セルフレスキュー講習会 「登山のためのテーピング講習会」報告

−安全対策委員会−

   日時   2019年1月30日(月) 18時30分〜20時50分
   会場   立川市女性総合センター5階 第3学習室
   講師   安村 淳氏
          厚生労働大臣免許あんまマッサージ指圧師、日本登山インストラクターズ協会理事
          マウンティンゴリラ登山学校主宰
   参加者  35名
       青木義仁、赤坂憲子、赤坂優貴、荒井正人、石井秀典、植草由利、大澤則彰、小野勝昭、
       小河今朝美、川崎真琴、金有榮、解良知子、河野悠二、小山幸勇、佐久間マサエ、清水茂美、
       関根能男、高芝一民、高間晃子、富永真由美、中尾理恵、中原三佐代、中村哲也、
       中村美奈子、西村智磨子、西山さより、日向明人、前田明代、村岡庸こ、茂呂よしみ、
       山内ひとみ、吉川三鈴、宮崎紘一、池田功、斎藤理恵子
   記録   川崎真琴

◇実施報告
 ロープワーク講習でもお世話になったマウンティンゴリラ登山学校の安村講師を迎え、 登山中の怪我を予防するためのテーピング実技講習が行われた。受講者は、それぞれが抱える登山中の痛みなどを予防する方法をマスターできるよう、積極的に講習会に参加していた。安村講師の優しい語り口で、理論から実技まで分かりやすく学ぶことができた。実技講義後には、受講者からさまざまな対応策の質問があり、時間を延長して実技講習を行った。

受講状況

安村講師の講義


【講義内容】
・山の怪我のトラブル。1位は膝の痛み(変形性膝関節症予備軍が原因)、2位は上りで心肺が苦しい(心肺機能低下)、3位は下りで膝がガクガク(筋力不足)。登山は、まず体力!その上に知識と経験。太りすぎもトラブルの元。山のトラブルでは、筋肉と心肺能力が原因のトラブルがほとんどである。
・上りと下りでの筋肉の活動状況。ウォーキングと登山では使う筋肉が違い、登山に必要な筋肉を鍛える筋トレでないと意味がない。
・歩行能力と筋力の関係。腹筋や大腿四頭筋の筋力が登山には大切であり、レッグエクステンションやスクワッなどの筋トレが有効である。
・下り坂では、ストックを使うことや丁寧に下ることで着地の衝撃を和らげるので、トラブル防止に効果的である
・テーピング効果のあるコンプレッションタイツも良い。


腰痛テーピング実技

テーピング方法の説明


膝痛テーピング実技

足首捻挫テーピング実技






【テーピング実技講習】
1、キネシオロジーテープの基本的な使い方
・テープの角を落とし、張る筋肉をやや伸ばし、テープは伸ばさずに貼る。かぶれ防止のため登山後はすぐにはがした方がよい。
2、膝痛予防のテーピング
・原因は、変形性関節症(膝関節軟骨の摩耗)が多い。
・テーピングする筋肉は、大腿四頭筋(外側広筋、内側広筋)を脛骨粗面(膝のお皿の下)からお皿を囲むように太ももの付け根までテーピングするとよい。
・体重の減量(太った人)や登山中の大腿四頭筋のストレッチ、サポートタイツの着用、ストックの使用が効果的である。
3、下りで膝ガクガクの予防(下りでの転倒・滑落の予防) テーピング
・原因は大腿四頭筋の筋力不足。
・テーピングする筋肉は、大腿四頭筋外側広筋、内側広筋+大腿直筋
4、腰痛(椎間板ヘルニア・腰椎すべり症など以外)のテーピング
・原因は・長時間荷物を背負い前かがみになるために腰に疲労がたまる。
・背筋(脊柱起立筋)にテーピングをする。背骨の両脇に縦に貼り、骨盤の上あたりにも横に貼る
・日常ではマッケンジー体操を無理のない範囲で行うとよい。
・登山中に背筋のストレッチをすることも効果的である。
5、ふくらはぎ痙攣予防のテーピング
・原因は、下腿三頭筋の筋力不足、脱水、寒さ。
・テーピングする筋肉は、下腿三頭筋を囲うように踵から膝裏にかけてテーピングする。
・予防には、つま先立ちなどの下腿三頭筋の筋トレ、水分(ミネラル)補給、登山中の下腿三頭筋のストレッチ、サポートタイツ、体を冷やさないことなどが有効である。芍薬甘草湯の服用はほどほどに、飲みすぎはよくない。
6、足関節、内反捻挫のテーピング
非伸縮性ホワイトテープを使用し足関節の可動域制限をする。その際、アンダーラップテープを使用すると剥がす際に苦労しない。テープの貼り方は、ヒールロック+フィギャーエイト。





上の写真は拡大してご覧になれます。写真上をクリック。