安全対策委員会講演会 「最近の奥多摩における山岳遭難事故の実態と事故の防止」報告

−安全対策委員会−


   日時   2019年10月2日(月) 18時30分〜20時20分
   会場   立川市女性総合センター5階 第3学習室
   講師   青梅警察署山岳救助隊 亀田副隊長(奥多摩交番長)、禰寝隊員
   参加者  64名(一般:36名 支部会員:28名
       支部会員参加者
       石井秀典、岡義雄、鬼村邦治、小河今朝美、小口治、小池清次郎、近藤節郎、
       河野悠二、金邦夫、小山幸男、佐藤守、櫻井美奈子、竹中彰、高間晃子、
       寺井成世、中村敦子、中村美奈子、中原三佐代、松田慎一郎、松川征夫、村岡庸こ、
       山本憲一、吉川三鈴、北島英明、酒井晴永、石川由紀子、西村智磨子、松川信子
   記録   吉川三鈴

◇講演内容
(1) 亀田山岳救助隊副隊長の講演
・多摩地域には、青梅、五日市、高尾の各警察署に山岳救助隊が組織され、救助活動を行っている。
・平成30年の全国山岳事故発生件数は、前年を上回り過去最多の2661件であった。
・都道府県別の事故件数は、1長野、2北海道、3東京、4山梨の順で多く発生した。東京は147件で昨年の4位からワースト順位を上げた。奥多摩は横這い状況、高尾山の事故発生が多かった。
・今年9月末の青梅警察署管内の事故発生は31件、昨年同期とほぼ同じだが、死亡・行方不明事故が増加状況にある。
(2) 禰寝山岳救助隊員の講演
@青梅警察署管内で近年発生した次の遭難事故を、地図と写真をもって具体的に解説した。
・平成30.3.21 雪の三頭山にSNSの呼びかけで集合した外国人13名の遭難事例
・平成30.4.21 倉戸山男性単独行道迷い遭難事例
・平成30.5.5 御岳山での迷子の遭難事例
・平成30.12.2 赤指山でのベテラン登山者の遭難事例
・平成4.11 御岳山での神社参拝者の遭難事例
・平成4.20 川苔山での滑落遭難事例
・令和1.5.26 川乗谷ちょうちん穴での大学洞窟探検部員の特異な遭難事例
・令和1.6.2 川苔山鳥屋戸尾根道迷い遭難の事例
A安全登山実施のポイントを説明した。
・スマートフォンと予備バッテリーを持つこと。(機内モードにする等で電池消耗減らす)
・山アプリ(GPS)を入れると良い。(紙の地図も持ち、日頃から読図力をつけておく)
・日帰りでもヘッドランプを持つこと。
・晴れでも雨具を持つこと。
・登山計画を立てる。(登山計画書を出す。「山と自然ネットワークコンパス」の活用も良い)
・年齢と体力に合った山行計画を立てる。(登山する体力をつけること)
・迷ったらわかる所まで登り返し、絶対に沢に降りない。
・体調が悪い時に登山しない。
・パーティーで別々の行動を取らない。
・SNSや山アプリで知り合っただけの人と山に行かない。
B救助要請について説明した。
・自力ではどうにもならないと思ったら早めに救助要請すること。(年配者は我慢しがちだ。)
・救助要請後は動かず救助隊の指示に従って救助を待つこと。
・万が一のために、ビバークできる準備をしておく。
(3) 亀田、禰寝の両山岳救助隊員に対して、安全登山実施にする多くの質問があり、熱心に議論を行い講演会を終了した。