2018年2月 積雪期登山技術講習/「八ヶ岳・杣添尾根〜横岳」


集合写真

横岳頂上にて

   日時   2018年2月24日〜25日(土〜日)
   天候   1日目 晴れ時々曇り、2日目 晴れ時々曇り
   集合   高尾駅南口
   コース  1日目:8:00高尾駅南口(会員自動車)8:12=10:35小川邸11:11=11:34
          海ノ口自然郷横岳登山口(駐車場)11:40→12:05東屋12:20→13:00標高2,090m
          (ルート偵察山行終了地点)13:13→13:42東屋14:40→15:06横岳登山口(駐車場)15:19
          =15:45小川邸
          2日目:起床3:30小川邸5:15→5:42横岳登山口5:56→6:32東屋6:40→10:15
          標高2,650m(ストックをデポ)10:22→11:20三叉峰(サンジャホウ)11:30→11:48横岳山頂
          12:05→12:20三叉峰(サンジャホウ)→12:55ストック回収)13:10→15:23東屋15:26→15:55
          横岳登山口16:05=16:32小川邸=18:00解散
   コースタイム 1日目:3時間、2日目:10時間
   参加者  山行委員: L佐藤 守、SL石橋學、SL小川武、西山さより、齊藤理恵子、内藤誠之郎、
          小野勝昭、清水茂美、富永真由美、酒井俊太、鬼村邦治、濱野弘基(計12名)
   記録   文/濱野弘基 写真/内藤誠之郎


【1日目】
 今回の山行は山行委員のスキルアップを目的とした第2回積雪期登山技術講習である。集合地の高尾駅南口をほぼ定刻に出発。途中の車窓から望む八ヶ岳方面は厚い雲に覆われ辛うじて影が見える程度である。小川邸へ到着後、強風が吹く中、速やかに登山準備を行う。打ち合わせと軽食後、海ノ口自然郷横岳登山口(駐車場)へ向かった。登山口からはしばらく富士見岩遊歩道に沿う車道を歩いたが、アスファルト面が凍っており慎重に歩みを進める。30分程で水面の凍結した貯水池(東屋)に到着しここでアイゼンを装着。
 ここから本格的な登山道となる。トレースはしっかりと踏み固められているが、少しでも外れると膝上まで潜ってしまう。北沢の支流に掛かる小橋を渡ると最初の急な登りがあり、この後も急傾斜の登りが続く。1時間弱で標高2,090m付近へ。気温はマイナス5度程度、雲の合間に僅かな青空、眼下には木々の間から南牧村の別荘街が見える。樹林帯とはいえ10m以上の強風が吹いており、足慣らしとルートの状況確認はできたことから、引き返して東屋周辺で技術講習を行うこととした。
 講習内容は、@ルート旗の使用法、Aビーコン・ゾンデ棒・スコップの使用法、Bラッセルの方法。ビーコンの使用法では、本部の講習を受講した西山・斎藤の両氏が埋没者を探すデモンストレーションを行った。ラッセルは車道に面した急斜面を利用して行い、深雪のラッセルの感触を体験した。
 講習修了後、小川邸に戻り、夕食兼懇親会開始。暖炉を使い煮込んだポトフやピッツァ、鬼村氏が10日間仕込んだ名古屋コーチンの燻鶏がふるまわれた。他にもワインや発泡性日本酒、ビール、各種つまみなどがテーブル上に溢れていた。懇親談笑の中では、委員の登山技術習得についての話しや、参加会員からの山の歌披露もあり、最後は雪山讃歌の合唱、大いに盛り上がった。翌日に備えて早めに就寝。


【2日目】
 起床後、朝食の雑煮を食べて出発。登山口に到着すると他グループの車両が3台駐車してあり、既に出発している模様。今日は駐車場でアイゼンを装着、ヘッドランプを点灯し小川SLを先頭に出発。東屋を通り過ぎ、ほぼ1時間毎に休憩を取り順調に高度を稼ぐ。2,465m付近からは南東に金峰山方面の眺めや眼下の街並みが望める。ここには、本日2つ目の雪のブロックを積んだテント場があった。この辺りは樹林が開け風がまともに当たるため、見事な雪の風紋もあった。2,560m付近の森林限界で、強風の稜線に備えて防寒・防風対策を確認。赤岳や横岳、硫黄岳が眼前に見える場所。稜線には複数の登山者の姿が見えた。遠く北方には浅間山も見える眺望エリアで写真撮影。
 2,650m付近で岩峰の急登を前にストックからピッケルに持ち替え、ストックはデポし赤布のルート旗を立て目印とした。小川SLから、ここからの急登では斜面に応じアイゼンの前爪を使うようアドバイスを受けた。三叉峰に到着し岩陰で強風を避け小休止。急斜面の下山に不安のある人は小休止の間に簡易ハーネスを装着するよう指示があった。三叉峰から20分程で横岳山頂着。昨年10月の登山技術講習で硫黄岳から権現岳を縦走した際、日の出を見ながら通過した横岳山頂。厳冬期の登頂に感激しているメンバーもいた。振り返った稜線の先に赤岳、阿弥陀岳、北には硫黄岳、東西の天狗岳、蓼科山、眼下には大同心、小同心など、八ヶ岳の中央にいることを実感する。気温はマイナス9度で風は落ち着き、雪山の山頂滞在には良い条件である。とは言え突風で外したザック類やグローブなどが飛ばされることもあるため、小野さんから雪面に突き刺したピッケルに固定するなど注意するよう指導があった。横岳山頂と三叉峰間の鉄梯子では、先に降りた者が後続のメンバーの安全を見守る。
 三叉峰からは急斜面を一気に下り、ストックを回収し山に別れを告げる。無風の樹林帯の中を名残りを惜しみつつ下山。 小川邸に到着し、軽食、清掃、後片付け、着替え、反省会を終え解散。
 3,000m級の厳冬期山行ながら、会員の別荘やマイカー活用をすることで、盛り沢山の内容が一泊二日にコンパクトにまとめられ、充実した講習山行に参加者全員が満足していた。


三叉峰へ向かう

赤岳と阿弥陀岳






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