安全登山講習会「山行で使えるツボを教えます」


山行で使えるツボを教えます

   日時   2014年9月30日(火)
   会場   立川市女性総合センター 第3学習室
   参加者  石井秀典、大船武彦、岡 義雄、小川 武、亀島英治、北原周子、河野悠二、
           佐久間マサエ、清水茂美、副島一義、高橋重之、高橋郁子、高橋素子、竹中 彰、
           鶴田泰子、鶴田 実、土井 充、富澤克禮、富永真由美、仲谷朋尚、長門 彰、
           中村美奈子、西村智磨子、西谷隆亘、西谷可江、八木佳苗、山本憲一、小山義雄 28名
   講師   渡辺真一(針灸師、日本山岳会・山遊会会員)

 講師は、日本山岳会山遊会の会員であり、都内本郷で治療院を営んでいる渡辺真一会員。まず、登山の運動生理学として、加齢とともに敏捷性・平衡性(バランス)・筋力は低下する。とくに平衡性がもっとも低下し、同時に登山中に最多のトラブルが筋肉痛だと指摘。これには参加者の多くがうなずく。
 さらに、登山でもっとも重要な動きをするのは太ももの前にある「大腿四頭筋」。登るときは縮みながら力を発揮し(短縮性収縮)、下るときは引き延ばされながら力を発揮する(伸張性収縮)性質があり、大腿四頭筋にとって、伸張性収縮は不自然なカタチなのだそうだ。つまり、筋力不足の人は下りで筋肉痛になりやすい。「登りでは心肺系の負担が大きいが筋肉へのダメージは少ない」「下りは楽だが筋肉へのダメージは大きい」。これには参加者も目からウロコだったようだ。また、段差を半分にすれば筋肉への損傷は少なく、下りでのストック活用は効果的、と渡辺講師。

ここはどうですか

渡辺真一講師


 続いて、ツボの話へ移った。ツボ(経穴)は中国3000年の長大な経験的知見に基づいて発見されたもので、重要な神経・血管・筋肉上にあって自律神経反射などのポイントがあり、医学的な関連がある。このツボとツボをつなぐ経路を使って身体の具合をチェックすることができる。足と臓腑を繋ぐ経絡、大腿四頭筋、大腿二頭筋(ハムストリング)、前頸骨筋(脛)の4筋のツボなどの解説が進む。
 渡辺講師の話とパワーポイントで映し出されるツボの解説を見ながら、参加者は指を押さえたり、足腰を揉んだり、頭に指を立てたりと忙しい。ひと通り講義が終わり、具体的なツボの押さえどころの講習が始まった。


ツボをあれこれと探りながら

まずは運動生理学から


 首に違和感を感じるという副島会員が「実験台」となってツボと経絡の効能を確かめる。次に大船会員が脚の不安を感じるとのことで次の「サンプル」に登場。渡辺講師がツボを押さえながら説明してくれる。大船会員は「ああ、そこそこ」などと声を上げるたびに、周りを取り巻く参加者がツボの位置をのぞき込む。その大船会員は「自分で押しても感じないのに、先生が押すと効くんだよね。やっぱり違うよね」と関心していた。  参加者から、それぞれに感じている症状や日頃の不安などが寄せられると、丁寧な説明と対処方法で対応してくれる。便通に効くというツボ(合谷)は、山本会員が「押したら4回も通った」とお墨付き。
 有名なツボを挙げると、高山病・乗り物酔いは「内関」、胃の痛みは「足三里」、めまい・立ちくらみは「百会」「風池」など。ツボの位置を示したテキストも配付され、自宅でも活用できる。
 最後に、鍼灸は自然治癒力を高めることで自分自身で異常を修復するもの。健康を保つには「抵抗力をつける」こと、「予防・治療・再発させない」ことが大切だと結んでいただいた。
(文・写真/小山義雄)


誰かがのぞき込んでいます

皆さん素直で真剣です





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