2019年度南関東三支部合同懇親山行 〜奥多摩BCを中心に開催〜


奥多摩BC前で出発前の記念写真


 秋空が広がる奥多摩駅前にお揃いのグリーンTシャツを着た一団が並び、懇親山行に参加する埼玉支部、神奈川支部そして東京多摩支部会員を出迎えた。

参加者の出欠確認

奥多摩駅でお出迎え

奥多摩BC到着

奥多摩BCに向かう

 この三支部合同懇親山行はなかなか天候に恵まれないことが多い。本来は天候が安定する10月後半に開催されているので、天候のことは心配せずに企画を立てられるはずであるが、なかなか難しい。
 東京多摩支部主管開催の今年は企画段階で、初めての試みとして日帰りの懇親山行とした。10月26日に奥多摩駅から直接登れる本仁田山を選択し、下山は鳩ノ巣駅として懇親会は奥多摩ベースキャンプの大家さんである木村康雄邸のギャラリーを使わせていただく形ですんなりと決まった。
 ところが、台風が15号、19号と立て続けに関東地方から東北地方へと抜け、千葉、神奈川、埼玉、東京は暴風雨に遭遇した。奥多摩ではハイキングを予定した日原地区の道路が崩壊し通行止めとなり鍾乳洞見学ハイキングは中止となった。本仁田山も登山口の沢の増水により登山道が一部崩壊し、登山道は暴風雨により落とされた多くの小枝で埋められて歩きにくく通常よりも時間がかかる悪い状態であるため中止とした。代案として「奥多摩むかし道」を全員で歩くハイキングを選択したが、西久保地区の登山道が崩壊しており途中で下山するコース設定とした。
―― ◇ ――
 まずは全員が奥多摩BCに集い、BCの案内、これから歩く「奥多摩むかし道」の説明をして、3班に分かれてハイキングに出発した。

出発前の班ミーティング

石井リーダーによる奥多摩むかし道の説明


■ 行程
  奥多摩BC10:00→槐木10:30→不動の上滝11:15→白鬚神社(昼食)11:55着12:25発→
  惣岳の不動尊12:50→消防訓練所13:35着13:45発→西久保切り返し14:05着14:25発→
  桃ケ沢バス停14:40→南2丁目下車14:55→奥多摩BC前集合写真を撮り解散

 奥多摩駅に向かう車窓から、頂きに雪のかかった富士山がはっきりと見ることができ気持ちが高揚してきた。
 予報通り、天候は晴れである。今回の三支部合同懇親山行はハイキングコースと登山コースに分かれて行う予定であったが、台風19号の豪雨による被害が奥多摩地域でかなり出ており、当初の計画を変更し全員で奥多摩むかし道ハイキングコースとなった。
 奥多摩むかし道も西久保切り返しからの登山道は通行止めとなっており、桃ケ沢バス停から帰りのバスに乗る事となった。
 奥多摩駅で集合し受付等を済まし、奥多摩BCに移動し、参加して下さった方の紹介やコースの説明をした後出発をした。
 BCに残り下山後の懇親会の準備をして下さる方々の見送りを受け、3班に分かれてグループ毎に出発をする。
 BC近くの横断歩道を渡ると「むかしみち入口」の案内板があった。左手の舗装された細く長い坂道が羽黒坂の始まりである。この地域は平らな土地がないので、畑や家を建てる為に石垣職人が石垣を築いたらしい。頑丈そうな石垣が続く道である。
 しばらく行くと小河内ダム資材輸送の為の鉄道跡があった。ここを蒸気機関車が走り、第2の箱根を目指していたときもあったらしい。
 のんびり坂道を歩いていると、刺のある槐木に到着する。ここは峠の茶屋があり賑わっていたらしい。石井会員による奥多摩の話を聞きながら歩みを進める。
 不動の上滝は豪雨で水量が多く、話し声も聞き取り難いほどの滝の音だった。次に境集落である。上を見上げると、先程の鉄道の鉄橋が見えた。豪族三田氏と関わりのある集落らしい。そんな説明を聞いているうちに白鬚神社に続く階段の前に着いた。社殿に覆い被さるかのように大きな岩が迫っていた。そこで昼食を取り散策を続ける。

槐木(さいかちぎ)

奥多摩むかし道スタート

白髭神社

不動の滝の説明を聞く


 道沿いに高さ3m程の大岩が現れ目を引く。岩には腕が入るほどの穴があり弁慶が抜いたと言われ、弁慶の腕抜き岩と親しまれている。その先にある耳神様はその名の通り、病院などなかった昔に穴の開いた小石を見つけてお供えし、神様に祈り治したらしい。実際に穴の開いた小石をお供えしていた。この時期はまだ青々としていたが11月下旬には色づくいろは楓はとても見事な巨木だった。
 コースの半分位を過ぎたかなという場所にしだくら吊橋が見えてきた。看板には2人以上で渡らないで下さいとあった。少人数で橋の真ん中あたりまで行き、壮大な渓谷を眺めた。川の水は台風の影響で増量しコーヒー牛乳のように濁り、渦を巻き流れの速さを感じた。
 惣岳の不動尊近くにある奥平家の民家はビュースポットで、ここも東京なんだと不思議な気持ちになった。隙間なく積まれた薪も素晴らしかった。そして、立派な石桶でつくられた馬の水のみ場には東京府馬匹畜産組合連合会と彫られ歴史と交通手段である馬を大切にしていたのだと感じた。この付近には馬方衆が一服できる茶屋もあったらしい。
 7km弱のハイキングコースだったが、他にも縁結び地蔵尊・厳道の馬頭様・虫歯地蔵・牛頭観音・玉堂歌碑・道所吊橋・道祖神と見どころ満載であった。埼玉支部・神奈川支部の方々も石井会員の心のこもった解説を聞きながら、会話を楽しみゆったりとコースを歩き好評な懇親山行となった。バスで帰路に着き奥多摩BCの前で記念写真を撮り解散となったが、その後の懇親会でも称賛され支部の交流を図ることができた山行だった。

しだくら橋

信仰石灰岩

濁流の渓流

馬の飲み水場


■ 参加者 32名 埼玉支部3名 神奈川支部6名 東京多摩支部14名 スタッフ9名
  1班 班L長瀬 SL富永 林 竹内 込田 竹中 矢澤 富澤 寺井 山行L石井
  2班 班L武藤 SL植草 松本 永井 藤川 三木 小澤 佐藤(文) 高橋 西山 山行SL小野
  3班 班L河野 SL齋藤 本村 植木 野口 佐藤(守) 大澤 岡 清水 岡田 山行SL北島
■ ハイキング報告  文/富永真由美  写真/大澤則彰

―― ◇ ――
 懇親会会場の木村邸ギャラリーは、程よい照明の中、軽やかなジャズが流れ、乾杯用のワインが各テーブルに置かれていた。奥多摩BCに荷物を置いた参加者の皆さんが三々五々集まってきた。懇親会参加者37名全員が揃ったところで開会を宣言。
東京多摩支部野口支部長、埼玉支部松本支部長、神奈川支部込田支部長からご挨拶をいただいた。松本支部長と込田支部長からは、奥多摩むかし道のハイキングがとても面白かったことが話され、実行担当者を安心させた。
竹中前支部長の乾杯の発声により、ワインで乾杯。一気にテーブルに盛り付けられた坂本シェフの手料理に箸がつけられ、生ビール大樽が開けられた。
 テーブルの料理が無くなる頃に奥多摩名物「天益の餃子」が大皿に盛られて届けられた。そろそろお酒の時間かと奥多摩の銘酒「澤乃井」が次々と開けられた。


野口東京多摩支部長の挨拶

山本事務局長の司会で開宴

込田神奈川支部長の挨拶

松本埼玉支部長の挨拶

ギャラリーオーナーの木村さん挨拶

前東京多摩支部長竹中さんの発声で乾杯


 今回は女性会員が参加しやすいようにと日帰り懇親山行としたことで、期待通りに多くの女性参加者があり、懇親会会場は華やかな雰囲気で交流の輪が広がっていた。奥多摩BCの大家さんである木村康雄会員、一日かけて料理を作ってくれた坂本正智会員からも本日の懇親会を楽しみにしていたことが話され、時間は進んでいった。予定の2時間が過ぎるころ、中締めの言葉が高橋副支部長からあり、恒例の多摩の七ツ締めでお開きとなった。


奥多摩名物「天益の餃子」が届きました

出ました! 多摩の酒「澤乃井」

最後に坂本シェフの挨拶

酒とともに会話も弾みます

最後はやっぱり「多摩の七つ締め」

高橋副支部長の中締め挨拶


台風の影響で最初に企画した内容を大幅に変更せざるを得ない中で、参加者の皆さんのまずまずの満足を得られるイベントとして終えることをできたのは、東京多摩支部会員スタッフの協力とともに、埼玉、神奈川そして東京多摩支部の参加会員全員のご協力の賜物と感謝しつつ、来年の懇親山行を主管開催される神奈川支部さんへバトンをお渡しいたします。
(報告文/山本憲一  写真/長岡誠治)


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