六万騎山カタクリ観察会



日時  2013年4月21日(日) マイクロバス使用
行程  立川発6:30〜六万騎山登山口着10:03〜六万騎山着11:00〜ふれあい交流センター
       見晴らしの湯「こまみ」研修室で食事〜小出の虫野地区ザゼンソウ、ミズバショウ自生地
       〜立川着18:01
参加者 25名
        東京多摩支部/竹中彰、飯島文夫、岡義雄、小野勝昭、小野正男、川村光子、北原周子、
        河野悠二、富澤克禮、西谷隆亘、西谷可江、原山恵津子、東敦子、廣田博、古市進、
        松川信子、茂出木協子、八木五郎、岡田陽子。越後支部/櫻井昭吉、吉田理一、
        桐生恒冶、目崎貞良、和田守、根津洋子、高橋初代
        計25名(東京多摩支部19名、越後支部6名)
       

 南魚沼市にある標高321mの六万騎山((ろくまんぎやま)は、山全体がカタクリの群生地。魚野川の舟運を監視する好立地にあったので山城が建ち、今も自然がそのまま残されている。越後支部の櫻井さんに案内をお願いして、春に咲く山の妖精たちに会いに出かけた。
 当日は日本全国が寒の戻りとなり、春爛漫の越後の春を楽しむはずが、4月下旬としては40数年ぶりというまさかの降雪。小雨模様の中をマイクロバスの一行19名が登山口に着くと、櫻井さん、吉田さん、桐生事務局長さん、目崎さん、和田さん、根津さん、高橋さんが傘をさして出迎えてくださった。挨拶を終え、総勢25名が櫻井さんを先頭に地蔵堂の登り口から登りはじめる。斜面に咲く可憐なカタクリにさっそく歓声があがる。櫻井さんが「小さな種をアリが運んでくれることによって数が増えていく…」と詳しく説明。階段状の登山道を登って行くとミチノクエンゴサクや日本海側特有のコシノコバイモも見られ、関東にはないユリ科のコシノコバイモ(越の小貝母)は珍しいので、カメラに収めようとなかなか列が先に進まない。愛宕大権現の祠を通過。普段は「紫色の絨毯を敷いたようだ」とのことだが、今日は雪に被われてちょこんと頭だけ出したカタクリの大群落がなんとも愛らしい。可憐に咲き誇る春の妖精、スプリングエフェメラルたちも春の雪にはさぞかし驚いたであろう。11:00過ぎに山頂着。四等三角点と六万騎城跡の石碑がある。オクチョウジザクラ、オオヤマザクラが雪の重みで垂れ下がり手に取るほどの距離。オクチョウジザクラの名は花の下が長く丁の字に見えるからで、枝や幹が豪雪地帯に適応してよくしなるとか。晴れていれば山頂から上越国境の山々や魚沼盆地が眺められ、北に守門岳、南には巻機山、遠く苗場山などが望まれるそうだが少し残念であった。

珍しい緑色のカタクリ

雪の中から頭を出すカタクリ

 集合写真を撮って下山開始。登山道にササがあり、「越後名物の笹だんごやチマキに使うクマザサの裏側には毛があり、防腐作用がある。昔の人の知恵ですね」。ミズナラの前では、「ミズナラとコナラの見分け方はコナラの葉は枝につく葉柄が長くはっきりしているが、ミズナラでは短い」、そして「今年はめずらしくユキツバキが咲かない年のようだ」などと、いろいろと教えていただいた。マンサク、イワカガミ、ショウジョウバカマ、赤花イカリソウなども見られ、1時間ほどで一周する小ハイキングコース。申塔口の手前では、珍しい緑色のカタクリを見ることができた。昼食を予定していた坂戸山は無理ということで取りやめ、手配していただいた交流センターの研修室で昼食をいただいた。おいしい手作リの蕗味噌や、ミズのおひたしなどをふるまっていただき、越後の山について質問する会員もいて会話が弾む。午後は小出の虫野地区のザゼンソウ、ミズバショウ自生地に案内していただく。ここはザゼンソウの群生では日本有数とのことでショウジョウバカマもたくさん咲いていた。長靴姿で案内していただいた櫻井さんは79歳とのこと。その健脚ぶりにさすがと感心させられた。「二度と撮れないような景色に遭遇したと思えば貴重な山行だったのでは」と吉田さん。お二人とも2、3度、下見をしてくださり、的確なアドバイスをいただき有難かった。お忙しい中を同行してくださった越後支部の方々にお礼を申し上げたい。南魚沼の自然にあふれる春独特の優しく柔らかい空気を満喫して帰途についた。車中でいただいた差し入れの「越乃寒梅」がことのほか美味であった。(文/岡田陽子、写真/廣田 博)