2017年8月 冒険家の大蔵喜福さんと行く「高尾山親子森育ハイキング」


高尾山山頂にて

高尾山山頂にて

   日時   2017年8月6日(日)晴れ
   集合   8時15分 高尾599ミュージアム 
   内容   8時30分〜9時
          保護者の方 大蔵講師による親子登山に関する講座
          お子さん  木の名札作り、学芸員による館内説明
          9時15分   準備体操後、高尾山ハイキング出発
                  登山コース  6号路→ 山頂(昼食) → 稲荷山コース
          14時30分  高尾599ミュージアムにて感想発表会
          15時     解散
   参加者  浅野英子親子、大貫正紀親子、松井秀斗親子、建部翼親子、滝川岳志親子、
           田中裕生親子、川上仁親子、内田千晶親子、有墨恵津代親子 計20名
   サポート 大蔵喜福、竹中彰、長瀬秀史、中村正之、澤登 均、小河今朝美、河野悠二、
          永田弘太郎、野口正江、山本憲一、西村智磨子、鹿島陽子、飯田邦幸 計13名
   記録   文/山本憲一  写真/澤登 均


 8月6日(日)に昨年に続く第2回の「高尾山親子森育ハイキング」が高尾599ミュージアムとの共催で実施された。
当日は、それまで比較的涼しい気候であったが、熱射病対策用に参加サポートメンバーに凍らせた500ccのペットボトルを持参するようお願いするほどの32℃を超える暑い日となった。
高尾599ミュージアムで8時15分から受付が始まったが、それ以前に到着する家族の方々が多く、参加者の皆さんの意気込みが感じられた。28名の参加申込であったが、8名のキャンセルがあり、9家族20名の参加者が集まった。


子供たちは木の名札づくりに一生懸命

大蔵講師の話を熱心に聞く



 8時30分から親子が別れて、子供たちは木の名札づくりをし、学芸員の説明による館内の見学を行った。子供たちはサポーターの指導で、木の名札に自分と家族の名前を書き、器用に穴に紐を通して名札づくりに励んだ。
親御さんたちは、大蔵喜福講師から親子登山に関する講座「子どもには野外教育が必要、それには登山がいい!!」に耳を傾けた。


出発前の記念写真

学芸員の案内で展示品を鑑賞



 大蔵氏の話を要約すると、子どもは遊びが勉強!!自然というフィールドならなおさら記憶に残る経験。その上、登山に連れ出せれば好影響である。その効能は?第一に挙げられるのは「心身ともに豊かな発育を促せる」ということ。親子で行けばその愛情や信頼関係の上に子どもは安心して行動でき、思う存分楽しめる。チョウやセミ、カミキリムシ、カブトムシ、バッタやミミズ、名前もわからない虫やクモ、恐る恐る捕まえたときの手の震えや、なんだか怖く気持ち悪い感触。捕まえられる子どもは2割弱といわれる。感受性を問題にする学者は《体験しないとわからない独特の感覚を獲得できていない。このことは感受性の発達を阻害する遠因になる》と指摘する。 第二に感受性が豊かになれば想像力が磨かれる。自然の中は花や草、雑木に林、森。キノコにコケ、多種多様な虫にチョウ、ガ、小動物に鳥・・・・タヌキにキツネ、イノシシ、シカ、カモシカ、モモンガ、オコジョにテン、イタチ・・・生きた教材は何でもあり。多彩な表現活動が可能である。
 第三には自分で判断し、行動する能力が身につく。これも遊びながら身体能力や行動の判断力が知らずに身につく。沢の流れは渡れるのか?この崖は登れるのか?下れるのか?
家に戻るにはどっち、何を目印に下るか?自然は、危険や予測できないことを体験することによって察知や危機回避能力を磨く事ができる。さらにその先を予測する能力や判断力もつく。特に登山は標高、地形、植性にかかわらず、日本全国山ほどあるフィールドが対象である。
第四「生きるため、人としての強さを身につけられる」生きるための水や食べ物を探したり、野糞をしたり、自然を生活の場としてみることもできるようになり、自然を遊びながらその中の要素を楽しむようになる。サバイバル力そのものである。体験は人を確実に変える。山、川、海、自然の中を駆け巡る非日常の体験をすることによって、サバイバルのヒントをより探し出せる。震災、津波、水害、土砂崩れ等々災害の困難に打ち勝っていく《生き抜く力》そして身体能力はこうして培われる。
「山の学校」など学校登山の無いところは家庭で努力を。大人たち、子を持つ親は子どもにそういう環境を与える義務がある。親子で山を遊ぶ、親父が威張れるいい機会でもある。是非実践してもらいたいものだ。



子供たちはあちこちキョロキョロ

大蔵講師を先頭に6号路を進む



 9時30分、全員が599ミュージアムで冷たい水を飲み、広場で体操後に高尾山ハイキングに出発した。コースは6号路→山頂→稲荷山コースを下山する。暑い最中の登山なので、子供たちの様子を見ながらゆっくり歩きだす。
子供たちは清滝駅を過ぎた先の川でさっそく魚を見つける。大人とは目線が違うのか子供たちはすぐに生き物を見つけるのがうまい。



あれ! なにか見つけたかな

沢沿いの道は結構涼しい



 6号路を休み休み時間をかけて登っているとヤマカガシを見つけた。最近猛毒を持つ毒蛇と報道されたが、子供たちは興味深く見つめる。12時半、山頂到着。約3時間かけて登ったことになる。この暑い中、結構登る人達が多く、道をゆずるのに結構時間がかかってしまった。
山頂は日差しが強く暑かったが、全員木陰のなかでの食事となった。木陰は涼しい風が通り、大盛りのかき氷を楽しむ子もおり、とても素敵なランチタイムとなった。



捕まえたナナフシに興味津々

稲荷山コースの下りは慎重に



 下山路では子供たちがナナフシを捕まえたり、ムササビの食痕跡がのこる葉っぱを見つけたり、大蔵講師がまたまたヤマカガシを捕まえたりと、さながら自然観察の場となった。14時10分、清滝駅へ全員元気に下山。トイレタイムをとり、599ミュージアムに帰ってきた。
最後に599ミュージアム内の市民ギャラリーで参加者の感想を聞き解散となった。ナナフシを触ってふにゃっとして気持ち悪かったとか正直な感想がいくつか聞けた。これからも自然に楽しみながら山登りを続けてくれたらなと願う。






上の写真は拡大してご覧になれます。写真上をクリック。