第2回御岳山レンゲショウマ観察とロックガーデンハイキング



日時  2011年8月9日(火)晴
行程  JR御嶽山駅前9:00―バス出発9:20−ケーブル下着9:30−ケーブル滝本駅発 9:50−
       ケーブル御岳山駅9:56―駅前広場発9:35−レンゲショウマ群生地観察―産安社前9:50〜
       10:00−御岳VC10:10〜20−長尾平10:45〜50−七代の滝11:20〜30−天狗岩11:45〜50
       −ロックガーデン休憩舎昼食12:10〜40−綾広の滝12:50〜13:05−天狗の腰掛杉13:45
       〜55−神苑の森経由、随身門下広場14:15〜20―ケーブル御岳山駅14:40解散
参加者 大船武彦、岡義雄、竹中彰、平井康司、平井安乃、中嶋啓、澤登均、西谷隆亘、西谷可江、
        富澤克禮、高橋郁子、塚本慶子、新澤尚子、吉田直子、丸山真知子、松本好正、原満紀、
        川越尚子、廣田博、田中恵美子、柄澤洋城   以上21名 ―敬称略―
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 昨年同様御岳山レンゲショウマ観察会が8月9日、21名の参加者を得て開催された。
レンゲショウマ群生地は御岳山の北700mに位置する富士峰(883m)の北西斜面に約2万株とも3万株とも群生すると言われている。ケーブルカーを降りて1〜2分で入口に到着する。今年の御岳山は7月中旬頃から低温、日照不足が続きレンゲショウマの開花時期も10日程遅れたようで満足のいく観察は出来なかったことは残念であった。 レンゲショウマはキンポウゲ科の多年草でレンゲは「蓮華」蓮の華のことであり、葉がサラシナショウマに似ているところからこの名がついたと言われている。 又、東京都環境局2010年版の「東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)」東京都レッドリストによると、レンゲショウマは南多摩地域では絶滅危惧T類(CR)で、ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いものとされ、西多摩地域(御岳山はこの地域)では絶滅危惧U類(VU)で、圧迫要因が引続き作用する場合、近い将来「絶滅危惧T類」のランクに移行することが確実と考えられるものと規定されている貴重な植物なのである。貴重種であるレンゲショウマがこれほど群生する地域は他にはないだろう。
 レンゲショウマ観察後、富士峰と御岳山の間にある独特の歴史と伝統、江戸末期の建築物や古文書を多数残す「御師集落」を通過する。 現在39世帯150人程の方が武蔵御嶽神社とその周辺の自然環境を守っているといっても過言ではない。
これから向かうロックガーデンは、御岳山(929m)の西側にある鍋割山(1084m)の東側山頂直下に源を発する河鹿沢と芥場峠の北側を水源とする灰汁場沢が綾広ノ滝の上で合流し御岳沢と名を変え、七代ノ滝の下流で養沢川となって十里木で秋川と合流する。 御岳沢綾広ノ滝から七代ノ滝の間の沢沿いが風光明媚であったことからこの間を岩石園(ロックガーデン)と呼び散策道、休憩舎、トイレ等が整備されている場所である。今年は七代の滝経由でロックガーデンに入る計画を立てた。神社の階段の途中から長尾平へ向かい、ここから一気に180m程下降すると滝壺の前に広いテラスを形成する第4段ノ滝に出会い多くの見学者で賑わっていた。滝の周りにはイワタバコの可憐な花が咲き写真を撮る人も多かった。
七代の滝は全体が8段の滝から構成された大きな滝であるが、第4段の滝以外には近づくことは出来ないし、滝の全体像を見ることも出来ない。
滝横に作られた鉄梯子を一気に70m程直登すると天狗岩が現れ、5分程下ると御岳沢に出会う。
岩石園(ロックガーデン)の始まりである。夏の日差しを木々が遮り、沢の流れが森全体の温度を下げ、心地よい散策が出来た。中間地点の休憩舎で昼食をとり、綾広の滝を目指して出発した。
綾広の滝は「禊の滝」として知られ、神社や2ヶ所の宿坊で一般人を募集して滝修行体験を実施している。
御嶽神社から大岳山へ続く道を逆に御嶽神社方面へと進むと途中に天狗の腰掛け杉という巨樹に出会う。ここから御岳山の北西側は「不抜の森」として人が入ることがなかったが、3年前に登山道が造られ「神苑の森」と名付けられた。
この森は植生としても貴重で、東京都でも数少ない自然植生が残る地域である。20〜30分ほどの距離だが、じっくり植物観察すると面白い場所である。細い1本道と21人という多人数では時間をかけた解説は無理と判断し通過したことは残念であった。 8月に入りここ数日間午後になると雷雨・雷鳴に襲われているのが心配で、全行程で急いだ感は否めないが全員怪我もなく夏の1日を楽しむことが出来た。
(文:柄澤洋城  写真:澤登 均)