分境嶺第1回踏査山行 〜支部会員27人・一般参加31人が歩く〜


分境嶺

   日時  2010年6月13日(日)
   行程  高尾山口駅(タクシー) → 大垂水峠 → 城山 → 景信山(昼食)→ 小仏バス停(バス)
          → 高尾駅
   参加者 (※班リーダー。カッコ内は一般参加者)
     [1班] ※浦邉充、上村信太郎、川合周、酒井省二、(栃金正一、戸屋正俊、荒井亨祐、
           飯島文夫、高野勝宏、芳賀馨、松元兵八)
     [2班] ※松本好正、城所邦夫、高比良昭、秋山真、秋山由紀、
           (大澤正男、田中武美、長尾桓、渡辺久雄)
     [3班] ※宮崎紘一、荒井俊雄、小松忍、小松原勝久、高橋郁子、高橋重之、
           (鎌田正彦、工藤政巳、河野八重子、佐久間マサエ、末松徳則、塚本浩司)
     [4班] ※神崎忠男、金中和美、金中利和、(荒井寿一、勝山弘、北原周子、近藤節朗、
           東敦子、日高敦子、丸茂満男、横田松二)
     [5班] ※小川武、今田明子、植木淑美、大関保、高橋宏、長瀬秀史、
           (小笠原武雄、鬼村邦治、島津和子、西谷可江、西谷隆亘、三原佐知子)
     [記録] 澤登均
     [誘導] 島田成正、三渡忠臣、山本憲一
                      

 第1回の実行日。雨が危ぶまれた空模様だったが、早朝7時にはお手伝いをいただく支部会員が、京王高尾山口駅に集合し、最終打ち合わせを行って、みなさんの到着を待った。集合時間の8時前には、ほとんどのかたが受付を終了した。総勢58人という大部隊である。一般参加者のみなさんは、最高齢の78歳をはじめ70歳代が5人、60歳代が20人と、60歳以上が31人中25人を占めた。それぞれに元気な笑顔が印象的だった。



 スタートにあたり、酒井省二東京多摩支部副支部長から挨拶があり、神崎忠男会員(JAC副会長)から山行のデータやポイント、宮崎紘一会員(同)から地形図の見方について、それぞれ説明があり、参加者全員で記念撮影を行った。 60人がひと固まりになって登ることは無理である。山行リーダーの指示のもと5グループに分かれた。赤や黄、青色のリボンをつけて区別した。登山口のある大垂水峠までは、およそ5.2`メートル。タクシーに分乗した。国道20号線をいく。サイクリングの一団が通過した。サイクリストはあえぎあえぎ登っていく。峠(386.1m)には、大きな石碑が立っていて「東京府・神奈川県 境界」とあった。分境嶺踏査のスタート地点としては、格好のモニュメントだ。昭和8年6月、道路改修記念の為、立てたと説明してあった。



 峠で準備体操ののち、案内役の会員がみなさんを誘導し、城山へ向かう。登山道の右は東京で国有林、左は神奈川で県有林。境界を示す石柱が続いた。頭が赤い。ポイント、ポイントで地形図をみて現在位置を確認。この頃から曇空から青空が見え始め、太陽も顔を出して雨の心配もなくなった。



 頭上で、大きな声がした。鳥が鳴いている。なんの鳥か見当がつかない。聞きなれぬ鳴き声だ。澤登均会員が「ガビチョウだ」と教えてくれた。外来種で、このところよく見かけるようになったそうだ。あとで調べて分かったことだが、「画眉鳥。スズメ目チメドリ科に分類される。外来生物法で特定外来生物に指定されており、日本の侵略的外来種ワースト100選定種にもなっている。体長約 22-25cmで、嘴と尾が長い。体色は全体的に茶褐色。中国南部から東南アジア北部にかけて広く生息する。 日本には、ペットとして輸入されたものがかご脱けにより定着した。多く観察されるポイントとして、東京都内では高尾山が有名」(Wikipedia)とあった。杉の木立をバックにしたウノハナの白い花が印象的だ。



5つのグループに分かれたものだから、大垂水峠までのタクシーの待ち時間のせいもあって、第1グループと第5グループとでは、かなりの開きとなってしまった。城山(670.3m)には、10時前後に到着。八王子・日野サテライトサロンで徳久珠雄会員から、城山は全国2番目に多い山名と教わったことを思い出した。他と区別するために小仏城山ともいう。三角点を確認して景信山に向かう。小仏峠(548m)まで下り、登り返す。ダンコウバイが特色のある三ツ山の葉を広げていた。このあたり、春先にはアブラチャンなどとともに黄色い花のオンパレードとなる。



城山までは、東京多摩支部のほかのパーテイーに出会うことなく、静かな山行を楽しんだが、城山からは裏高尾のメーンコースでもあり、多くのハイカーで賑わっていた。高尾山には年間260万人が訪れるといわれている。走っている人が多い。トレイルランというそうだ。「高校登山競技大会」というゼッケンをつけた集団にも出会った。それぞれに楽しんでいる。コンニチワの洪水だ。



11時ごろ、相次いで最終目的の景信山(727.1m)に着いた。予定より1時間近くも早い。昼食を取る。大きなヤマボウシが花盛りだった。親しくなった方々がグループごとに、山への思いを披露,多摩の山々の話題に花を咲かせた。 一般参加の女性が「今回は,なんの疲れもなく,歩けた。いつもは,お父さんが急ぐもんだから,疲れてしまう」と言った。横にいた男性が「急いでないよ」と弁明した。実に仲のよいご夫婦である。



山行中、グループごとに話題やテーマがあったようだ。山行後のアンケートを拝見すると、好評だったのは地形図の見方・活用法,植物,とくに花などだったようだ。昼食後、全員で景信山山頂の標識の前で、日本山岳会の会旗を掲げての記念撮影を行った。 その後、山頂を後に小仏バス停(300m)に向かって下山を開始して午後1時40分ころバス停に到着。全員無事に第1回東京都分境嶺踏査登山を終了することができた。
(文:長瀬秀史、橋重之  写真:澤登均、山本憲一  GPS軌跡図:宮崎紘一)

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