東京多摩支部 「山の日」施行記念イベント開催


「山の日」施行を記念し、多彩なイベントを賑やかに開催
親子登山、セラピーウォーキング、絵画展・映画鑑賞、写真・山道具展示・・・


2016年8月11日、16番目の国民の祝日として「山の日」がスタートした。「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを謳っている。第1回記念大会全国記念式典が上高地バスターミナル会場で、皇太子徳仁親王・同妃雅子さまのご来席を得て行われたほか、全国で多彩なイベントが開催された。東京多摩支部は、高尾と奥多摩で「山の日」フェスタを実施、一般参加者とともに山の恩恵に感謝する喜びを満喫した。


 高尾599ミュージアムと共催で高尾山親子森育ハイキング 
 「山の日」直前日曜日の8月7日、高尾山で“親子森育ハイキング”を実施した。1年前にオープンした八王子市施設「高尾599ミュージアム」との共同企画で立案し、ミュージアムの運営委託会社京王エージェンシーと協議を重ねた。1日に親子登山普及の顔となっている大蔵喜福会員を立川女性総合センター会議室に招き、協力会員17名が参加して事前ミーティングを持った。
 八王子市報などでの募集に応じたのは19人だったが、当日キャンセルが2家族6人あった。実施当日集まったのは、児童は6歳〜9歳までの低学年が中心、付き添いの保護者は40代が6人、60代が1人(男1、女6)だった。8時30分、「599ミュージアム」に集合。児童と保護者に分かれ、保護者は大蔵講師から親子登山で気を付けることなどの話を聞く。児童はすぐそばのテーブルに集まって家族の名札づくりに興じた。

参加者の皆さん

家族の名札づくりに熱中


 ケーブル駅から沢沿いに6号路を登り山頂で食事、稲荷山コースを下山する。猛暑のなか心配だったが、みんな元気に登った。子供たちは虫などに夢中だった。夏休みの研究課題が高尾山という子もいて植物の写真を撮りまくっていた。稲荷山コースではキノコが沢山出ていてタマゴタケに興味津々。ほぼ予定時間通りの歩きで、無事ミュージアムに帰り、反省会を開いて解散した

山頂で記念写真

6号路を登る


 “食育”という理念に沿って10年ほど前に「食育基本法」が制定された。国民の食生活が自然の恩恵の上に成り立っており、また食に関わる人々の様々な活動に支えられていることについて、感謝の念や理解が深まるよう配慮されなければならない、と規定している。自然のなかで“森育”について考えた。
◇参加協力者
東京多摩支部:大蔵喜福、小野勝昭、川越尚子、小山義雄、近藤節朗、佐々木芳行、澤登均、清水茂美、橋郁子、辻橋明子、土井充、富澤克禮、長瀬秀史、永田弘太郎、西谷隆亘、西村智磨子、山本憲一17名、八王子市職員:2名、高尾599ミュージアムスタッフ:1名、取材/読売新聞ジュニア記者ほか:4名



 おくたま振興財団と共催でセラピーウォーキング 
 奥多摩でのセラピーウォーキングは、おくたま振興財団と共催で実施した。奥多摩町が制作したポスター・ビラで、また振興財団がこれまでに行ったウォーキング参加者などを対象に呼びかけた結果、16人の応募者があった。8月11日午前9時20分、JR青梅線古里駅に集合、財団の車で登山口まで移動、大丹波川渓谷を遡行した。東京多摩支部会員はスタッフとしてガイド役を努めた。

夏でも結構涼しい

大丹波川沿いの道を登る


 古里の奥多摩会館に参加者が集合した。総計16名の参加者が全員女性であることにを聞き女性パワーに驚いた。開会式では東京多摩支部の若干のPRと山の日の意義を話す。財団の車3台でヘリポート経由渓谷入口に向かった前日の降雨で桟道が滑りやすくなっているため計画を短縮。 10時30分、1〜4班が順次スタートする。桟道の多い渓谷沿いの道を進んだ。一部桟道を迂回すべく沢に下りロープを張って登り返す個所があったが、総じて問題なく進む。途中、炭焼窯跡、山葵田(跡)等の説明を財団職員から受けつつ、比較的緩い登りをこなす。一般参加者の足ごしらえはキチンとしており不安なく進む。途中水分補給の小休憩を取りつつ出発から2時間で明るく開けた獅子口小屋跡に到着、先発隊が用意したハーブティーの接待を受ける。12時30分からほぼ1時間、財団が支給した昼食を摂りゆっくりする。

小屋跡のゴミをかたずける

獅子口小屋跡で記念写真


 “曇りではあるが、時々薄日の射すまずまずの天気で、昼食後に獅子口湧水に移動して、地表に出たての水を味わった。小屋跡にあった大量の廃棄物のうち空き缶を選び、配られたビニール袋に回収して若干の環境改善に協力する。古い缶で、ほとんどスチール缶であり、かなり腐食が進んでいた。帰途につく際には桟道でのスリップ対策に支部会員が準備していたタオルを靴に巻くメンバーもいた。
下りは1時間余で順調に渓谷出口に到着し、ヘリポートへピストンする車両を待つ。ヘリポートからは3台に分乗し、途中山城屋でわさびを調達し4時頃に奥多摩BCに到着し、解散式を行った。財団からのお土産/木製コースターを手渡し、もえぎの湯、駅へ出る参加者を見送って無事に終了した。
◇参加協力者
石井秀典、小野勝昭、北原周子、澤登均、橋清輝、竹中彰、仲谷朋尚、濱野弘基、八木佳苗、八木五郎 10名


 「スケッチ山の絵7人+α展」・映像鑑賞会 
 大店(おおだな)の佇まいだった。「奥多摩BC」のオーナーである木村会員は、昔の商いの場を改造し「あとりえ和泉」として活用している。ちょうどお祭りで通りを巡行する山車に寄贈したことを示す染めに「和泉屋呉服店 電話三番」とあったことから勝手に、そう推測した。それをお借りして「スケッチ7人展」と「日本山岳会秘蔵映像鑑賞会」を行った。日本山岳会スケッチクラブには東京多摩支部会員が7人所属している。ひとり2点ずつ持ち寄った。幅90cmのスペースに1点ずつ展示した。開催直前、展示会の開催を知って金邦夫会員が40年来、制作し続けてきた年賀状を抜粋して出展し会場が一段と華やかになった。計18点。

奥多摩消防署員も見学

「あとりえ和泉」の玄関前をチェック


 どの展示会でもそうだが、入口に記帳簿を設けた。記帳しない人もいるが、それでだいたいの来場者が分かる。11日「山の日」は約60人、13日は羽黒三田神社と奥氷川神社の大祭で花火大会もあり約120人か。14日も大祭は続いた。展示会終了3時までに70人ぐらいと推測している。
東京多摩支部が絵画展を開催していることを知っている来場者はほとんどいない。スケッチクラブ本部会員にも宣伝したが、会場が遠く数人の来場にとどまった。お祭の開催日は人通りが多く来場者は予想を遥かに超えたものの、展覧目的の来場は少なかったと思う。これは予想通り。奥多摩の山々に囲まれた緑多い奥多摩の会場で、このうえない雰囲気で開催できたと思う。願わくば準備時間がもう少しほしかった。もっと多くの出展、また対象を奥多摩の山々の絵に絞り込む準備などができただろう。
◇出品者
7人(宇田俊二、菅沼満子、笠原功、田中清介、田邊壽、長澤登、原山恵津子)+金邦夫(友情出品)

映画上映会の模様

7人展のメンバー


「尾瀬と武田久吉」に人気
 スケッチ展示会場と同じ会場で「映画鑑賞」を実施しなければならなかったことは痛恨の極みであり、最大の反省点だった。映写のスペースとスケッチ展示スペースが重複していたため、椅子が障害となって奥に展示したスケッチ作品までは目が届かず、また上映中はスケッチのスポットライトを消したり、上映外では雰囲気盛り上げるムード音楽を会場にながす準備していたにもかかわらず使用できなかったりして、スケッチ目当ての入場者、映画を見たい方々に双方に迷惑になってしまった。原因は、すべて準備不足である。会場の配置図等を確認できないまま、開催当日に雪崩れ込んでしまった。
日本山岳会の資料映像委員会は、400本近くの映像を保存している。なかにはマナスル初登頂の記録(1956)、立教大のナンダコット征服(1936)などがある。7本を選んで繰り返し上映した。JACチョモランマ北壁隊(1980,27分)、日本山岳会10年の歩み (1995,20分)、武田久吉「尾瀬と私」(24分) 、深田久弥物語 (2014,20分)など。いずれも素晴らしい映像だった。武田久吉の活躍に接し胸が熱くなった。「山の日」にこだわることはない。いつかまた、会場を変え、秘蔵の映像をゆっくり鑑賞したいと思った。


 「奥多摩BC」で写真・山の道具などを展示 
 スケッチ展・映画会に隣接する「奥多摩BC」は、室内をがらりと模様替えした。神ア忠夫会員が昨年受賞した「ピオレドール・アジア生涯功労賞」の“金のピッケル”、また永年集めてきたアジア山岳会のバッジコレクションなど、さらに酒井省二会員の使ってきた往年のピッケル、アイゼン、登山靴など山の道具を展示した。

山道具の展示

奥多摩BCの入口装飾


 茂出木協子会員が出展した大きな写真を6点飾り、室内は“山”のオンパレード。一角に相談コーナーを設けた。入場者は、正確には捕捉していないが、11日は7〜8人、お祭りの13・14日の午前中は、ほとんど入場者なしの状態だったが、午後になってそれぞれ30人ほどがみえ、展示品を興味深そうにみていた。14日には警察、消防署の関係者が入場され活気にあふれ、スタッフとの交流を深めることができたことは大きな収穫だった。


山のなんでも相談受付

神崎会員のアジアピオレドール賞ピッケル展示


参加協力者(事前に申し込んで参加した会員)
石井秀典、石塚嘉一、植草由利、岡義雄、鹿島陽子、川越尚子、川村光子、北原周子、河野悠二、小山義雄、副島一義、橋重之、橋郁子、竹中彰、富澤克禮、中村哲也、中村照代、西谷隆亘、西谷可江、松本敦子、茂出木協子、吉川三鈴





上の写真は拡大してご覧になれます。写真上をクリック。