、夜明けと共に起き、朝食後6時20分に小屋を出発し、雲取山頂上に向かう。頂上の三角点について宮崎さんから説明を受けた。大変貴重なお話であった。今日が本番の石積み作業である。避難小屋下の登山道を2班に分かれ石積みを開始する。どの登山道をメインルートにするか、都レンジャーの状況判断により石積みを行う。複線化した登山道を一本化するのは、登り下りする登山者との心理合戦である。避難小屋に突き上げる登山道を下から見上げると、ちょっとした石垣に囲まれた登山道である。目に見える形に達成感が湧いてくる。この調子で奥多摩小屋までの登山道の石積み作業を実施した。

大勢だと手間がはかどる

奥多摩避難小屋下

 ブナ坂までは、石積みの補修をしながら下る。ボランティア参加された皆さんは、作業後の心地良い充実感を噛みしめながら下山した。都レンジャーの方から、このような大人数で作業をしたのは初めてであり、多大な作業成果を上げることができたと感謝の言葉をかけられた。石積みは雪解け後のこの時期が一番良いようで来年は更に多くの参加者が集うことを期待したい。また、植生の再生が見届けられるまでは継続したいと思う。そのためにも支部会員皆様のご協力を切に願うものである。7月上旬に自然保護全国集会が開催されるが、その集会で今回の体験を強く訴えてきたい。また、同行取材された新聞記者には、紙面でのピーアールをお願いしたい。

大きな丸太も材料にして

徐々に整備される

(文/河野悠二 写真/飯島文夫)

平成25年5月5月31日 読売新聞多摩版