雪山登山机上講習会    (安全委員会)



   日時   2015年1月12日(月)
   会場   立川市女性総合センター 第2学習室
   参加者  岡 義雄、河野悠二、小野勝昭、佐々木晶子、志賀 昂、長島秀行、高橋重之、
          高橋郁子、西村智磨子、栃金正一、石井秀典、西谷隆亘、松川信子、西谷可江、
          木谷嘉子、土井 充、仲 洋二、仲谷朋尚、広瀬雅則、中村美奈子、八木佳苗、
          富永真由美、濱野弘基、酒井俊太、清水茂美、数見 直、小山義雄  計27名
   講師   佐藤 守、佐藤栄子

 1月24日の初心者向け実地講習の予習として開催された机上講習会だったが、実地不参加の会員も対象とした。当日は成人の日でもあるにもかかわらず27人参加とほぼ満員となった。講師の佐藤守会員の自己紹介のあと「雪山の装備と使用法」から講習が始まった。
雪山の概念として、地理的条件などで積雪量や雪質などが異なり、それに伴って必要とされる装備や技術も異なると説明。それぞれの変化に対応できるよう、最低限の装備と技術を備えていれば、雪山登山はより楽しく安全なものとなる。

講師の佐藤守会員

アイゼン歩行の解説


   個人装備では、まず衣類の重要性が挙げられた。とくにアンダーウェアは、保温性・速乾性に優れたものが必須。木綿は論外。登山靴はアイゼンとの相性を考えて底の固い冬用が望ましい。そうでない場合は靴下の重ね履きなどで対応することも可能だ。爪先部分に小さな保温カイロを入れるのも一方法。
 ピッケルは、本来は雪氷斜面の登下降の支点とするものだが、ストックのように使うことが多いので約70cm程度の長さのものが使いやすい。アイゼンは目的の山に応じて使い分けたいが、4本爪だけは使い勝手が悪く、緊急時以外には勧められない。10本爪、12本爪であれば安心。ヘッドランプは予備電池を含めて必携。
ピッケルの持ち方、使用方法の簡単な説明のあと、アイゼン歩行が説明された。両足をやや広げて爪をスパッツやパンツに引っかけないようにする。急斜面の登りでは、両足を逆ハの字に開いて登ると楽。下降は、すべてのアイゼンの爪を雪面にフラットに刺し、膝を軽く曲げて上半身を立てるようにすると安定感が増す。斜め登高、トラバースなどがスライドを併用して説明された。


ほぼ満員となった会場

参加者は真剣そのもの


 続いて「雪山におけるリスクから身を守るために」と題して、雪山の安全について語られた。山はもともと危険な場所であるが、雪山は、積雪、低温、強風、ホワイトアウトなどに伴うリスクが加わり危険度がさらに増す。安全登山を強く意識したい。
 道迷い、雪崩、雪庇などの対応について触れたあと、トムラウシでの遭難者の声を引用しながら、低体温症が語られた。段階別症状による自覚症状、速乾性アンダーウェアや手袋・帽子の有用性、こまめなエネルギー補給の大切さなどなど、誰にでも陥る可能性のある低体温症への注意が語られた。いくつかの質疑応答後、講習を終えた。






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