定例山行 7月山行/日光白根山    


ラベンダーパーク

   日時  2011年7月30・31日(土・日) 一泊二日
   行先  日光白根山
   コース 30日 沼田→丸沼高原
         31日 丸沼高原→白根山登山口→ロープウェー利用→山頂駅→白根山→山頂駅→
         ロープウェー利用→丸沼高原
   参加者 リーダー島田成正、サブリーダー植木信久、松本好正、東敦子、西村智磨子、森静子、
          小宮真里、古市進、西谷隆宣、西谷可江、植木淑美、大槻利行  計12名

【アプローチ編・30日】
自宅を出ると小雨が降っており、傘を出すべきか否か迷いつつの出発となる。東京多摩支部の山行は、丹沢・鍋割山、多摩・よこやまの道に続き3回目。今回目指す日光白根山は、学生時代より度々訪れた思い出深いエリアの名峰で、期待が大きい反面、どうしても雨混じりの天気が気にかかってしまう。
新宿よりJR湘南新宿ライン高崎行きの前方車両に乗り込むが、途中、籠原で前4両が切り離されるとのことで後部車両に移動する。高崎から水上行きに乗換える。途中、渋川辺りから依然と雲は多いものの青空も見え始め、明日の登山にも期待が持てそうである。
12:00、沼田駅集合に参加会員が揃い、昼食として駅前の松乃家で蕎麦を啜る。沼田駅には暫く来ていなかったが、ロータリーや駅舎が改修されていた。よく通ったトンカツの店山彦は健在のよう。是非、次回には立寄ろう。
13:00、本日の宿「ペンションコスモス」の送迎マイクロバスに乗り込む。ハンドルを握るご主人から、上州・三峰山など地元の山の案内がある。「三峰」と称する山は各地にあるが、この地にあることは知らなかった。日本は山の国、我々登山者には大きなフィールドがあるということ、是非、機会をつくって訪れたいと思う。案内続きに玉原ラベンダーパークの話題になり、車で立寄ってもよいとのこと。リーダーの音頭で車内に合意形成がなされ、少々遠回りであるが、予定の丸沼高原散策時間をこちらで楽しむこととなった。
13:45、林道を詰めたレストラン脇で下車、カメラのみを手にラベンダーパークに続くというハイキング路を辿る。散策気分で歩き始めたものの、途中、小川や湿地帯、藪もありなかなかの登山道を30分ほど歩くと玉原スキー場の脇に飛び出した。上部には紫色のラベンダー畑が美しい。冬のスキー場と夏のお花畑、観光レジャーの二毛作だ。帰路は料金所のある正面ゲートより迎えのマイクロバスに乗り込む。(15:00)
16:30、ペンション着。各自、風呂に入ったり、ビールやコーヒーを挟んだ親睦のひとときとなった。夕食はおいしいコース料理、みなさんペロリと召し上がり、各部屋に分かれて就寝となる。



【登頂編・31日】
明け方4時前、地震があり、ぐらぐらと揺れるベッドに揺り起こされた。福島地方で震度5強とのことだ。TVの天気予報は「雨の降りやすい曇り」と発表している。「登山中はなんとか持ちこたえてくれ」と皆が願っていた。
7:20、ペンション発、数分で丸沼高原ロープウェー乗り場に到着。乗車券売り場で登山届を提出し、7:30の始発に乗り込む。20分程度で、2000mの山頂駅着。コマクサの花壇が整備されているが、厳しい環境下の稜線に必死に咲くコマクサほど感動しないのはなぜだろう。辛い、厳しい場面に向かう姿にどうしても感情移入してしまうのは、自分の心の合わせ鏡だろうか。
8:00、二荒山神社の赤い鳥居そして鹿防止柵とアンバランスな2つのくぐりものをして登山道へと入ってゆく。
後方に位置する松本会員から植物名を聞きながら、苔むした緑の登山道を進む。
ハンゴンソウ、カニコウモリ、シラビソ、オオシラビソ、コナアカミゴケなど学ぶ。また、ハンゴンソウは大きく成長するのに対し、オオハンゴンソウは大きくならないという。
かつては、早く登る・ただ登ると節操のない登山を続けてきたけれど、これからは五感に触れる事象を知り、深く学ぶ登山をしようと心した。



8:30、七色平分岐通過。 8:38、七色平避難小屋・湿原着、一本たてる。ここでも、ハクサンフウロ、オトギリソウ、トンボソウを見ることが出来た。更に地名の七色とは、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫のことで浄土を表しているという。
9:11、登山道の途中で一本たてる。9:18出発。
9:51、登山道の途中で一本たてる。9:55出発。ここで、植木会員からいただいた美濃の「うだつの上がるあめ」は、塩飴ですがとてもおいしい。
10:00、樹林帯から飛び出し山頂部の開けた地点に飛び出した。シラネニンジン、シャクナゲ、実のついたコケモモの間を登るルートだが、何と雨粒がぽつぽつ落ちてくる。
10:13、山頂まで50mの道標を過ぎる頃には大雨となってしまった。チズゴケもみられるが、観察する余裕がない。
10:35、五色沼への路を右に分けると山頂は目の前。
10:40、白根山頂着。雨の強いが人も多い。支部旗を取り出し記念撮影を済ますと、残念ながら長居は無用と座禅山方面へと下山開始。ここは樹林の登りルートと違って急な岩の路、雨に打たれながら一歩一歩降りてゆく。
11:45、(シャクナゲ帯に入り15分で)弥陀ヶ池と座禅山の分岐着。ペンションで作ってもらったおにぎり弁当を食す。雨模様でもやはり美味い。12:05出発。
13:12、六地蔵に着。ここよりショートカットで出発地へ急ぐ。
13:40、ロープウェー山頂駅に着。6時間あまりの登山であったが、起承転結を感じさせるコースであった。
14:15、ペンション帰着。濡れた身体を風呂に入れさせてもらい、冷たいビールや温かいコーヒーでまったり。再びマイクロバスの人となり、沼田17:16の上りに乗車した。



【登山後編】 今回の登山では、植物名とともに鹿の話も伺った。その後、尾瀬保護財団に勤務する学生時代の後輩とやりとりするなかで、気になる話を聞いたのでそのまま紹介したい。
「先日、白根山の植生調査をしたが、ハンゴンソウをはじめ、鹿の嫌いな植物と、鹿が運んできた植物とで全山埋め尽くされた感じで、30年遅かった。尾瀬の20年後を見ている感じで恐ろしい感じがします。」(文:大槻利行、写真:松本好正)

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