「平成28年度南関東ブロック三支部合同懇親会」開く


御師の宿坊「山楽荘」前で


  日時  2016年10月29-30日(金・土)
  会場  御岳山 御師の宿「山楽荘」
  山行  大岳山
  参加者
  ◇東京多摩支部/神崎忠男、竹中 彰、高橋重之、富澤克禮、山本憲一、河野悠二、北原周子、
  石塚嘉一、石井秀典、辻橋明子、松川征夫、岡 義雄、小口 治、本間正士、小嶋一男、川口章子、
  八木五郎、澤登 均、城所邦夫、佐久間マサエ、高橋郁子、坂田美和子、今田明子、土井 充、
  長瀬秀史、鹿島陽子 26名
  ◇埼玉支部/松本敏夫、高橋 努、古川史典、石塚昌孝、中村直樹、加藤 満、宮川美知子
  東 洋子、村越百合子、大友寿郎、花崎千恵 11名
  ◇神奈川支部/込田伸夫、石村日満子、井村英明、酒井俊太、西田 進、日出平洋太郎、
  森 武昭 7名  計43名

 南関東ブロックが本部の指導により組織されたのは、神奈川支部ができる前の昨年9月の支部合同連絡会議でのことだ。それまで、三支部合同懇親山行は雲取山を分け合う山梨支部、埼玉支部、東京多摩支部の三支部で4回開催されたが、今回は4月に神奈川支部ができ、山梨支部が外れ、南関東ブロック三支部の合同懇親山行に模様替えになった初めての懇親山行である。これまで三支部懇親山行は天候に恵まれず、いつも大雨、雪などで延期や登山中止が続いた。今回の御岳山御師の宿「山楽荘」に宿泊して大岳山に登る企画は、3年前に東京多摩支部が同様の企画で主管開催したところ大雨となり、青梅線が止まるのではないかとの懸念から講演会・懇親会だけで登山は中止となったことへのリベンジとして計画された。
 今回は、土曜日は晴れ、日曜日は曇りとの天気予報で、参加者は集合時間の午後1時30分を目指して三々五々宿泊先の山楽荘に集まった。ケーブルカーを利用した人が大半であったが、御岳神社に参拝してきた人、大塚山経由で登ってきた人、表参道を上がってきた人、様々であったが42名が時間通りに集まった。

埼玉支部松本支部長

多摩支部竹中支部長

 1日目のイベントは昼の神崎忠男氏の講演と夜の懇親会である。2時に全員が大きな神棚のある広間に集まった。先ずは、東京多摩支部竹中支部長、埼玉支部松本支部長、神奈川支部込田支部長の順で開会の挨拶があった。これからの南関東ブロックの発展、協力関係、これまでの懇親山行の天候の話などが語られた。
 続いて、山楽荘の先代主人片桐氏から御岳神社、御師の仕事、大黒様・恵比寿様の陰陽、神道などについて興味あるお話を聞かせていただいた。終わりに、魔法の言葉「私は若い、私は元気、私は美人」を毎朝唱えるとその通りになると聞かされ、全員大声で唱和した。

片桐御師

神奈川支部込田支部長

 休憩を挟んで、神崎忠男前日本山岳協会会長の講演「私の見た日本山岳会の歴史」となった。日本山岳会としては、今年登頂60周年を迎えたマナスル登山を忘れてはならない、日本山岳会の歴史を知らない人が会の組織の中にも増えてきていると語り始めた。また、最近のスポーツクライミングの隆盛は時代の流れであり、オリンピック種目にも取り上げられたことで更に注目されていることから、20分程のスポーツクライミングのムービー映像を披露した。今後の登山界は、スポーツクライミングは登山ではないなどと言っておられない状況になっているという。
 話は37ページに亘る講演会資料に基づき日本山岳会の歴史に戻って、歴代の会長、事務所の変遷、自らの山岳会での活動を語った。70年のエベレスト登頂後の乱闘秘話、7000m付近で滑落した話など、当時の隊員しか知りえない裏話を面白おかしく話された。
 続いて、「日本の登山界と時代」として、日本山岳会が中心となって日本山岳協会を立ち上げたこと、その日本山岳協会を支えるために東京都山岳連盟に加入したことなどに言及され、時代にあった登山の普及・振興、登山界の体制づくりが必要であることを強調された。
 最後に、質問に答えて韓国の若年層の活発な登山事情、スポーツクライミングへの日本山岳協会の取組などについて語っていただいき終了した。

森前会長による乾杯発声

講演をする神崎氏

 休憩とお風呂の時間をとり、第2部の懇親会は午後5時30分から森前会長の発声で乾杯を行い、宴会が始まった。東京多摩支部から奥多摩BCの案内PR、埼玉支部から12月に行われる講演会のPRなどがあり、今後は三支部でのイベントなどの情報交換を積極的に行い、会員同士の交流を活発に進めることが話し合われた。
 各支部から持ち込まれた日本酒、ワイン、焼酎などが沢山集まった。東京多摩支部の木村康雄会員からも日本酒が送られてきた。仄聞するところによると、木村会員のご祖母の実家が山楽荘とのこと。世間の狭さに驚く。明日の大岳登山を心配しながらも、皆おおいにおいしい食事とお酒をいただいた。

最後はみんなで肩を組んで合唱

神崎氏作の歌詞カードを使って

宴もたけなわの頃、神崎氏の歌唱指導により山の歌を声高く唄って明日の山行への英気を養い、最後は多摩の七つ締めで中締めとなった。
 二次会は大広間の片隅に作られたテーブルで、夜10時30分位まで続き、話が尽きないながらもお開きとなった。





大岳山山頂にて

 2日目午前7時30分、すっきりと晴れない天候ながら雨の心配もなく、29名が3班に分かれて大岳山登山に出発した。長尾平を過ぎてロックガーデン分岐から下り、天狗岩、綾広の滝と渓流沿いに進み、林道を抜け芥場峠で休憩。さすがに朝早い時間のためか人気のコースでも登山者はほとんどいない。大岳山荘広場で休憩をとり、山頂へ向かう。気温が6度で、少し涼しいような気候で汗をかかずに助かる。ここから岩場を過ぎるころには、下山者とのすれ違いに時間を取られるようになった。予定の時間を少しオーバーして山頂に到着。残念ながら展望は無し。本来ならば富士山が見えるのだが残念。三班全員が揃ったところで記念写真撮影。狭い大岳山山頂でこれだけの人数の集合写真が撮れるのはまれである。

狭い渓谷の道を行く

ロックガーデンに下る

 下りにかかると、登ってくる人達が多くなり、滑らないようにすれ違いに気を遣う。無事、大岳山荘まで下り、芥場峠で一休み。後は、のんびり長尾平まで上の道を行き、御岳神社付近で流れ解散となる。埼玉支部メンバーは表参道を元気に下って行った。来年は神奈川支部の主管開催となる。どこに集まるか楽しみである。
(文/山本憲一  写真/澤登 均・長瀬秀史)


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