「緊急時連絡網マニュアルシミュレーション現地編」  安全委員会


「緊急時連絡網マニュアルシミュレーション現地編」

   日時   2016年9月25日(日)
   場所   青梅丘陵第2休憩所付近
   参加者  鬼村邦治、小野勝昭、河野悠二、佐久間マサエ、高橋重之、竹中彰、富澤克禮、
           中原三佐代、宮崎紘一、山本憲一
   講師   小山義雄
   サポート 安全委員: 高橋清輝、八木佳苗、西谷髦j

 シミュレーションシナリオ:小山義雄講師のシナリオに基づいて実施
 支部山行中、会員のDさんが転倒滑落、山行リーダーほか数名が滑落地点まで降り、生存と怪我の状況を確認。残りのメンバーは安全な場所で待機。負傷(左大腿骨骨折、頭部左額に軽度の裂傷)したDさんにファーストエイドを施し、安全な地点に確保したが、意識あるも、自力下山は困難、事故状況を記録用紙に記載して、第一報を在京留守番会員に報告する一方、容態を勘案して地元救助隊(消防あるいは警察)に救助を要請、JAC東京多摩支部からの指示を待つ。
※今回は緊急時の事故現場と在京留守番会員間の連絡が主で、外部他機関への救助要請、留守番役会員の仕事、支部長の役割・遭難対策本部開設などの演習はなし。

 実施状況
 第2休憩所を在京会員留守宅、第2休憩所から西方200m地点を遭難現場と想定。在京留守番会員宅の第2休憩所に留守番役2名を配置し、他の残り全員は遭難現場想定地点に移動した後、山行リーダー1名を選任し、遭難者1名、サブリーダー1名、リーダー補助兼遭難者付添い1名を指名。

 シミュレーション1(通報機器:携帯電話)
 リーダーは付添い1名を指名、「残りメンバーの安全を図るよう」サブリーダーに必要な指示を与え、付添い1名と共に滑落地点に降下。サブリーダーはリーダーの指示に従い、他の残り同行者会員を統率。これらの動作完了後の行動の(連絡報告を主とした)シミュレーションが行われた。  遭難者の氏名・負傷状況(部位と種別・程度)等を『事故状況記録』用紙に報告記載、記載した用紙を見ながら留守番会員宅へ連絡。留守番会員役の方は自分の持つ未記載の『事故状況記録』用紙に受けた情報を記入し、復唱・相互確認する。

 シミュレーション2(通報機器:トランシーヴァー)
 役割を交替して、同様に行う。2回目は最初とは格段にスムーズに進行した。学習効果は大きかった。

 注意点
@情報の錯綜、機器の電池切れに備えて、発信機と受信機はそれぞれ別々に確保。すなわち、現地では携帯電話機は2台用意すること。

 反省点
@氏名、負傷状況等の確認事項や確認復唱は大きな発声をする。 A電話あるいはトランシーヴァーでの連絡応答の際は、山行計画書あるいは『事故状況記録』用紙などの記録表を手許に置く事を心懸ける。
B遭難対策本部の開設は支部長判断であるが、他の会員は本部への連絡・集結に備える必要あり。

 帰路
 予定より早く終了したので、帰路は青梅丘陵をJR青梅線石神駅へ向かう。熱があり、体調不良にも拘わらず参加された山本事務局長は、現地から青梅駅へ直接下山。感謝。途中、所用のある高橋清輝さんは日向和田へ下山。第3休憩所で昼食を摂り、石神駅へ1時半頃、下山。拝島駅で流れ解散。
(文/西谷髦j 写真/小山義雄)


今回のシミュレーションでは以下のような提案・提言があり、緊急時連絡網マニュアルに追記する予定。

<現地から留守番会員への連絡の要旨>
■ どんな事故が発生したのか
■ 留守番会員には、事故状況連絡票と登山計画表を手元に置いてもらう。
■ 対策本部の立ち上げが不要と思われる場合は、第一報でその旨を伝えるが、不明の場合は第二報で決定する。
■ 携帯電話の場合、発信用・受信用を使い分ける。
 ※消防、警察との連絡用とは別にしたほうがいい。
■ 第2報、第3報と、詳細情報を伝える。

<留守番会員への具体的通話例(要旨)>
基本は緊急時リーダー対応マニュアルに準じる。
■ 第一報
@「○○山行リーダーの□□です。
 事故が発生しました。ケガ(または病気)です」。
 ※まず、どんな況での事故(または病気)かを明確に伝える。
A「事故状況連絡票と登山計画表を手元に出してください」。
B※事故状況連絡票に沿って状況を報告(復唱は必須)。
  負傷者の様子、救急手当ての様子、
  他のメンバーの様子なども手短に伝える。
C「これから消防(または警察)に救助を要請します。
 対策本部を立ち上げるかどうかは、次の連絡までお待ちください。
 また、こちらへの連絡は090-0000-0000でお願いします。
 これは受信専用のケータイ番号です」。
※救助隊到着までに負傷者の容態、メンバーなどに変化があった場合は速やかに留守番会員に連絡を入れる。
■ 第二報
D「消防と連絡が取れました。
 ヘリと徒歩でこちらに向かうそうです。
 遭難対策本部を立ち上げてください」。
■ 第三報
@「負傷者はヘリで搬出しました。
 収容先は○○病院です」。
A「これから病院に向かうのは○○、××、△△の3名、
 帰宅するのはサブリーダーの○○以下、××、△△、◇◇の4名です」。