2018年4月 積雪期登山技術講習/「編笠山」


集合写真

編笠山頂上にて

   日時   2018年3月31日〜4月1日(土〜日)
   天候   1-2日目 晴れ
   集合   小淵沢駅集合
   コース  1日目:3/31(土)小淵沢駅集合北斗市市民交流センターで仮眠
          2日目:4/1(日)小淵沢駅5:00発→富士見高原ゴルフ場駐車場5:25着・5:40発
          →1820m付近7:30着・アイゼン装着→2074m8:20着休憩→編笠山山頂10:30着・休憩
          →11:15下山開始→2390m付近12:00着・滑落停止、ロープワーク講習・13:35発
          →1808m14:50着アイゼン脱→駐車場16:00→鹿の湯16:20着→17:30解散
   コースタイム 2日目:10時間30分
   参加者  L佐藤守、SL石橋 學、小野勝昭、鬼村邦治、西山さより、齊藤理恵子、内藤誠之郎、
          濱野広基、比留間祐也、清水茂美
   記録   文/清水茂美 写真/内藤誠之郎


 4月1日4時起床、5時に小淵沢駅を出発。満月の灯りで南アルプスがうっすらと浮かんで見える。富士見高原ゴルフコース駐車場に到着し出発準備。5時40分に比留間さんが先頭、石橋SLがサポートし、佐藤Lが最後尾で出発。あたりはもう明るくなっていた。気温はプラス4度、風もなく登山日和だ。しばらく広葉樹林帯の中を歩く、雪はなく地面は柔らかく歩き易い。標高が1800mを超えると残雪が氷結した登山道になり7時30分アイゼンを装着した。 2100m位から雪が深くなってきた。雪は硬く締まっているのでアイゼンがささり歩き易い。展望のない樹林帯がしばらく続く。気温はプラス5度、風も無く汗ばむ程暖かい。夏の登山シーズンにはまだ早く山は静寂だ。 樹林帯を抜ける山頂直下の岩場が現れる、岩には雪がなく乾燥しているため2400m付近でアイゼンを外した。岩石帯から背中には南アルプスがよく見えた。大きな岩石帯をやっと抜けると、山頂に到着、八ヶ岳のすべての山が眼前に現れる、思わず、わぁすごい!と叫ぶ。一気に岩場の疲れが吹き飛んだ。10時10分〜30分に全員登頂した。


阿弥陀岳と赤岳

 西岳、蓼科山、東西天狗、横岳、赤岳、権現岳、三ツ頭、ギボシから編笠山までのピークと稜線がくっきりと見える、反対側には南アルプス、360度のパノラマだ。先日遭難事故のあった阿弥陀岳の南陵の位置を教えてもらう。山へ登ることは危険と隣り合わせ、阿弥陀南陵を見て気を引きしめた。穏やかな天気の下、頂上で昼休憩、記念撮影後、11時15分下山開始。 2390m付近に傾斜のある雪の締まった斜面があり講習開始。先ずはピッケルで雪面を掘りザックが滑り落ちないように置き場を作る。 ピッケルを使った滑落停止の練習から始めた。滑落停止した時にピッケルを胸の位置で止めること、脇をしっかりと締めること、身体を回転させた後、足を跳ね上げること、を注意して繰り返し練習した。腕が伸びてしまいピッケルの位置が顔のあたりで止まってしまったり、足を上げてなかったりと完璧にできるまではいかないものの、雪上で滑った身体をピッケルで止めるという感覚は覚えられた。


滑落停止訓練A

滑落停止訓練@



 次はロープワーク講習、コンティニュアス、スタカットの使い分けの講習、阿弥陀岳南陵のP3のような場所では、スタカットによる確実な確保が必要であることが理解できた。次は樹木等がなく支点作成が困難な場合、雪に埋めたピッケルを支点としてセルフビレーを取り、ボディービレーで滑落者を止める際の衝撃を体験した。滑落者、ビレー役と全員それぞれ体験でき、自分の身体で滑落の衝撃を吸収しながら無理な力をかけずに滑落者を止めることができる事を体験できた。 樹木など支点となる自然物がない場合、スタッフバックの中に雪を詰め込み、雪の中に埋めて支点を作る方法、他にも雪柱を作って支点とする方法なども学んだ。約1時30分であったが、充実した講習内容で受講生全員満足していた。13時35分下山開始。16時に駐車場着。近くの鹿の湯で疲れをとり17時30分現地で解散した。 今回で積雪期の登山技術講習は3回目。前泊できたことと短時間で登れる山であったことから、講習に充分な時間を取ることができた。繰り返し体験したことで、難しいと思っていた技術も少しずつ身に付いてきたことを実感している。 良い天候に恵まれ、素晴らしい展望も楽しめ、充実した講習山行だった。





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