「氷の花」高尾山シモバシラ観察会報告



日時  2011年1月8日(土)
行程  高尾山口駅前9:45・・・ケーブル清滝駅9:50〜10:00・・・2号路3号路分岐10:40
        ・・・もみじ台シモバシラ観察12:00〜12:20・・・山頂(昼食)12:30〜13:00・・・
        薬王院13:30〜13:45・・・表参道入口14:30解散
参加者 丸山さかえ、高橋郁子、川越尚子、岡田陽子、笠原 功、足立孝也、田中清介、岡 義雄、
        山本憲一、小清水敏昌、城所邦夫、澤登 均、宇野良夫、河野悠二、柄澤洋城、
        以上15名 敬称略                       

 高尾山は相変わらずの賑わいである。高尾山口駅前にて新年の挨拶と自己紹介を済ませ出発する。
ケーブルカー清滝駅裏のシモバシラを観察、東京高尾病院前を通り2号路へ向けすすむ。このあたりから3号路にかけて常緑樹林帯が続いている。
澤登さんによると常緑照葉樹林内に生息するつる性の多年草であるガガイモ科のキジョラン(鬼女蘭)は、アサギマダラ(蝶)の食草となっているとの説明があったが、実際にキジョランの葉裏にアサギマダラの幼虫が葉を食べている様子を観察できた。アサギマダラの成虫は1年のうちに日本本土と沖縄、台湾の間を往復するという驚異の蝶である。
3号路を登りきると道幅が広い富士道に出る、谷側にはカツラの林が広がっていた。5号路に入り、間もなく「もみじ台」の北斜面に点在するシモバシラを観察する。小形ではあるが様々な氷の花が美しい。


     

キジョラン(鬼女蘭)の種子






「氷の花(シモバシラ)は、地中の温度が0℃以上かつ地表の温度が0℃以下になり、地上部が枯れても地中はまだ暖かく、根は生きている。水を吸い上げる力のあるものは地中の水分を毛細管現象(毛管現象)によって、茎の中の導管を上がってきて水を地表にしみ出し、凍結しはじめる。そして茎がどんどん破れ広がるとともに、氷の花も次第におおきくなる。最後は導管も破れてしまい、また、地中も凍って水を上げることが出来なくなり氷の花は見られなくなってしまう。 地表と地中の温度差が必要なため、厳冬期にしか見られない現象である。
氷の花を造る植物はシモバシラ、カメバシキオコシ、アキチョウジ、などシソ科のものが多いが、キク科にもシロヨメナ、カシワバハグマ、に氷の花が出来るものがある。」
上記のような説明をしながら山頂へ向かう。広い山頂も人で埋まっていたが一画を確保し昼食を取る、昨日と打って変わって日溜まりは心地よい。記念撮影後、富士道を通り薬王院に参拝し1号路(表参道)を下山、14:30分表参道入口にて解散する。




その後、高尾駅南口のソバ屋にて有志による反省会(懇親会)を行い盛り上がる中、散会した。
(写真:澤登 均、 文責:柄澤洋城)