安全登山講習会 「山のファーストエイド」     安全委員会


   日時   2016年11月20日(日) 9時30分〜12時
   会場   奥多摩福祉会館
   参加者  石井秀典、小河今朝美、小野勝昭、北原周子、黒木邦夫、河野悠二、小山義雄、
          佐久間マサエ、清水茂美、富澤克禮、仲谷朋尚、中原三佐代、中村美奈子、
          西谷可江、西谷隆亘、八木佳苗 16人
   講師   奥多摩消防署 防災救急課救急担当係長齊藤和範氏

 講師は、昨年と同様に奥多摩消防署の齊藤係長である。救急隊員の松本、杉本の両氏が支援し、石川奥多摩消防署長が見守る中で講習会を実施した。会場は、奥多摩消防署が手配した奥多摩町福祉会館の広い和室である。
 講習会は、まず参加者が普段持って歩く救急用品の確認から開始した。一人が持つものは僅かでも、絆創膏、テーピングテープ、ガーゼ、三角巾など数人の仲間が持ち寄れば様々な怪我に対応できる。特に、三角巾は有用なので一人1〜2枚は持っておきたい。

前腕部の包帯

三角巾の使い方


 次に、三角巾を活用した様々な包帯法の実習を行う。三角巾は、広げたり畳んだり(四つ折り、八つ折りなど)で体のどの部分にも傷の大きさに関係なく使用することができる。
一つ目は「前額部」を負傷時の包帯。二つ目は「前腕部」を負傷時の包帯。三つ目は「腕」を骨折等時の腕吊り方法。四つ目は「膝」を負傷時の包帯。五つ目は「足首」を捻挫等時の固定方法。六つ目は「下腿部等」を骨折の固定方法、の実習を行った。
三角巾の結び方は、解きやすい“本結び”が良い。出血がある場合は、傷にガーゼや畳んだ三角巾の清潔な部分を当てて圧迫する。血がにじんできたら、さらにその上からガーゼや三角巾を重ねて圧迫を続ける。はじめに当てたガーゼや三角巾は外さない。三角巾の結び目は傷口を避け得ること。


下腿部骨折時の固定方法

足首ねんざ等の固定方法


 後半は、心臓マッサージ(胸骨圧迫)とAED(自動体外式除細動器)による心肺蘇生方法を実習した。救命処置の開始前には、必ず現場周囲状況をよく確認し、救助者自身の安全を確保することが重要である。心肺停止状態の人に対する心臓マッサージとAEDを使用した心肺蘇生処置を全員で行う。心肺蘇生は心臓マッサージを優先に実施し、人工呼吸(口移し式)は省略可である。心臓マッサージのやり方とAEDの使用方法が説明された。AEDは電源を入れてAEDの音声メッセージに従って操作する。AEDが自動的に心電図解析を行って電気ショックが必要かどうか判断してくれる。AEDからメッセージ―がでるまで心臓マッサージを続けること。心肺蘇生処置は、周囲の人と協力しながら(心臓マッサージは適宜交代)、救急隊に引き継ぐか救護者に何らかの応答があるまで続ける。


AEDを用いた心肺蘇生

AED講習


 医学の進歩に伴い応急手当の方法は常に更新されている。定期的に救命講習などを受講し最新情報を得ることが望ましい。100%正しい方法でやろうとする必要はなく、多少下手であっても助けたいという思いやりの気持ちで手を差し伸べることが一番大事なことでだと言われた。今回の講習会では、応急手当方法を実践的な内容で実施され、講師の説明は大変丁寧でわかり易く、講習会は午前中で終了した。
講習会終了後は、奥多摩BCで昼食をとり、安全委員長石井秀典氏の引率で大氷川一周コースを歩いた。参加者は15名で、紅葉を眺めながら約2時間の里山歩きを楽しんだ。
(文:八木佳苗  写真:八木佳苗、小山義雄)



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