2018年5月 第4回積雪期登山技術講習/「蝶ヶ岳」


集合写真

蝶ヶ岳頂上にて

   日時   2018年5月2日〜5月5日(水〜土)
   集合   竹橋・毎日新聞社前
   行程   5/2(水)竹橋・毎日新聞社前23:00発(バス)、
          5/3(木)ヒエ平・常念岳登山口4:25着・5:18発→標高1610m付近右手枝沢6:35着→
          増水で渡渉困難なため常念岳登頂を断念し6:55発→常念岳登山口8:10着
          8:30発(タクシー)→蝶ヶ岳三股登山口9:10着・登山届提出・9:30発→まめうち平12:15着
          →標高2100m地点13:45アイゼン装着→標高2500m地点16:00着→大滝山縦走路16:30着
          →蝶ヶ岳ヒュッテ17:00着(泊)、
          5/4(金)蝶ヶ岳ヒュッテ6:50発→蝶ヶ岳山頂7:00着→妖精の池7:20着→長塀山7:50着→
          徳沢10:35着・11:20発→小梨平13:05着→入浴・買物→山研15:00着(泊)
          5/5(土)朝食・山研7:00発(解散)
   参加者  佐藤守、SL石橋 學、小野勝昭、鬼村邦治、西山さより、齊藤理恵子、
          富永真由美、酒井俊太
   記録   文/齋藤理恵子 写真/佐藤守


 【前夜】昨年から実施している登山技術講習会の最終回として、残雪期の常念岳から蝶ヶ岳への縦走を計画したが、気象予報では北アルプスの稜線は強風と雪。エスケープルートの検討など様々な事態を想定した準備を行い出発した。

【1日目】常念岳登山口に到着すると小雨であったが、予報では間もなく雨が上がることから出発時刻を遅らせゆっくりスタートした。登山道は雪解け水と雨により増水した一ノ沢沿いで、沢水の轟音で仲間の話も聞き取れず、沢の濁流が恐怖に感じる程であった。標高1610m付近の右手からの枝沢が本流に合流する地点で、増水のため渡渉が困難と判断し常念岳登頂を断念した。


渡渉できず常念岳を断念

一の沢から常念岳へ



 ヒエ平の登山口へ戻る途中に携帯電話が通じる場所があったので、宿泊予約していた常念小屋に状況を連絡した。同時に登山計画を急きょ変更し三股登山口から蝶ヶ岳経由で上高地に向かうこととしタクシーを手配した。メンバーの酒井さんは体調が良くないため蝶ヶ岳には参加せずタクシーでJR穂高駅へ向かう。三股登山口には臨時の登山指導所が開設されており、改めて登山計画書を提出して出発した。三股登山口から蝶ヶ岳の稜線までは標高差1300m、4時間のロスから気分は重いが気を取り直し、一時間毎に休憩をとりながら標高を稼いだ。2100m付近でアイゼンを装着してからは、樹林帯の急斜面をほぼ真上に直登したりトラバースしたり。ピッケルを握る手に力が入り、一歩また一歩とヒュッテ到着を期待しながら足を進めた。山頂が目前になると体が揺られるような強風で何度か耐風姿勢をとりながら前進する。ヒュッテが見えた時には、安堵で万才をしたい程であった。17時に到着した7人をヒュッテでは快く迎え入れてくれ、暖かい夕食で気持ちも暖まり、夕食後のミーティングで翌日以降の行動予定を確認し、消灯時間より早く20時半には就寝した。


風を避けてヒュッテ前で

標高2500m稜線は近い



 【2日目】予報通り前夜から荒天で夜中には強風のため何度か目が覚め、6時の朝食前には、外は吹雪いていることを知った。積雪期山行も慣れてきたのか、バラクラバにゴーグル、オーバーミトンと万全に準備し、外へ出てアイゼンを装着した時刻は予定よりも10分早く、6時50分にはヒュッテを出発した。蝶ヶ岳山頂までは10分。強風は一時的に収まっているものの穂高も常念岳も見えずがっかり。早々に写真撮影を済ませ長塀山を目指した。約20分で妖精の池の樹林帯に着く、夕べからの新雪が粉砂糖を振ったように5月とは思えない景色であった。樹林帯に入ると強風が嘘のように風の音も小さくなった。長塀尾根は長かったのだが、7人の足並みは、テンポも良く、途中アイゼンを外し、10時35分徳沢園に到着した。徳沢まで下りても、みぞれが降り、ニリンソウの群れに雪が積もり、花や蕾が凍えている。GWの観光客、登山者で賑わう中、足早に上高地へ向かい、時折り見える明神岳や六百山を見上げながら、小梨平に着いたのは、13時過ぎであった。小梨の湯で入浴し食材を購入、15:00には山研に到着し、早速反省会。手作りおつまみや美味しいお酒をいただき、無事下山出来た事に気持ちもほころび、暖かいお布団で、深い眠りについた。


妖精の池まで下り一安心

ニリンソウにも雪



 【3日目】 朝から雪が舞っており、天候が良くなる気配もなく、朝食後7時には山研を出発。散策する会員と別れ、後ろ髪を引かれる思いで上高地を後に帰京した。 今回で、山行委員会の登山技術講習は、最後であるが、無雪期の岩稜、積雪期の雪上歩きの多くを学ばせていただき、これからの山行にとても役立つ経験が出来た。


山研前で




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