2016年11月 定例山行/丹波山塊北部 大室山(1587.62m)


大室山山頂

   日時   2016年11月26日(土)
   集合   JR高尾駅南口 6時(マイカー利用)
   コース  高尾駅南口 6:00〜6:20=中央道=相模IC=R413=道志の湯=道志の湯駐車場
          7:40→7:58登山口8:00→8:22標高700m地点8:30(衣服調整)→9:10 984m地点 9:20
          →10:09 1284m地点10:19→加入道山南側稜線1400m地点10:35→10:45加入道山
          10:55→11:30前大室山12:15(1361m地点にて引返す)→12:40加入道山避難小屋
          13:05→13:20加入道山南側稜線 道士の湯下り口13:40→13:50 1165m地点14:10
          →14:35東屋14:45→15:23駐車場16:00=往路経由=17:15高尾駅南口17:30解散
   参加者  L 小野勝昭、SL 河野悠二、富永真由美、清水茂美、北原周子、副島一義、
          広瀬雅則、石橋学、中原三佐代、石津谷悦郎、荒井俊雄  計 11名
   記録   文/小野勝昭 写真/河野悠二

  「道志川右岸に聳える大きな山体の山大室山の東側に位置する八王子南部では、この山を『富士隠し』と呼んでいたと云う。 そこから見ると文字通り富士山の前に立ちはだかって展望の邪魔をする、といった意味合いを含んでいると思うが、実際、富士山を隠すくらいの大きな山であるという事にもなる。
急峻な事で有名な丹波山塊に属する山だからそのイメージに強いが、山梨県側の道志村に面した大室山の山容はいたって穏やかで比較的のんびりした山歩きが楽しめる。」このような記事がガイドブックに記されている大室山である。

24日未明からの降雪は15cm程の積雪となった為、マイカー3台に分乗してアプローチする予定であったが、現地まで行ける車が1台となり、8人乗りのレンタカー1台を利用する事となった。
高尾ICから中央道に合流する地点での予想された渋滞も無く相模湖ICを出てR20号に入り道志温泉に向かった。道志温泉あたりは雪で真白である。 目的の駐車場には、数台の自衛隊車両が駐車していた。若い隊員が約40kgの完全武装した荷を背負って歩行訓練を行っている様子である。 民間駐車場なので我々は邪魔にならない様に駐車場の隅に駐車し早々に準備を整えて歩き始めた。




 凍結している車道を100m歩くと大室山、加入道山への標識があり、そこを右折して車道から別れ足首迄積雪のある道を登る。 10分程歩くと鹿の食害を防ぐ為の柵の入口が2ケ所あり、雪で滑り易くなっている。 このあたりは横浜市水道局涵養植林帯である。暫く歩くと道は沢沿いになり、先行していた完全武装の自衛隊パーティーに追い着いた所で衣服調整の為1本立てる。
自衛隊パーティーが先行していた為ラッセルされて歩き易くなっている。 雪道を30分歩いた所に東屋があり、右手の沢に水場があった。 登山道はこの東屋を回り込む様に左折して加入道山から西に延びる屋根の稜線に向って続いている。 ここから傾斜は急になり、幾度か屈曲する箇所では40kgの荷を背負った自衛隊員が雪道で難渋しているのを横目に先行させてもらった。 
足首迄のラッセル道を交代しながら快適に登って行くと背後に鳥の胸山(とんのむねやま)が見え、その左肩越しに真白な富士山が次第に大きく見え始めた。
大理石の採石場跡には古びたフィックスが30m、20m、10mと3箇所張ってある。 ここは右側の谷に300m以上に落ち込んでいる崩落箇所で、その山腹についている崩れかけた道を慎重にトラヴァースして進む。
ここまでは雪の東屋から1本半で登って来たが、この箇所を過ぎると加入道山から南に白石峠に延びる稜線に突然飛び出し稜線を10分歩いた所で積雪15cm吹き溜りでは膝下位まで積雪のある加入道山山頂に着いた。 木立に囲まれた山頂は落葉している為、南西に大きな富士山が眼前に迫っていて眺望は良く歓声を上げているメンバーも多い。 南側には立派な避難小屋があり右手遠方(南東側)に桧洞丸、蛭ケ岳などの丹沢の山脈が見え、そして北側の木立の隙間からは下に道志川沿いの街並が見える。
無風快晴の元、快適に眺望を楽しんで休憩を取ったあと目前に聳える大室山に向って歩き出す。 前大室山迄の小さな登り下りのある稜線上は無雪期には何の問題も無く歩ける所も、今冬初の積雪上を歩き、ラッセルを強いられて来た為か疲労が重なり足並みが遅くなるメンバーが出始めた。 前大室山から大椿方面への分岐点を過ぎて100m下ると破風口のコレに着き、240mを再び登り返して大室山西の肩から大室山頂に続くルートは夏道なら1時間弱で歩けるが、この積雪とメンバーの状態を考えると2時間は掛ると推測する。 この地点までのコースタイム予定通りであるが、この先からは予定のコースタイムから大幅に遅れ予定通り大室山に登ったとしても道志温泉の駐車場への下山時間は日没後の18時30分頃になる事も十分予想出来る。 この為、大室山での昼食を変更して前大室山で昼食を摂った後、メンバーに予定変更の考えを伝えると1人を除いた残りのメンバーが快諾したので、この地点から引き返す事に決める。午前中には良く見えていた富士山は午後になると雪の中に隠れてしまった。





 復路はトレースがあったが遅れるメンバーも居た為、加入道山の避難小屋で隊列を整えゆっくりと歩く。 道志温泉への下山ルート標識がある稜線上でアイゼンを着装し、大理石採石場跡付近おトラヴァース道を慎重に下り、傾斜の緩んだ地点にある東屋でアイゼンを着脱し1本立てる。 ここまで下るとメンバーは先も見えたのか安堵感が漂い、笑い声が出て来た。 登る時に雪があった道も大分雪が消え落葉が出ている道をゆっくりと歩き、鹿の食害を防ぐ為に作られた雪で良く滑る木の柵を再び通って駐車場に戻ると自衛隊の車は既に撤収して残っていなかった。
夕闇迫る帰路のR431号、中央道も渋滞する事なく午後5時過ぎには高尾駅南口に着いたが、その途中、R20号高尾山口駅付近で高尾山から下山した登山者が道路一面列を作って大勢歩き、高尾山口駅前は大変混雑している風景を見て驚いた。 紅葉に雪の高尾山を楽しむ登山者がこんなに大勢いるとは、びっくりした次第である。 解散時に、この山行は大室山山頂に届かなかった事に心残りであるが、今冬初の雪上歩行と真白な富士山を目前に眺める事が出来て楽しかったと多くのメンバーが述べていた事が印象に残る山行であった。 。





上の写真は拡大してご覧になれます。写真上をクリック。