■ 日時 2016年2月23日(火)
■ 会場 立川市女性総合センター 第1学習室
■ 参加者 大船武彦、岡 義雄、鬼村邦治、小野勝昭、加藤信夫、木谷嘉子、河野悠二、
小山幸勇、酒井俊太、佐久間マサエ、清水茂美、竹中彰、副島一義、仲谷朋尚、
西谷可江、濱野弘基、松永秀和、松本元、山本憲一、西谷隆亘、土井充、
八木佳苗、中村美奈子、石井秀典、西村智磨子 25人
■ 講師 小山義雄
2月23日(火)、立川市女性総合センターで開催。講師は安全委員会の小山義雄委員長が努めた。講習は、縦走中の緊急時に素早く確実に対応できるロープワークの習得を目的として、主に実技を中心に実施された。また、ロープワークで必須と思われるカラビナとロープの結束にはダブルエイトノットが推奨されることが多いが、現実には正しい結び方ができていないケースが多く見られる。間違った結びでもフィックスロープ程度で切断するわけではないが、正しい結びがあるならそれに従うべきではないかと小山講師。正しいダブルエイトノットの習熟には、結びを熟知したうえでのコツがある。何回も実践を繰り返す必要があり、それでも間違えて覚える人が多い。それならば、ダブルエイトノットとカラビナを使わず、簡単で確実な結束によるロープワークを覚えたほうが安全面では効果的ではないか、ということが今回の大きな主旨だ。
講習では、(1)シートベントと(2)インクノット(マスト結び、クローブヒッチ、巻き結び)の二種類の結び方と、(3)テープスリング二本を用いた簡易ハーネスの作り方を学んだ。
ロープを踏まない、鋭利な箇所に当てない、結び目にヨレを作らないなどのロープを扱う際の基本的な注意事項を確認した後、まずは、ロープとロープを素早くつなげるシートベントの練習を行った。今回のカラビナを使わないロープワークの中心となる結び方だ。会場では参加者が幾つかのグループに分かれ、結び方に間違いがないかお互いにチェックしながら教え合っていた。
■ 会場 立川市女性総合センター 第1学習室
■ 参加者 大船武彦、岡 義雄、鬼村邦治、小野勝昭、加藤信夫、木谷嘉子、河野悠二、
小山幸勇、酒井俊太、佐久間マサエ、清水茂美、竹中彰、副島一義、仲谷朋尚、
西谷可江、濱野弘基、松永秀和、松本元、山本憲一、西谷隆亘、土井充、
八木佳苗、中村美奈子、石井秀典、西村智磨子 25人
■ 講師 小山義雄
2月23日(火)、立川市女性総合センターで開催。講師は安全委員会の小山義雄委員長が努めた。講習は、縦走中の緊急時に素早く確実に対応できるロープワークの習得を目的として、主に実技を中心に実施された。また、ロープワークで必須と思われるカラビナとロープの結束にはダブルエイトノットが推奨されることが多いが、現実には正しい結び方ができていないケースが多く見られる。間違った結びでもフィックスロープ程度で切断するわけではないが、正しい結びがあるならそれに従うべきではないかと小山講師。正しいダブルエイトノットの習熟には、結びを熟知したうえでのコツがある。何回も実践を繰り返す必要があり、それでも間違えて覚える人が多い。それならば、ダブルエイトノットとカラビナを使わず、簡単で確実な結束によるロープワークを覚えたほうが安全面では効果的ではないか、ということが今回の大きな主旨だ。
講習では、(1)シートベントと(2)インクノット(マスト結び、クローブヒッチ、巻き結び)の二種類の結び方と、(3)テープスリング二本を用いた簡易ハーネスの作り方を学んだ。
ロープを踏まない、鋭利な箇所に当てない、結び目にヨレを作らないなどのロープを扱う際の基本的な注意事項を確認した後、まずは、ロープとロープを素早くつなげるシートベントの練習を行った。今回のカラビナを使わないロープワークの中心となる結び方だ。会場では参加者が幾つかのグループに分かれ、結び方に間違いがないかお互いにチェックしながら教え合っていた。
次に、ロープフィックスのアンカーとしてのインクノット。傘やリュックサックなどの持ち物、あるいは腕などをそれぞれ立木に見立て、ロープを結びつける練習を行った。会場を巡回する講師に質問をしながら繰り返し練習することで、全員が間違いなく、かつ手早く結ぶことができるようになった。
この二つの結び方を使うと、縦走時なんらかの事由で足場の悪い箇所を通過しなければならなくなった場合、ロープを使い安全を確保しながら行動することができるようになる。
まず立木にインクノットで支点を作る。次いで適度な間隔でテンションを取りながら中間支点を作る。中間支点は、スリングをガースヒッチ(タイオフ、カウヒッチ)で中間支点としたい箇所に結び(スリングがズレる場合は止め結びで固定する)、そこにカラビナを掛け、メインロープをインクノットで結ぶ方法をとった。中間支点は、アンカーを取った者が上から下りながら固定するとテンションの調節が容易だというのが講師の考え方だ。
この二つの結び方を使うと、縦走時なんらかの事由で足場の悪い箇所を通過しなければならなくなった場合、ロープを使い安全を確保しながら行動することができるようになる。
まず立木にインクノットで支点を作る。次いで適度な間隔でテンションを取りながら中間支点を作る。中間支点は、スリングをガースヒッチ(タイオフ、カウヒッチ)で中間支点としたい箇所に結び(スリングがズレる場合は止め結びで固定する)、そこにカラビナを掛け、メインロープをインクノットで結ぶ方法をとった。中間支点は、アンカーを取った者が上から下りながら固定するとテンションの調節が容易だというのが講師の考え方だ。
この一連の作業を一通り練習した後、今度は、テープスリングを使ったチェストハーネスとヒップハーネスの作り方を学んだ。
まずチェストハーネスは、次の手順で作成する。
(1)スリングの両端を持つ(写真11)
(2)スリングの輪に左腕を通し、一方の端を右手で引く(写真12)。
(3)右手のスリングを右脇の下を通して胸の前まで持ってきて(写真13)。
(4)左腕のスリングに通して(写真14)。
(5)シートベントまたは止め結びで結ぶ(写真15)。緩みが出るので、ちょっときつめがいい。
(6)ループにメインロープを通しシートベントで結ぶ(写真16)
体格にもよるが、成人男性ならば120cm以上のテープスリングを用いると良いようである。チェストハーネスだけでも、滑落した人を引き上げることができるとのこと。山行のリーダーは是非ともマスターしておきたい。なお、チェストハーネスとメインロープをカラビナで繋げると、ロープ操作によってカラビナが顔に当たりケガをする恐れがあるとの説明があった。
まずチェストハーネスは、次の手順で作成する。
(1)スリングの両端を持つ(写真11)
(2)スリングの輪に左腕を通し、一方の端を右手で引く(写真12)。
(3)右手のスリングを右脇の下を通して胸の前まで持ってきて(写真13)。
(4)左腕のスリングに通して(写真14)。
(5)シートベントまたは止め結びで結ぶ(写真15)。緩みが出るので、ちょっときつめがいい。
(6)ループにメインロープを通しシートベントで結ぶ(写真16)
体格にもよるが、成人男性ならば120cm以上のテープスリングを用いると良いようである。チェストハーネスだけでも、滑落した人を引き上げることができるとのこと。山行のリーダーは是非ともマスターしておきたい。なお、チェストハーネスとメインロープをカラビナで繋げると、ロープ操作によってカラビナが顔に当たりケガをする恐れがあるとの説明があった。
シットハーネスは、次の手順で作成する。
(1)スリングを腰の後ろに回し、両端を持って体の前に持ってくる。上のスリングは腰にあてるのがポイント(写真17)。
(2)股の間からスリングを引き上げる(写真18)。
(3)引き上げたスリングを左右のスリングに通す(写真19)。
(4)通したスリングは2回ほど巻き付け、緩まないように締める(写真20)。
(5)両端を結び合わせる(写真21)。
(6)ループにメインロープを通しシートベントで結ぶ(写真22)。
(7)チェストとヒップを連結させれば、より安定性のあるフルハーネスも作れる(写真23)。
写真のスリングは170pでちょっと長すぎる。150p前後がちょうどよいだろう。
(1)スリングを腰の後ろに回し、両端を持って体の前に持ってくる。上のスリングは腰にあてるのがポイント(写真17)。
(2)股の間からスリングを引き上げる(写真18)。
(3)引き上げたスリングを左右のスリングに通す(写真19)。
(4)通したスリングは2回ほど巻き付け、緩まないように締める(写真20)。
(5)両端を結び合わせる(写真21)。
(6)ループにメインロープを通しシートベントで結ぶ(写真22)。
(7)チェストとヒップを連結させれば、より安定性のあるフルハーネスも作れる(写真23)。
写真のスリングは170pでちょっと長すぎる。150p前後がちょうどよいだろう。
紹介されたチェストハーネスとシットハーネスは、それぞれ単独で使用できるが、ハーネスには加重がかかることを想定し、幅のあるテープスリングを用いると良いとのことである。
最後に、末端処理の重要性の説明があった(30pほど残して止め結びしておく)。参加者がそれぞれ声を掛け合い、本日習ったことを復習する和やかな雰囲気の中、今回の安全登山講習は終わりとなった。また、今回のロープワークはひとつの方法であること。すべての結び方には表と裏、左右があり、利き手の違いなどでプロセスも異なる。今回紹介した方法がすべてではないということも強調された。
初心者の中には、ロープワークの本を片手に様々な結び方を練習しても、どのような状況の時にどの結び方を選択するのが適切なのか判断できない、あるいは、いざという時に結び方を思い出せない、というところで躓く人も少なからずいるのではないだろうか。今回の講習会は、二種類の「結び方」とその「使用方法」を、時間を掛けてじっくり練習することができた。これにより、すべての参加者が、縦走中の緊急時に今回習得したロープワークを使用することができるようになったのではないだろうか。
(文・会場写真/土井 充 結びの説明写真/小山義雄)
最後に、末端処理の重要性の説明があった(30pほど残して止め結びしておく)。参加者がそれぞれ声を掛け合い、本日習ったことを復習する和やかな雰囲気の中、今回の安全登山講習は終わりとなった。また、今回のロープワークはひとつの方法であること。すべての結び方には表と裏、左右があり、利き手の違いなどでプロセスも異なる。今回紹介した方法がすべてではないということも強調された。
初心者の中には、ロープワークの本を片手に様々な結び方を練習しても、どのような状況の時にどの結び方を選択するのが適切なのか判断できない、あるいは、いざという時に結び方を思い出せない、というところで躓く人も少なからずいるのではないだろうか。今回の講習会は、二種類の「結び方」とその「使用方法」を、時間を掛けてじっくり練習することができた。これにより、すべての参加者が、縦走中の緊急時に今回習得したロープワークを使用することができるようになったのではないだろうか。
(文・会場写真/土井 充 結びの説明写真/小山義雄)