「6月 大滝沢マスキ嵐沢遡行」


権現山々頂・遠景は箱根の神山

  日程  2019年6月16-17日 (日-月)
  天気  快晴、気温は高い。しかし、湿気は多くなく爽やか。
  山域・山名「西丹沢・大滝沢マスキ嵐沢」
        当初予定した「笛吹川東沢釜ノ沢西俣右沢」が前夜半まで降り続いた雨により増水が見込ま
        れ、中止延期。そのため、代替案として実施した。
  参加者 L中村哲也、SL石橋學、SL長門 彰、中村照代、西山さより  5名
  行程  (16日)芦花公園駅前13:00集合、車で移動、大滝キャンプ場でテント泊
        (17日)キャンプ場6:30頃発=駐車スペース7:00過ぎ発→7:35マスキ嵐沢入渓→8:10頃
        2段15m滝→9:00頃二俣→10:15頃・10m滝→11:15・尾根に抜ける→11:30-12:00権現山々頂
        →南西尾根を下降し13:15頃に駐車スペースへ下山=14:00頃・山北町健康福祉センター解散
  報告  文/石橋 學 写真/中村哲也

【報 告】
中止した「釜ノ沢」の代替案として、殆どヤマビル被害の発生を聞かず、また流域が狭くて雨後の増水の心配がない西丹沢:マスキ嵐沢を訪れ登ることとなった。テント撤収後、6:30頃に大滝キャンプ場から林道を入渓点へ車で移動。7時過ぎに駐車スペースから東海自然歩道を歩き始める。
30分ほどで朽ちかけた「マスキ嵐沢」の道標を見つけて入渓する。ナメ状の沢床を進み、4m滝を越えると滝場が始まった。
小滝の連瀑帯を問題なく通過し、樋状の滝も越えて一つ目のハイライト:スラブ状2段15m滝に出た。ホールドやスタンスがヌルヌルして滑りやすいので、(L)中村哲也さんのリードでロープを出して登る。その際、アッセンダーを使用してその効果を体験することにした。人数が多い場合、アッセンダーは通常のビレイで登攀するよりも時間短縮できる。又、プルージック登攀より格段のスムーズさだ。
2段9m滝を越えた後のスラブ状滝では、途中で水流の中をトラバースする。期せずして、シャワークライムを楽しめた。やがて880mの明るい二俣まで上がって休憩。シャワークライムでウェアが濡れ、寒さを感じる。とは言え、このような解放的な沢は心地良い。
ここから先は水量が減り、涸れた階段状の滝を越える。そして二つ目のハイライト・10m滝が現れた。ほぼ垂直で下部は少し被っている。再び中村哲也さんがリードし、再度アッセンダーの登場で難なく越えた。特段にテンションを掛けた訳ではないが、アッセンダーを使うと不安感が軽減される。
ここを過ぎると沢は涸れ、11:15頃に権現山の稜線へ突き上げた。そして11:30には権現山々頂に着いて大休止。装備を解除し下山準備をする。権現山は南面に展望が開け、遠く箱根の神山、近くは大野山と丹沢湖を見下ろせた。
12:00頃に下山開始し、南西尾根を辿って駐車スペースまで下りた。車で山北駅近くの「山北町健康福祉センター」に寄って解散となった。

  【参加者感想】
  夕方、キャンプ場に着いてテントを張る。今日は行動しないのでリーダーからロープ講習を受けた。アッセンダーを試用して、翌日に備えた。
翌朝、快晴の中出発。入渓点まで畦ヶ丸に上がる登山道を30分ほど歩いた。おとといの雨のせいか水量も多いということだ。新緑が沢筋に張り出して空は見えないが、緑の柔らかい葉越しの光がきれいだ。
次から次へと2〜4mほどの滝が現れ、先行者の真似をして上がるが、経験値が低いのでかなり滝の水に洗礼を受けている。しかし、それも楽しい。10mくらいの滝が現れて、安全を確保しようとリーダーが滝上にロープを張りに行く。アッセンダーを使っての登高の実践をした。両手が空くしプルージックのようにロックがかかり過ぎることもないという。
その後ももう一回ロープを出してもらった。880m地点二俣は右沢左沢がはっきりしていて、もうほとんど水の流れはない。そこで木漏れ日を求めて休憩した。その後、照代さんがラスボスと評した10mの岩が現れた。下部が少しハングしている。ロープを張りに行くリーダーが4ヶ所あるハーケンにヌンチャクをかけ、リーダーの確保のため下で照代さんがビレイする。その後、皆アッセンダーを着けて登りだす。
私はなかなか一歩目が岩にのらない。先行者と同じ一歩目にしたところやっと岩に取り付けたが、その先も気が許せず必死だ。最上部間際では岩にはさまれて抜け出しての登高完了。確保がなければ怖気づいていただろう。一気に今日の山行がラスボスの岩に凝縮された気がした。
その後は権現山まで尾根歩き、権現山は丹沢湖方面が開けていて気持ちのいい山頂だ。遡行が終わり快晴の空に皆の気持ちも和んでいる。下山は南西尾根を下るのだが、急な下りが多く気が抜けない。尾根も広く踏み跡もあるが迷いやすいとのこと。
やがて、朝駐車した場所にポンと飛び出て、マスキ嵐沢遡行山行を終えた。(文:西山さより)

小滝

8m滝



2段10m滝

2段10mスラブ滝


6m滝

8m滝



最後の詰めを登る

最後の10m涸れ滝